(主な報告事項)
(その他項目)
- ○ 米子養護学校 火木カフェベーカリーオープン(5月8日~)
- ○ 医療的ケアが必要な児童生徒のための放課後子供教室の開室(5月28日~)
- ○ オンラインデータベース「ルーラル」電子図書館(農文協)情報の県内公共図書館での提供(6月1日~)
- ○ 大山開山1300年祭 博物館企画展「大いなる神仏の山 大山」(6月2日~7月1日)
- ○ 鳥取県総合教育会議の開催(6月11日)
- ○ 鳥取県教育審議会夜間中学等調査研究部会の開催(第1回)(6月13日)
- ○ 韓国統一地方選挙(江原道教育監選挙)(6月13日投開票)
(質疑事項)
●山本教育長
初めに6月補正予算の状況ということで資料をつけさせていただいておりますが、いよいよ6月14日から県議会が開催されることになりました。教育委員会といたしましては、今後の県立美術館の整備推進事業というかたちで、一つ大きな予算を出させていただいているところでございます。かねてこの県立美術館につきましては、整備の基本構想をつくり、そしてまた昨年度末には基本計画の中間まとめというかたちで、整備運営主体の部分を除いたかたちでのとりまとめをさせていただいているところでございますが、その後5月14日に、これは知事部局のほうで設けておられます「県有施設資産有効活用戦略会議」の中で、この整備運営主体についての検討がなされたところでございまして、結論から申しあげますと、BTOによりますPFI方式というかたちで、民間業者が施設を建設して、施設完成後に所有権を一旦県のほうに引き渡しがなされるんですが、県のほうが民間事業者に維持・管理・運営を行っていただくというかたちでの方式で整備をするという結論になり、その方向性に沿って、この度県議会に関係予算を提案しようというものでございます。県議会で議決になりましたら、正式にPFI方式で整備を行うということになろうかと存じあげるところでございます。
内容といたしましては、そのBTO方式の中にも、いろんなやり方があるわけでございますが、一つは従来かねて県議会でも議論になっておりました学芸員の仕事の部分まで民間に任せるのかといった辺りにつきましては、学芸員の仕事も広範にわたるわけでございますが、たとえば美術作品の収集でありますとか、保存、それから調査研究、それから実際の展示、そうしたことあるいは教育・普及に関わる学芸員の、いわゆる「コアな業務」と我々言っておりますが、そうした部分につきましては県業務として直営で引き続きやるということになりました。そのほか周辺業務になりますけれども、広報でありますとか、宣伝でありますとか、集客に関わるようなにぎわいづくり、そうしたことにつきましては、この度民間の事業者に委ねるということで進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。また、美術館ということで、建物そのものが一つの美術作品というような考え方を取っておられる他県の例もあるわけでございまして、そうした意味でデザインは通常のたとえば庁舎とかに比べて、より重視をしていく必要があるのではないかということで、そのことについてもデザインを重視するという方向性の中で整備を進めるというかたちになりました。
この度、具体的に予算を提案していることでございますが、今後この方針に沿いまして、PFIの事業者というのを選定する作業が出て参ります。これには、通常の委託事業でいいますと、仕様書を定めて、これは向こう20年間を委ねて定めるということになりますので、かなり詳細な部分と、PFI事業者の裁量が生かせるような部分と、そこを織り交ぜながら、県のこれからの美術館というものを整備するに当たっての、言葉といたしましては「実施方針」というものと、「要求水準書」という二つのものを作成しながら、実際のPFI事業者の募集に当たっていくということになります。実際には、今年度そうしたものをある程度案を固めて、来年度募集にかかり、来年度末には事業者が決定するというようなスケジュール感で進めていきたいというふうに考えております。この「要求水準書」あるいは「実施方針」を策定するに当たりましては、PFIの関係でいろんな、金融の関係でありますとか、フォームでありますとか、建築、幅広くそうした専門的な知識をもって取り組んでいく必要があるということでございまして、そうしたことにつきまして我々の職員だけでは対応できない部分につきまして、これは民間のコンサルの方々のご協力を得る必要があるということで、今回の予算の中で本年度事業費分として2,160万円余、債務負担、来年度支払い分として1,900万円余、合わせて4,100万円余の委託料を計上いたしております。この委託料の中で様々なアドバイスをいただきながら準備を進めていくというかたちになります。また、そうしたPFIの事業者の選定に当たりまして、行政機関の内部だけで決めるということではなくて、これは選考委員会を設置して、その中でご議論いただきながら決めていくというかたちでございまして、そうしたことにかかる事務費などもこの度計上させていただいております。
合わせて、当初予算で実は計上済なんですが、県民とコミュニケーションを取りながら進めていくということが、今の美術館の進め方のモットーでございまして、そうした意味でこの度建築のデザインを重視するということにつきましても、県民の方々とコミュニケーションを図りながら進めていく。そうしたためにワークショップでありますとか、いろんな協議会との連携、そうしたことにつきまして引き続き取り組んで参りたいというふうに思っております。とくにこの場所は倉吉未来中心、あるいは国の史跡であります大御堂廃寺跡など、周辺にそうした施設等々がありますので、そうしたところとも合わせた意味でのデザイン性というのが必要になってくるのではないかと考えておりまして、そうしたことにつきましても当初予算を使いながらコミュニケーションを取り、そうしたことを参考にしながら今後の準備を進めていくということでございます。
事業者が来年度決まりますので、平成32・33年度と事業者によります設計、あるいは建設方針等々が進められて、今の予定でいきますと平成36年度に開館できればということで進めていきたいというふうに考えておるところでございます。今回このPFIの部分が承認されますと、それを盛り込んだところで教育委員会としての基本計画を最終的にとりまとめる予定といたしております。
●山本教育長
それから2点目でございます。来年度4月採用に向けて公立学校の採用候補者の選考試験の準備を進めてきておるところでございますが、今年度受験者の志願状況をとりまとめましたので、それにつきましてご説明を申しあげたいというふうに思っております。志願者数を、平成30・31年度の比較で掲示をさせていただいておりますが、平成31年度は818名の志願者が教職を目指して、この試験に向かってこられるということでございまして、前回に比較して66名の増となりました。競争率といいますか、平均倍率につきましては4.0倍ということで、これは、前回募集の人数も少なかったので4.4倍ということでございまして、前回も過去最低だったんですが、今回は更にそれを下回る倍率というかたちになりましたが、志願者数そのものは前回より増えてきておるということでございまして、この辺りいろんなかたちで志願者を増やしていく取り組みをやってきたところが、ある程度成果も現れているのかなあというふうには考えておるところでございますが、平均倍率4.0倍というのをどう考えるかということもあるわけですが、引き続き志願者をたくさん増やして、その中でより優秀な者を鳥取県の教職員として迎え入れたいと考えております。そこの考えは変わりませんので引き続き志願者の増に向けて、いろんな手立てを打って参りたいというふうに思っておるところでございます。
この手立てといたしましては、今年は、これまでも大学に向けていろんな説明会を開催してきておるところでございますが、その説明会場を増やしたり、とくに県議会での議論もありました、これまではとくに教員養成系の大学だけを回っていましたが、たとえば芸術などについては、養成系ではなくて、芸術大学とかそういうところから教職員に向かってこられる人もあるわけでして、たとえば京都の精華大学でありますとか、大阪芸術大学でありますとか、そうしたところについても、今年は説明会を開催をいたしたところでございます。また島根県と鳥取県、どちらも受けたいという方々もかねて声を聞いておりまして、今年は来年に向けての試験では島根県と試験日をずらそうということで計画をいたしまして、そういった意味で島根県からの受験者も若干増えているというところでございます。そうしたことでありますとか、そのほか、現職教員の受験年齢を引き上げるといったことにも取り組んできたところでございますが、残念ながらそこではあまり成果が上がってないという分析が出ているところでございます。
あと特徴的なことを申しあげれば、新卒者の志願者が27.6%と、これは過去最大ということでございまして、ある意味講師として鳥取県に勤めていらっしゃった方が採用になっていって、そうした部分で過卒の者がだんだんと減ってきているということもあるのかもしれませんが、新規の卒業生が採用試験に向かってくる率が増えてきたということでございます。また、これまで1回も鳥取県を受験してなかった、新卒者も含めてなんですけども、これも45%ということで、これも非常に多いということでございまして、こうしたところいろんな取り組みが説明会等々で功を奏して鳥取県に向かってきてくれる人が増えたのではないかなあということも予想をしているところでございます。引き続き志願者を増やすという取り組みには力を入れて取組んで参りたいというふうに思っておりますし、今後行います選考試験これが公平・適正に着実に行われるように務めて参りたいというふうに考えておるところでございます。
○記者
PFIについて、私も美術館についてあまり詳しくないんですが、東京の美術館とか、とくに民間がやっていて問題があるように感じていないんですが、学芸員の仕事がどういう点で民間だったら問題があるんでしょうか。
●山本教育長
学芸員そのものをどこから調達してくるかという話も一方ではあるんだと思うんですね。県の今の学芸員をそのままかかえてという考え方は一つあろうかというふうに思いますが、全く新しく美術館をつくる。そこから研究も含めて進めていくという場合は、けっこう民間だけでやっておられるという事例もあるんですが、ずっとこれまでの研究などを積み重ねてきて、そこには今いる学芸員がベースとしているわけですね。そこから新たにそこを切り離して収集・研究等々を進めていくというところについて、民間が参入することに、これは事前にいろんなPFIの事業者となり得る方々と意見交換をしながら検討してきたわけですが、そこにやはり躊躇がありまして、そうした躊躇も一方ではあり、一方では県のほうでこれまで蓄積したものをしっかりとこれからも継続していく必要があるということ、あるいはこの度美術ラーニングセンターということで、教育・普及の部分で非常に力を入れて取り組んでいきたいというふうに考えているところですが、そうした今の県の考え方を着実にしっかりと進めていけるような仕組みがいるのではないかといった両方の議論から、学芸部門は直営にしようというふうに今方向性を定めているところです。
○記者
関連なんですけども、今美術館で学芸部門が、どの辺りが強い部分か、美術館でよく地方の美術館では地元の日本画家の人で、遺族が収拾が家に一杯あって困っているから、寄贈するから展示してください、みたいな例があると思うんですけれど、そんな感じのところなのか。鳥取とかは古代の遺跡とかもあるので、そういう遺跡収集とか、どの辺りが強いんですか?
●山本教育長
美術館ですから遺跡は一旦切り離す格好になろうかというふうに思いますが、作家でいいますと、前田寛治でありますとかこれは洋画になりますが、彫刻ですと西部のほうになりますが辻晉堂という彫刻家があります。こうしたところが県の一番のクラスの作家ということになるわけですが、そのほか江戸時代からの鳥取藩のお抱え絵師等々、土方稲嶺・沖一峨、そうしたところも今非常に伊藤若冲等で注目が集まっている他分野の一つでもありますので、一つの中心となり得るものではないかなあというふうに考えているところでございます。
○記者
議題に上がっていることとはちょっと別のことで恐縮なんですが、先週明らかになりました湯梨浜町の教育委員会がプール飛び込み台を改修するという話で、飛び込みの事故を受けて教育委員会として課外活動の飛び込み指導は研修を受けた先生のみに限定するとされていたと思うんですが、今回のいきさつを聞くと、もともと日本水連が示す目安としてのガイドラインに沿ってなくて、目安よりも浅いという中で、依然としてその場所で飛び込みの指導が続けられていたということがあったとお聞きしているんですけども、それも踏まえてガイドラインに沿っていないプールでの飛び込み指導というのが現在鳥取県内では、去年の夏とかどのぐらい依然として存在していたのか、もしくは去年の夏の事故を受けていろいろ対策を打った後の指導状況とか事故の状況をもし把握されておればお聞きできればと思います。
●山本教育長
ガイドラインに沿っていないプールの状況というのは、また今のご質問のあった件につきましては、この後体育保健課のほうからまたご説明をさしていただきたいと思いますが、動きとしては、できるだけ安全な指導ができるようなハードの部分でも、そうした取り組みを進めていこうという考え方が徐々に市町村の中にも広がっていっているというのは感じておりまして、今私が承知しているのは三朝町のほうでは既に飛び込み台を低くしているというようなことをお聞きしておりますし、先般湯梨浜のほうでもそうしたことに取り組む予算を出されたというふうに伺っているところでございます。基本的には授業の中では飛び込み指導は行わないという原則があり、そしてまた鳥取県では教科外の活動の中でも、研修をしっかり受けた指導者に限ってそうした飛び込みの指導ができるようにということで、県のほうの方針として定めさせていただいておりますので、できるかぎりハードの部分も含めた安全な指導ができるような取り組みというのは引き続き、県のほうでできることについては取り組んで参りたいと思いますし、市町村にもそのことをしっかりと呼びかけて参りたいというふうに思っているところでございます。
○記者
今、進行中だとは思うんですけど。
●山本教育長
はい、まさに今研修をやっているところでございます。
○記者
その研修の中身とか、受講状況とかは、たとえば去年と比べてなにか変化があるとかいうことはとくにないんですか。
●山本教育長
そこも含めて体育保健課から説明いたします。
○記者
話題が変わるんですが、新潟で小学2年生の7歳の女の子が下校中に連れ去られ殺害されるという事件がありまして、そこから約1カ月が経過しました。児童の安全を確保するという観点から、県教育委員会としてなにか対応するだとか、考えていることがあれば。
●山本教育長
先般、新潟の事件を受けまして、県警とそれから県の教育委員会と、そして知事部局の生活安全の部局とを交えて意見交換をさせていただいたところでございまして、地域の方々も含めて協力をいただきつつ取り組みを進めていかなければならない案件であろうというふうに思っておるところでございます。ほんとに痛ましい事件であったわけですが、どうしても集団で登下校すると、一人になる瞬間というのは起こり得る話でございまして、そこの部分をいかに少なくする、そうしたことが一つの手法といいますか、手段であろうかというふうに思いますが、最後の友達二人と別れてからの、家までの何百メートルというようなところを、ここはその間にある駆け込み110番ですか、いつも開いているお店の方に協力をいただくとか、あるいはそうした夕方に時間の空いておられる高齢者の方々が中心になるとかもしれませんが、そうした方々に玄関の掃除をその時間にしてもらって見とどけていただくというような、そうした協力も一方では得る必要があるというふうに思っておりますし、また子ども自身が自分の身を守るというところの教育というのも大事ではないかなあというふうに思っております。今いろんな方々のご協力を得て防犯ブザーというようなものを、小学校1年生のときにご寄贈いただいたりということがありますが、そうしたものが着実に使えるような訓練、あるいはこれは県警さんのほうで琴浦・大山の警察署などで進めておられる「いかのおすし」ですか、そうした標語を作って、知らない人にはついていかないとか、なにかあったら大声を出して助けを呼ぶとか、そうした標語なども交えながら、一つの安全教育といったものを県警等々の協力を得ながらやっていく、そうしたことも大切なのではないかなあというふうに考えておるところでございますが、いずれにしましても先の会議を受けて、今具体的な行動をどう取っていくかということを教育委員会の中でも議論をしているところでございまして、これは早急に検討事項を実際に行動に移していくということにつなげていきたいと考えております。
〇記者
今後なにかしらのかたちで、それは実施していかれる。
●山本教育長
そうですね。具体的なかたちがどういうかたちになるのか、まだ今検討の途中ですので確たることが申しあげられませんが、先の会議の中で出てきたことをどういうかたちで具現化していくかという検討の中で、取り組みを今後進めていくというかたちになろうと思います。
○記者
目標の期日は決められてないですか。
●山本教育長
1学期中とか、そういうことですね。
●足羽教育次長
今教育長のほうからありました「子ども駆け込み110番」等の実態を学校あるいは地教委と確認をした上で、どういうふうな手立てをしていくか、地教委とも連携しながら進めていきたいと思いますので、時期は申しあげられませんが、7・8月ぐらいまでに方向性をまとめれたらとというふうに考えております。
○記者
来年度4月採用に向けて公立学校の採用候補者の募集について、昨年とはちょっと違った取り組みをして、人数が増えてある程度成果が出たのではないかとおっしゃった一方で、4.0という倍率をどう考えるかということで、過去最低の倍率になったことをどう考えるかを改めて率直にお考えをお聞きしたいと思います。
●山本教育長
4.4が4.0になったこと事態は、そう深刻には捉えてませんで、これは各校種だとか試験種によって倍率が変わってくるんですけども、重く捉えているのは小学校の志願者数がこの表でいきますと2.6倍になっていますね。これが従来3倍・4倍というところから下がっていっているんですけども、2.6倍ですから3人に1人ぐらいですが、そこの中であまり競争率が下がっていくと、それは逆にいうと教職員の方々の中で、より優秀な者を採用できる機会がより少なくなっていくということですので、ここが少なくなっていくということについては、ある意味危機感を持っているということですので、基準というのはないんですけども、やっぱり3倍程度以上はあったほうがいいのではないかなというふうには感覚的には思っているところです。
〇記者
鳥取養護学校の放課後デイサービスのことですけれども、当初は6人予定していたと思うんですが、2人の受け入れに減ったのは。
●山本教育長
そこは、看護師について、これは委託をして協力を得ながら進めていくという部分で、若干いろんないきさつの中で、必要な人数が今得られてないというのが一番大きな理由です。
○記者
のちのち増やすことは。
●山本教育長
そこについては、引き続きお願いをして、確保できる状態をつくっていきたいという、そこの努力は引き続き行っていきたいと思います。
○記者
今のことなんですけども、利用したい児童生徒がいるんだけども、看護師の確保が追いついていないので、この人数しか受け入れられないということですか。
●山本教育長
正確な人数を今もち合わせていないんですけども、たとえば10人おられるとして、その10人の方々が毎日がいいのか、特定の曜日がいいのか、そうしたところのニーズも踏まえる必要があるというふうに思っておりますが、そうした希望について今全体を叶えられる状況にはなってなくて、一応サービスは提供できるんだけど、それが毎日ではなくて、週1回に限られたりということが、今は起こっているということでございます。ただ、1日であっても、やっていただけるのは助かっているということは一方でお伺いしております。