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昭和61年(1986)8月4日、大山町羽田井で採集

歌詞

この明かり この明かり じいさんも ばあさんも ござーい ござーい

この明かり この明かり じいさんも ばあさんも いなはーい いなはーい

(伝承者:明治44年生)
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解説

  わたしたち日本人にとって、盆といえば正月と並ぶ一年の二大年中行事となっている。
 さて、この歌の伝承者の話を例にとって盆行事を眺めてみよう。まず七月に入って七日が墓掃除。十三日朝には花立てを行う。十四日朝、墓参りをして供えものをした。両日の夜、「迎え火」と称し、麻殻(おがら)を川端で燃やして唱えをした。その唱えの詞章が、最初にあげたものである。ご先祖は、この明かりに導かれて、懐かしいわが家へお帰りになるという。
 そして十五日の夜と十六日の早朝も麻殻を川端で燃やして唱えをした。「送り火」がこれである。この詞章も「迎え火」のそれとよく似ており、二番目にあげたものである。特に十六日の早朝は一輪線香に火をつけ、供えものを川に流したという。この川に流す行事については、地方によって特色があり、島根県では、松江市の大橋川で盆灯籠が流され、それは翌朝、宍道湖岸にたくさん流れ着いていたのも一つの風物詩であった。また、隠岐島の西ノ島町では、大きくて豪華なシャーラ船(精霊船)を流すので有名である。
 この仏さんの送迎についての歌は、大同小異の詞章を持って各地で行われているが、わたしの収録でただ一つ、ちょっと異なった特色のあるものがあった。それは送り盆に唱えられるが、鳥取県三朝町で伝えられていた。

チンカラ マンドイ スッカンカン(伝承者:女性・明治35年生)

「仏さん送りといって、盆の十六日の夕方に麦わらを束にして火をつけ、太鼓や鉦(かね)をたたいて田んぼのあぜ道や川のほとりで振っていました。」と伝承者は話してくださった。
 ところで、わたしたちは、正月の食べ物を象徴する餅に対して、盆にはうどんやソーメン、あるいは団子などを作る。そしてキュウリやナスに箸で足をつけ、仏さんの乗り物であると説明している。また仏さんは小さく美しい精霊トンボになって帰ってくるので、この生き物を殺生してはいけないなど言われている。
  また、わらべ歌ではないが盆踊りの歌として、島根県浜田市三隅町では、次のものがあった。

ハアー 盆はナアーヨイサ 盆はうれしや 別れた人も アラセー ヨホホイー 晴れてこの世へ逢いに来る(伝承者:男性・明治終わり~大正初め生)


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