第7回鳥取県教育審議会総会の概要

1 日時

平成21年2月5日(木) 午後1時30分~午後4時45分

2 場所

白兎会館2階「飛翔の間東」

3 出席者

教育審議会委員(20名)、高等学校の在り方部会専門委員(9名)、教育長、教育次長、関係各課長 他

4 概要(議題に対する主な意見等 ●委員、○事務局)

(1)報告事項:各部会・分科会の開催状況について

●学校運営分科会の報告に、「保護者に十分公表されていないのが昨年までの実態」とあるが、これでは、全ての学校が公表していないと受け取られかねないので心外。

(2)報告事項:平成20年全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について

●運動をしない子が増えているという部分の対策が必要。

 

(3)報告事項:鳥取県スポ-ツ振興計画について

●国体の成績になぜこだわるのか。人口比で考えれば40位台で良いのではないか。
 また、「世界で活躍できる」と書いてあるが非常に難しい。生涯スポ-ツの充実の方が大切ではないか。年をとってもできる競技や運動は限られているので、そういう部分を充実し、高齢化社会を支えていくということが必要。

○国体の成績は、人口が少ない鳥取県でも頑張ればできるということで掲載した。また、世界で活躍することは難しいが、鳥取県にも現にそういう方がおられる。スポ-ツをする人の励みにしたい。生涯スポ-ツの普及は当然大切。子どもから大人まで楽しみめるスポ-ツを普及していくことは必要。

●国体成績にこだわる必要はない。高齢化社会の中で運動できるスポ-ツ施設をどうするかが問題。世界で活躍できる人材を発掘し育てるためには、資金がいるのでなかなか大変。文章で書いてあるだけでは、説得力がない。

●国体は異年齢での関わりがありとても良いので、この部分を大切にしながらの強化というのは大切だと思う。

(1)協議事項:「次の時代を担う生徒を育成するための今後の活力ある鳥取県高等学校教育の在り方」の答申について

●学校教育法、指導要領、中教審答申等の文言を使用し答申案を作成した。

●文書照会時に回答したが、案に採用してもらえなかった理由はなぜか。

○部会で出されていない考え方や意見は採用していない。

●エキスパ-ト教員は施行中であり、その効用や弊害が明らかになっていない時点で答申に掲載するのはどうか。また、補充授業が必要かどうかは各学校側や教員が考えることではないか。労働強化にもつながる恐れもある。

●エキスパ-ト教員の認定はどうなっているのか。

○選考委員会で選考している。

●密室で決めてしまっていることになる。明文化した規定はあるのか。

○一定の推薦の基準、選考の基準はある。

●こういった資格を他人から認定されるということは非常に危惧するので、こういったもの案に入れるかどうかということは慎重にしてほしい。

○エキスパ-ト教員は教員の資質向上を高めるためのモデルとしていい制度であり意味があると思う。密室でやっているわけではなく、普段の学校での様子を見ながらしている。

●規定に基づき選考されたプロセスが公開されているなど透明性はあるのか。

○推薦基準などは公開しているので透明性はある。

○労働強化の件だが、労基法などの法律の範囲内でのことなので誤解がないようお願いしたい。

●補充授業は例示という意味で掲載してある。かならずしも強制するものではないという理解でよいのではないか。

●15年先の人数まで出しているが、15年先のニ-ズまではわからない。この案の書きぶり程度で柔軟に対応していくのがよい。

●この答申の目玉は何か。

●目標は、「社会の発展に寄与する人材育成」であり、社会人として自立できる、それから知徳体のバランスの取れた人材を育成するということがポイント。また、鳥取県では企業が教育に参加しなければ成り立たないというのが答申の骨子。

●具体的な企業と高校との連携というものをどう図っていくのか。具体的なものを盛り込むことができたら良いと思う。

●地域との連携についても記載したが具体的なところまでは書き下ろしていない。

●例えば、生徒達がそれぞれネットをはりながらやっていくような仕組みを作ろうとか、というようなものを盛り込めばいいと思うが、今の案は総論的な印象を持つ。

●例えば工業学科は企業に出て研修し、また学校で学ぶということも書きたかったが、書かれていないのでいろいろとご意見が出てくると思う。これも相談したかったものの一つ。

●それのための協議会を設ける等についてどうやって実現させるかも書いたらどうか。

●顧客ニ-ズの重点化を図り絞ってやっていく方法といろんなニ-ズを受け止めていく方法の2つのやり方があるが、苦渋の決断で、県民のいろんなニ-ズを受け止める方法を選んだのではないか。

●定数内不合格についても書いてほしかった。

○それぞれの学校が判断する。卒業できるという前提で考えたとき、不合格もある。

●卒業させる自信がなかったら不合格にさせるということか。

○資質、能力を総合的に判断し選抜を行う。定員だから入らなければいけないということはおかしい。

●会長に一任していただき、今日の意見を参考に修正する。最終的な答申は後日送らせていただき最終的に了解を得たい。そこで良いということであれば答申させていただく。

 

(2)協議事項:鳥取県教育振興基本計画(案)について

●健やかな心身の育成に薬物についての教育を入れ込んではどうか。東京では小学校の段階で薬物に対しての啓発があった。

○飲酒、喫煙とともに薬物についても取組をしている。薬物を頭出しするかどうかは今後検討する。

●目標値の県指定文化財件数の15件の意味が分かりにくい。文化財行政の大きな問題は、考古学の卒業生が90%以上。このため建造物や美術工芸などカバ-できていない。将来的には考古学以外のエキスパ-トを配置してほしい。記載の中にも「妻木晩田遺跡、青谷上寺地遺跡などをはじめ」などがあるが考古学者の発想である。行政として偏向している。「本物の文化財にふれ」と書いてあるが、遺跡は触れられない。むしろ町並みや寺院などの建造物の方が本物に触れられる。また、鳥取県は過疎県であり、限界集落などの過疎地に良い文化遺産とか文化的景観が残っている。それを文化振興に役立てるように努力してほしい。

○ご指摘のとおりだと思う。埋蔵文化財に寄りすぎ。建造物や民俗文化財などに目を向けないといけないという観点で文化財主事の配置をはじめてみたりしているのでそこを反映できるような形を考えていきたい。

●文化的景観という概念を国は強く訴えてきている。鳥取県の過疎地には非常に豊かな文化的景観があるので、できるだけそういう方向で動いてほしい。

●鳥取県の持つポテンシャルについて、鳥取県の特徴を生かして人材育成を行うために重要なポイント。先ほどの文化的景観の話しとか、環日本海や国際的な視点、鳥取大学農学部も一つのポテンシャルだと思う。そういうものをうまく生かしながら教育をしていくという部分が出てきても良いと思う。

○教育委員会の中に入れ込んでいきたいと思う。議会にも報告したが、全体計画だからこういう形になると思うが、鳥取らしさが何かでないかという話しがあった。アクションプランには独自事業が出てくるが、計画にはなかなか記載できにくいので、そういう視点でもご意見をいただきたい。

●鳥取県は山も海も近いし、文化財も近い。これは学校教育の中にも使える。これは鳥取県教育の一番の目玉になると思うので、どこか、アクションプランでもかまわないので、入れてほしい。

●郷土を愛しという事はとても大切。子どもの根底には、学校が好き、地域が好き、郷土が好きということが学校教育の中で大事だと思う。「ふるさとへの誇りを持つ」という文言は言っているがとても良いが、具体的なことが見えてこない。鳥取らしさということで、何をするのか入れてほしい。

○郷土教育は学校ではいろいろとやっていると思う。計画にどう入れていくのかなやんでいる。何とか入れていきたいと思う。

●人権教育について、市町村の取組に偏りがある。差別を前提とした同和教育が行われるところが過半数ある。高校に入って、子ども達の安全・安心な面でいろんな弊害がでるのではないかと心配している。県に聞いたら町村の問題だからと言って逃げる。県がリ-ダ-シップとって町村の足並みそろえてほしい。これは計画云々と言うことではなく、日ごろから思っていること。

●先ほどの話しだが、鳥取市が偏向しているとか他の町村が偏向しているとかという事ではないので念のため。

●公民館振興の一番の悩みは、公民館職員の資質向上。社会教育主事の資格を持っている公民館職員はわずか。課題として不安定な身分や勤務とかとこの計画の中にも書いてあるが、目指すところとか、方向の中に県として専門的な資格をとれるような事ができないかと思う。

○専門的な社会教育主事を配置してもらうように市町村にも要望している。ただ、各市町村の状況があるのでなかなか強く言えないけれど、できるところで支援をさせていただきたいと思っている。来年度、県内で社会教育主事の研究を受ける事ができるようにする。

●今後考えてほしいのは、枠(フレ-ム)をもう一度見直すという発想を持ってほしいということ。ゆるされる範囲で組み直すといろいろとできる。小中一貫、中高一貫など市町村レベルでできるものもある。自分の中学校区でも何ができるか考えてる。中学校の教員が小学校で出前授業している。こんな発想の転換をしてほしい。そういう発送をしたら鳥取らしさが出てくるのではないか。

●食育は幅広く奥が深い。知徳体の基盤。食の安全は管理されるものである。心と体の教育を考えると学校教育でどこまでできるか。供給率が上がっても食育としてどういう効果があるのか。学校給食を通じてどう家庭にアプロ-チし、支援していくのかではないか。食育の持つ存在的な力は鳥取県の自然や環境。これをどう教材に生かし家庭に向けてどうしていくのか。手法としては家庭。給食は安全が先にきてしまう。子供が作ったものを給食に入れることができない。食育の研究全国大会が鳥取で3月に行われる。教育の場でももって方向付けを明確にして、そこに向けて皆が協力し合うという事を望みたい。

  

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