トータルコスト予算分析の目的の一つに、仕事量を数値化することがある。
現在、事務費のみの事業(業務)であっても、トータルコストを示し事業(業務)実施の是非を検討することから、指導監督や許認可なども、いずれかの事業に整理する。要求書の作成にあたっては、補助金等の単位ではなく、ミッションやトータルコストを意識し、事業の分割や統合を行うこと。
事業の統廃合のイメージ
例1:事業の分割が可能なイメージ
○○○補助事業 |
─→ |
○○○補助金(○人役)、 |
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△△△指導調整事業(○人役) |
□□□推進費 |
─→ |
▲▲▲イベント開催費(○人役)、 |
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□□□推進費(○人役) |
例2:事業の統合が可能なイメージ
△△△補助事業 |
┐ |
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▲▲▲補助金 |
┴→ |
○○○対策費(○人役) |
トータルコスト算出に係る人件費については、平均給与に人役を乗じて得た額とする。予算要求DBの所定の欄に、従事人日(下記5参照)を登録すれば自動計算される仕組みとしているが、事業費内人件費については、引き続き別途直接の入力が必要である。
これまで、事業毎の従事人役は、
・前年度の人役との整合性に配慮すること。
・従事人役と実定数との完全突合までは行わないものの従事人役と実定数が乖離することのないよう配慮すること。
とし、限られた人的資源をどの予算事業にどれだけあてるかを所属長が責任を持って判断することとしていた。
しかしながら、平成23年度からの予算編成過程の見直しに伴い、一般事業要求時点においての実定数を踏まえた従事人役の割り振りは困難であることから、トータルコストは予算検証のための参考表記との認識のもと、基本的には業務内容のみに着目した上で、主な業務内容ごとに従事人日を整理し、事業毎の従事人日合計から人役を機械的に算出することとする。政策戦略事業要求時においても同様とする。
主な業務ごとの従事人日の割り振りにあたっては、できる限り平成22年度当初予算(議案説明資料等)で事業毎に示した従事人役を参考とし、事業毎の従事人役は、前年度の人役との整合性に配慮するとともに、従事人役と実定数が大きく乖離することのないよう配慮されたい。
なお、「主な業務内容」については、従前提示している下記例を参考に、各所管で事業ごとに判断して登録すること。
【補助金業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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制度設計、周知説明 |
2人日
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説明会準備開催4h×3回/年 |
申請報告の審査 |
3人日
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審査0.5h×20件×2回 |
支払い |
1人日
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2h×4回 |
国との調整、国庫処理 |
20人日
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国協議4~6月 |
計
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26人日
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/242日=0.11人役 |
【イベント業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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事前調査、企画、予約、契約 |
10人日
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協議、実行委員会、関係庶務 |
5人日
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会議の準備開催5h×7回/年 |
募集、PR、展示、資料作成 |
20人日
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繁忙期は6~9月 |
会場設定、当日作業 |
84人日
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片づけ、支払い、報告まとめ |
5人日
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計
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124人日
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/242日=0.51人役 |
【審議会業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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設置要綱の策定、委員選任 |
10人日
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会議開催準備調整、資料作成 |
5人日
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会議の準備開催2日×5回/年 |
会議運営、関係庶務 |
10人日
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制度広報 |
5人日
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啓発月間10、11月 |
計
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30人日
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/242日=0.12人役 |
【許認可業務】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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受付、指導 |
11人日
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受付10分×500件/年 |
審査、決裁、台帳整理 |
94人日
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審査、整理(0.5h+0.1h)×500件/年 |
通知、交付 |
5人日
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計
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110人日
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/242日=0.45人役 |
【公共事業】
主な業務内容
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従事人日
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参考
(定量的な分析ができるもの)
(月別繁閑があるもの)など
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地元説明・調整 |
1,936人日
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地元交渉 |
工事発注、進行管理 |
1,210人日
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庁内関係課との調整 |
726人日
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都市計画調整、当初予算編成 |
国との調整 |
484人日
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概算要求、変更認可等 |
計
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4,356人日
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/242日=18.00人役 |
(1)業務のやり方のチェック、縮小・廃止
トータルコストを縮小するため、業務の手続等を簡素化・省略化の検討。
また、費用対効果を再検討し、費用対効果が小さく優先順位が低いと考えられる業務について、縮小・廃止・代替手段を検討。
(2)外部委託等
現在、県職員が直接行っている業務についてトータルコストと民間に委託した場合の経費の比較を行い、外部委託を検討。
(3)集中化の検討
同種同内容の業務を複数所属で所管しているものについて、集中化を検討。