昭和55年(1980)11月24日、八頭町宮谷で採集
歌詞
郵便屋さん はがきが十枚落ちました
拾ってあげましょ 一枚 二枚 三枚 四枚 五枚 六枚 七枚 八枚 九枚 十枚
はい 郵便 じゃんけん ぽん 負けたらさっさとお逃げなさい(歌い手:昭和35年生まれ)
解説
これは二人の子どもが縄をぐるぐる回している中に、さらに二人の子どもが入り、歌に合わせてはがきを拾う動作をし、最後にじゃんけんをして、負けた子どもは去って行くという遊びである。勝てば中に入っていることができる。また、縄を足などで引っかけたら、その子は縄を回す方に交替するのである。同類は広く存在している。
島根県のものを示しておこう。大田市では、
郵便屋さん 郵便屋さん はがきが十枚落ちました 拾ってあげましょ 郵便屋さん
そら 一枚 二枚 三枚 四枚 五枚 六枚 七枚 八枚 九枚 十枚 ありがとさん
(歌い手:昭和54年生まれ)
このように落ちたはがきを拾うという手法は同じである。
ところが、同じ郵便局員を主人公にした縄跳び歌でも、はがきを拾うのとは違い、時間を内容にした歌も存在している。松江市美保関町で聞いたもの。
郵便さん 配達さん もうすぐすぐ十二時だ
一時 二時 三時 四時 五時 六時 七時 八時 九時 十時 十一時 十二時
(歌い手:収録当時中学生)
同じ仲間の歌として、江津市のもの。
郵便さん 配達だ もうかれこれ十二時よ
えっさか まっさか どっこいしょ(歌い手:昭和35年生まれ、当時12歳)
ところで、同様に郵便配達をする人物をあげながら、単なるじゃんけん仲間にしてしまったような取り上げ方もある。
松江市八束町の歌である。
郵便さんおはいり はいよろし じゃんけんぼ 負けたおかたは出てちょうだい(歌い手:昭和59年生まれ)
いずれにしても、暑さ寒さをものともせず、雨や雪の日も、毎日配達に精を出す郵便配達の人たちに対して、子どもたちは親しみを持っているのである。