昭和55年(1980)8月25日、岩美町田後で採集
歌詞
中の中の小坊さんはなんで背が低い
てんま梶原オシャカにかがんで
そしで背が低い
後ろの正面だぁれ(歌い手:明治35年生まれ)
解説
子どもたちが手をつないで輪を作り、歌を歌いながら回っている。その輪の中に鬼になった子どもが両手で目をふさいでしゃがんでいる。歌が終わったところで、しゃがんでいる子どもは後ろになった子どもの名前を言い当てる遊びである。鳥取市美和でも同類は次のようにうたわれていた。
中の中の小坊さんは なんで背が低いやら
えんま梶原 イシャシャにこごんで
うしろの正面だぁれ(女性・大正4年生)
江戸時代の元禄ごろ野間義学も『古今童謡』で次の歌を収録している。
中の中の子仏は なせに背が低いぞ
えんまの梶原で、いそいそとかがんだ かがんだ
300年以上の歴史が存在していることが分かるのである。