障がい者手帳は、心身に障がいのある人が福祉サービスを受ける際に提示する手帳のことをいいます。障がいの内容により身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類があり、また、それぞれに障がいの程度に応じた等級があります。種別や等級によって受けられるサービスが異なりますが、一般的に公共施設・公共交通利用料金の割引、税控除などのメリットがあります。
「精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)」は、一定の精神障がいがあり、長期にわたって日常生活に支障をきたしている方に交付されるもので、高次脳機能障がいの場合、記憶障がいや感情障がい、遂行機能障がいなどの症状が対象になる場合があります。この場合の診断名は「高次脳機能障がい」というよりも「脳梗塞後精神障がい」、「頭部外傷後精神障がい」といった診断名になります。
一定以上の身体的な障がいが認められる場合には「身体障害者手帳」が交付されますが、高次脳機能障がいの場合には、はっきりとした身体障がいが見られないことも少なくなく、身体障害者手帳の取得が難しい場合もあります。
「療育手帳」はおおむね18歳までに一定以上の知的機能の遅れが認められた場合に交付されますが、18歳までに脳の損傷を受け、後に知的な遅れが認められたときも交付される場合があります。