【左】片山楊谷 筆「トラの図」/【右】島田元旦 筆「玉兎図」
※18.2×8cm 20枚綴り
片山楊谷(かたやま・ようこく)と島田元旦(しまだ・げんたん)は、江戸時代の鳥取を代表する画家です。楊谷は長崎に生まれ、諸国を巡遊し、エキゾチックな作風で当時の人々を魅了しました。特に虎や人物の髪などの緻密な毛描きの描法は圧巻で、大変人気を呼びました。
一方の元旦は、谷文晁(たに・ぶんちょう)の弟として江戸で生まれ、中国画や古画、油彩画などを幅広く学習し、のちにデザイン性の高い画風を展開しました。そのマニアックとも言える独特な造形世界は、今日のわたしたちの目にも斬新なものと映ることでしょう。
【左】業平・草花耕作図(秋)/【中央】花杲方円図/【右】月に綿花図
※18.2×8cm 20枚綴り
沖一峨(おき・いちが)は江戸深川の児玉家に生まれ、 45才の時に代々鳥取藩の御用絵師を務めた沖家の七代目を継ぎました。沖家は江戸定詰の絵師でしたので、一峨はその生涯のほとんどを江戸で過ごしたことになります。一峨は他の藩絵師と同じように、はじめ幕府の奥絵師であった鍛冶橋狩野(かじばしかのう)の門に学びましたが、その技法を墨守するにとどまらず、大和絵、琳派、写生派、浮世絵なども研究、多様な画風を展開しました。特に琳派の影響の見られる装飾的で華麗な花鳥画は、一峨独自の世界を創り上げているといえるでしょう。