語り
昔、唐の国から「大きな唐山という山があるから日本人に見せてやろう。」と海を渡って持ってきて、今あるところへ置き、そして振り返って見たら霊峰大山がありましたから、その姿を見てびっくりして「まあ、こりゃ日本にも大きな山があるんだなあ。」と言って、唐山を持って帰ることを忘れて、ここへ置いて帰ったそうです。
それが今の唐山で、それでこの名前がついたそうです。(伝承者:大正12年生)
解説
いつも眺める山に親しみを感じてほほ笑ましい伝説を作り上げてもいた。その中でも山の高さを競って、どちらが高いかと高さ比べをする話は、全国各地にたくさん残されている。昔の人々はよほどこの種類の話が好きだった模様である。鳥取県内でもこの話はいろいろある。他では大山と高麗山、大山と丸山などあるが、いずれも一つは大山が主役になっているのである。