青谷上寺地遺跡は、保存状態の良い多種多様な道具類、人骨、朝鮮半島や中国に由来する品々が出土する弥生時代の重要遺跡です。鳥取県では国史跡青谷上寺地遺跡を適切に保存し、活用するために「青谷かみじち史跡公園」の整備事業を行っています。
令和6年3月24日に、展示ガイダンス施設(愛称:YAYOINE(やよいーね))や「弥生の湿地ひろば」など、山陰自動車道の南側の地区を公開しました。
令和6年度からは北側の史跡整備を経て令和11年度頃にグランドオープンの予定です。
青谷上寺地遺跡のすばらしさを広く伝えると共に、地域でのイベントや文化活動の拠点となる史跡公園を目指していますので、どうぞご期待ください。
整備のポイント
(1) 弥生時代の真実にせまる
遺跡の調査研究成果を元に、弥生時代の環境をイメージした整備を推進します。
(2) 弥生時代の本物に感動する
重要文化財に指定された出土品などを間近に観察できる展示施設を建設し、弥生人のDNA分析など、最新の研究成果を情報発信します。
(3) 弥生時代の生活・技術を体感する
地域住民、地域の学校(青谷小学校・青谷中学校・青谷高等学校)による史跡公園の活用を核として、弥生時代の暮らしや技術を体感するための取り組みを推進します。
整備計画
全体整備面積 約13.3ヘクタール(下記(1)と(2)の面積の合計)
(1) 史跡指定地外 約0.7ヘクタール(展示ガイダンス施設及び駐車場)
(2) 史跡指定地内 山陰自動車道の南側約8.5ヘクタール、北側約4.1ヘクタール
(弥生時代の湿地や田畑、園路、高床倉庫、便益施設、遺構展示施設)
整備工程(予定)
令和2~10年度に整備工事を実施し、完了した工区を順次公開、活用
令和2年度~ 史跡整備スタート、山陰自動車道南側エリアの工事着手
令和5年度 展示ガイダンス施設など南側エリアを公開
令和6・7年度 山陰自動車道北側エリアの整備設計
令和8年度~ 北側エリアの整備工事
令和11年度 全面公開
主な整備内容
【南側エリア(公開済み)】
エントランス地区(展示ガイダンス施設、駐車場)
史跡のガイダンスや体験学習、重要文化財の収蔵・展示を行う施設です。
弥生の自然景観体感地区(弥生のたんぼ、弥生の暮らし体感ひろば、弥生の湿地ひろば、にぎわい交流ひろば等)
弥生時代後半期に湿地が広がり、水田が営まれていた場所です。ここには、これまでの調査研究成果をもとに2世紀頃の自然景観をイメージする環境をつくり、水田や畑、高床倉庫といった体験学習施設や広場など、多様なレクリエーションを楽しむための空間です。
【北側エリア(整備中)】
古代山陰道地区(条里ひろば等)
青谷上寺地遺跡地内で見つかった古代官道のひとつ「山陰道」と推定される道路状の遺構を表現する計画です。
弥生の歴史発見地区(遺跡発見ひろば、倭国大乱ひろば・展示館等)
弥生人の活動拠点だった微高地があった場所です。ここでは、ものづくりや交易が行われていました。またすぐ北側には浅い海が広がり、微高地の東・西側には矢板などで護岸された溝が巡っていました。溝は2世紀頃に埋まっており、中から大量の人骨が発見されました。ここに溝の一部再現、大量の人骨の出土状況を復元展示し、弥生時代の体験学習ゾーンを整備する計画です。