歌詞
いっぽ かっぽ
じゅくじゆうと 抜けた
抜いても抜かでも 梶原左衛門
ちょっと抜け(伝承者:明治41年生)
解説
全員が手をにぎり、前に出す。それを一人が歌に合わせて指さしてゆき、最後の「ちょっと抜け」 に当たった子がグループから抜ける。これをくり返し、最後に残った子が鬼になる。
大山町国信の同類を見てみよう。
いっぽ、かっぽ、じょうろく、じよっと引け
吹いても、吹かでも、松葉のじょうろく、じよっと引け
大山町高橋では、
いっぽ、かっぽ、じょうろく、じようとう抜けた、ちょっと引かしゃんせ。 (伝承者:明治40年生)
一方、島根県でも頓原町で次の鬼決め歌がある。
いっぽ かっぽ 豆ざこ よざこ
咲いたか 咲かぬか 帯しめ こしめ
東西見つけた 鬼と杯(さかづき)
なーるてんと なーるてんと(伝承者:昭和4年生)
いずれもがそれぞれ変わった詞章である。まるで呪文でも唱えるような内容であるが、鬼を決めるためにうたう歌ということになれば、神の意志をうかがって決めたという以前の神聖なしきたりの、残映かとも思われなくもない。