歌詞
丸山どってんから
赤い鳥が 三つ三つ
白い鳥が 三つ三つ(伝承者:明治26年生)
解説
全国的にうたわれている手合わせ歌「青山土手から」を手まり歌に転用したものと思われる。
実に単純で、しかも痛烈な印象を与える歌である。伝承者の家では稲刈りの最中で、突然おじゃましたにもかかわらず、歓迎してくださった。そしてうたってくださった歌の一つがこれだったのである。聞いた瞬間、筆者は北原白秋の詩を思い出した。
赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実をたべた
白い烏、小鳥、なぜなぜ白い。白い実をたべた
青い鳥、小鳥、なぜなぜ青い。青い実をたべた
芸術の香り高いこの詩は、鈴木三重吉主宰の児童雑誌「赤い鳥」大正7年10月号に発表されたものである。琴浦町で伝承されるわらべ歌も、これに一歩もひけをとらぬ豊かな叙情性をもっているのである。