●知事
皆様、おはようございます。やや暑さが増してきたこの頃ですが、今年は5月15日に梅雨入りとなりました。昭和38年の5月8日に次ぐ早さでございます。水の恐ろしさもまた考えなければならない季節となってまいりました。私どものところではテレビによる映像を撮って、これを提供する河川の[監視]カメラ、さらにはまた水位計、それぞれ133か所、160か所と昨年よりも増やした形でこの水のシーズンを迎えることとなっておりますし、いろいろと河川の樹木伐採、河道掘削なども進めまして、そういう水に対する備えということをやってきております。
●知事
ただ、そういう中で一番大切なのは命を守る、その行動を起こすことであります。今日、5月20日を持ちまして避難情報の出し方が変わります。このことはぜひ県民の皆様にも御理解をいただきたいと思います。今まで避難勧告、避難指示と言っていましたが、これらは全て避難指示という言葉になります。3番目のレベルは高齢者の方、避難を開始する、そういうレベルとされ、レベルの4番目にこの避難指示があります。この4番目のレベルが出されるときまでに、皆さん避難してください、そういうように制度が変わります。このことをよく御理解をいただきたいと思います。さらに上の5番目のレベルは、今いる場所でも身を守ることが必要ですと、そうした意味で危険を回避する呼びかけになります。
国全体でいろんな議論があった末にこのようにレベル分けが変えられて、この梅雨のシーズンがスタートをすることとなりました。ぜひ自らの命を守る、そして周りの方々と助け合って鳥取県らしい支えあいの避難のあり方、このことを話し合っていただければ大変にありがたいというふうに思います。
●知事
今、私どもは新型コロナ[ウイルス]の闘いの渦中にあるわけであります。昨日は2百数十件に及ぶ私ども検査をやりましたが、ゼロで陽性は終わりました。夜遅くまでかかりましたけれども、心配していたようなストーリーは全て陰性であったということでこの朝を迎えております。どうしてそうなるかと言えば、鳥取県は鳥取方式によりまして早めに陽性者につながる新たな感染の拡大の動き、これを封じ込めることをやっています。他地域よりも徹底していますので、一旦は感染が県内でほぼ囲われた形になりますとこういう現象が起きるわけであります。
ただ、残念なことに、今、[新型コロナウイルス感染症]緊急事態宣言の地域[実施区域]が拡大をし、昨日も沖縄県が緊急事態宣言を求めるという行動に出られました。全国を見渡してみますと、非常に今、活発化していると、見るところ、関西エリアは少し数字が低くなったように見えますが、注意していただきますと、そのほかのエリアが急増しているところが出てきています。これは、このイギリス型[変異株]というウイルスが、感染力が強いものですから、このウイルスが走り回ります。走り回り始めてこれが連鎖としてつながりますと一挙に増えるんです。それで、こういう現象が今、全国各地で起きていて、病床のひっ迫度が高まりかねないということであります。
●知事
そういう意味で、その連鎖が広がる前に断ち切ろうというのが鳥取方式であり、実際に感染された方は皆さん入院していただいて治療するというやり方をとっております。このやり方、我々は地道にこの1年間進めてまいりまして進化をさせてきたんですが、ようやくここに来て全国の皆様も注目をしていただけるようになったところかなと思っていますが、これから心配されますのはインド株(インドで初めて確認された変異株)です。それで、私はこのインド株が日本国中に蔓延してしまう前にインド株が現れてきたら鳥取型、鳥取方式とは言いませんけれども、早めに今の濃厚接触者以外全て検査をするんだと、それを陽性者の周りでやることが重要であります。政府はそこの方針転換を明確に言わないと地方の現場が動かないのではないかと思います。また、その検査のタイミングもできるだけ早くやっていただく、本県はその日のうちに検査をして、その日のうちに結果を出します。それは大都会では無理だとおっしゃるかもしれませんが、それに準じた形で優先トラックを付けてやっていく必要があると思います。
インド株が広がり始めますととめどなく感染が爆発的に増えてしまう危険があり、現に今、インドだけでなくネパールやバングラデシュ、さらにはシンガポールなどなど、南アジアから東南アジアに広がり始めております。こういうような状況を打破していくことが急務なんだろうと思います。そういう意味で、鳥取県として、まず、今緊急にやるべきこととしてインド株対策の緊急プロジェクト、これを開始をすることにいたしたいと思います。一旦インド株が入ってしまう、その後、どういうふうに我々として対処していくのか、それを、手順をチームとして検証しながら備えていこう、それで、実際入ってきたときには迅速に対応しようと、従来の[新型コロナウイルスの]株以上の感染力はあるという前提で私たちは行動プログラムを組みたいというふうに思います。
そういう意味で迅速対応特別チームというものを作らせていただき、そこに分析チームを作ります。それで、衛生環境研究所が実施する全ゲノム解析、先週申し上げましたとおりに、これ、今週からテスト的に入らせていただき、6月には本格化できるというふうに考えております。また、それに簡易キットが今、出回り始めています。それで、この[抗原]簡易キットをスクリーニング検査として外部委託、これは具体的には鳥取大学のベンチャー企業でありますR0(アールゼロ)のほうでやっていただく、こちらのほうにN501Yと併せてこのインド株をやる。例えば、N501Yのスクリーニングをして、ほぼ全て陽性になると思います。そこで陰性になって出てきたところにインド株のその簡易スクリーニングをかけていただく。そうすると割と早く観察ができるのではないかというふうに思います。いろんなやり方をこれから工夫してみようということです。
それで、これにつきましては[令和3年]5月の臨時[県議会に提案する]補正予算[案で]、4,000万円を計上させていただこうと、それから、疫学調査のチーム、これも重要でありまして、これは鳥取市保健所さん、それから中部西部の県の保健所を問わず機動的に動いていかないといけないと思います。一旦広がり始めますと追い着くのが大変ではないかというふうに危惧をするわけです。手法としては私たちが鳥取方式でやっているのが、多分日本では一番早いアプローチだと思います。ですから、これを基本にやっていけばいいと思いますが、何が起こるか分かりませんので、いろいろと頭のシミュレーションもしながらインド株に備えていく、そういうことを疫学調査でも考えていこうということであります。
それから従来、私ども[新型コロナウイルス]感染増大警戒情報というのを出させていただきましたが、インド株がどういう形でCt値が出てくるかというのは読めません。ただ、恐らくはCt値はかなり低いものが多いのではないかと思いますので、その情報が当たるかもしれませんけれども、ただ、インド株、特別のやっぱり感染警戒情報というのを陽性者が見つかったら県民の皆様に共有をしていただき、やはり身構えていただくことは大切なんではないかなというふうに思います。
徐々にこのインド株との付き合い方が見えてくると思いますが、最初無防備にこのインド株がある中で動き回る、必要以上に動き回る、あるいは接触の仕方としてマスク等々、今日私は聴覚障がい者のために距離をとってマスクを外しておりますが、そういうようなことがない限りはやはりマスクをつけていただく、それももう徹底してつけ続けるということが大切ではないかなというふうに思います。最近の鳥取市内で見つかった集団的な感染の例がございましたが、そういうところでもやはりマスクを外して、あるゲームをされていたということから集団的な感染が一時に起こったというようなことが推察される例もありました。マスクをするとしないとで運命が分かれるということがありますが、そういうようなことの注意を徹底する必要があるのではないかと思いますので、これは即時発令をする運用を考えたいと思います。
また、予防の呼びかけでありますが、実は全国でインド株が広がっている状況があります。残念ながらそれは事実だと思っています。私も私なりのアンテナを立ててお話を聞く機会がありますが、もう足音は鳥取県のすぐ近くで聞こえ始めています。ですから、そういうようなことでありますが、日本人はもとよりなんですが、外国の方も感染している可能性はあります。外国の方だからではなくて外国の方もでございます。結局このインド株は南アジアのほうから最初に入ってきて初めて広がるものであります。ですから、コミュニティー的に外国人の方が関連するケースもあり得るし、それが見られ得ると思います。日本人も当然ながら感染する可能性があると。
ですから日本語だけでなくて、この場合は外国語も含めてホームページをぜひ立ち上げていきたいと思いますし、厚[生]労[働]省のグッズなんかも活用させていただきながら、取り急ぎ外国人の方にも届くようなチラシを配布をすることをやりたいと思います。また、感染の影響が懸念される団体、すなわち社会福祉施設などは一旦入り込みますと命に関わる事態になりかねないところであります。ですから、そういうところに対しましては、今のうちからよく啓発活動、PR活動もさせていただき現実にこういうインド株[感染]警戒情報が出た段階では即時に情報提供していくというようなことをやっていきたいというふうに思います。
こんなようなことでインド株対策ということを我々の県としても本格的にまずはスタートをしてインド株の侵入に備えてまいりたいと思います。
インド株対策緊急プロジェクト(pdf:55KB)
●知事
こういうことなど私どもでは予算を編成させていただきたいと思っておりまして、来週の月曜日[5月24日]臨時議会を開催することで議会側と話が整っております。来週の月曜日に提案する予算は総額で48億1,800万円です。48億1,800万円になります。精査の結果、毎日、額が変わっているところがございますので、その辺は御容赦をいただきたいと思います。それで、この48億1,800万円の中にこうした感染症対策直接のものも入っておりますし、それから経済活動、社会活動、暮らしを守るそうしたことも今回予算を入れさせていただき、新型コロナ[ウイルス感染症対策]に特化した臨時県議会というふうにさせていただきたいと思います。
●知事
そういう中で県民の皆様の関心が高いワクチン接種につきましては、今市町村のほうで進めておられ、一次的な接種については6%の高齢者が接種をされていらっしゃいます。全国では上位に入るもので、5本の指に入る、今接種状況でございまして、市町村もかなり頑張っていただいていますが、ただ、できるだけ早くという声がありますので、県のほうで独自の接種会場つくろうと考えております。昨日[新型コロナウイルス]ワクチン接種体制協議会、この分科会を開催をしまして[鳥取県]医師会長の渡辺[憲]会長、[鳥取県]歯科医師会長の渡部[隆夫]会長、さらには原[利一郎 鳥取県]薬剤師会長、内田[眞澄 鳥取県]看護協会長、また、市町村からは深澤[義彦 鳥取]市長と伊木[隆司 米子]市長にも出ていただきまして、それで合意に至ったのがこういうスキームであります。
東部会場では県立中央病院の1階の多目的ホールを活用したいと思います。ここでワクチン接種をして、仮に副反応が出たような場合に、すぐ上は県下随一の病院でございますので、対応が迅速にできるというメリットがあると考えております。また、鳥取県の西部のほうでは[県]西部総合事務所の講堂を活用したいと思います。こちらのほうに鳥取大学付属病院の原田[省]院長先生にも御理解をいただきまして、鳥[取]大[学]のほうから人も派遣していただき御協力をいただけるということになりました。東部では6月20日~7月の31日まで西部では6月19日~7月の31日までこの接種会場における接種を行うわけであります。昨日、[渡部隆夫 鳥取県]歯科医師会長さんのほうから今100名ほどの歯科医師さんはアンケートで協力してもいいと言っているということでございました。そこで接種を行う歯科医師さんのためには事前研修、これを実施をすることにいたしたいと思います。これ遅くとも来月早々には開催をさせていただいて、鳥取大学の景山[誠二]先生の御協力や、あるいは看護協会など関連の方々にも御協力いただける話合いを昨日させていただきました。
そして、対象者でありますが、当面これスタートさせていただきますが、特に件数が多くてできるだけ早くというときに課題があると思われます鳥取市と米子市の高齢者の方々でありますが、モデルナ社製のワクチンを使うことになります。それで、この申込みの仕方ですが、私ども正直この市町村の応援というつもりでありまして、県が前に出て全てということにあまり意義を感じているものではありません。できるだけトラック[走路]を増やしまして、いろんなトラックでワクチン接種を受けることができるようにして、市町村の迅速な接種完了の応援をしようという意味であります。
したがいまして、申込みは鳥取市さんや米子市さんに申し込まれるそのやり方そのままでございまして、そちらのほうで接種会場として県の設営した会場、これを振り分けていただくということにいたしたいと思います。それで、鳥取市さんのほうでは来週の月曜日、5月24日からこの予約受付をされることになりました。また、米子市さんも昨日伊木[隆司]市長がおっしゃっていましたが、米子市のその電話受付の中で対応できるということでありました。ここに医療関係者、それから接種を行っていただく歯科医師の先生方、さらには調剤を行っていただく薬剤師の方々、そのほか例えば鳥取大学[医学部]の保健学科の先生やあるいは看護学校、県のほうのスタッフ、あるいは保健師などなどお手伝いをいただくことで、関係者に御了解をいただいているところでございます。
こういう形で私どもワクチン接種をスタートさせることといたしました。この予算も今回の中に入れさせていただいております。
県営臨時ワクチン接種会場の設営検討 (pdf:47KB)
●知事
さらに感染防止と保健所体制についても、例えば感染防止の関係では警戒事態緊急対策事業として、今、学校のスポーツ関係のクラスターが発生をしたりしておりますし、これ地域活動も同じことが起こり得ます。ですから、そういうことの感染防止対策をやったり、あるいは広報活動をやったり、さらには飲食店の巡回をして、[新型コロナウイルス安心対策]認証店の取得のためのスタッフ、これを大幅に増員をしようと、それで、認証取得の体制を強化しようということであります。
実は既に第4波対策で[新型コロナウイルス安心対策]認証店の取得、このレベルに達したということのお店には20万円差し上げますよという事業をやっていますが、これでもう既に900件以上のお店からエントリーがございます。そこはこのレベルを満たしたということで申請をいただいているものでありますが、実際にそのレベルが満たされたかどうかの検証を至急行う必要がありまして、こうした増員を行って[新型コロナウイルス安心対策]認証店を爆発的に増やそうということであります。
また、保健所体制の強化に3,000万円とございますが、潜在的保健師、こうした方々にお願いをしたり、それから保健所への相談があります。この電話を、これは夜間はなかなかちょっと負担が大きくなってきましたので、夜間のこの電話相談に委託事業を導入をしまして、そこで保健所のスタッフが直接対応する必要があるものは転送してもらうというようなことにしていき、相談体制の充実強化を図っていこう。それから先週申し上げましたが、在宅療養につきましての訪問看護師の皆さんによる活動、これを支援するための例えばタブレットによる遠隔看護など、こうしたことを導入できるようにしようということであります。
感染防止と保健所体制等強化 (pdf:119KB)
●知事
こうしたものに加えまして、今、この経済、緊急事態宣言が長引いてきて、その影響が深まっております。そこで先週ちょっと構想を申し上げましたが、コロナ禍打破特別応援金というものを鳥取県としてつくらせていただいてはどうかと思います。今まで飲食店に対しまして、何回も実は繰り返し、繰り返し10万円とか、そういう応援金を鳥取県の場合は出してきています。実はこれで既に30億[円]、県としては[予算を]執行してきています。空前のこういう飲食店等の事業者支援になっているんですが、ただ、これがさらに長引いてきていますので、さらに10億円の予算規模で事業者の事業継続を支援しようと、それで、今回は売上げ30%減の事業者、これは対前年とか、対前々年という意味でありますが、それに売上げ規模に応じまして、階段をつけて20万円~40万円支給しましょうと。それから認証取得を実際にした店舗には10万円を加算をすることによりまして、第4波対策[飲食店等感染防止強化緊急応援事業]の20万[円]と合わせて、なお一層[新型コロナウイルス安心対策]認証店取得を加速していこうということであります。
それで、ただ、対前年ということなどを求めますと、売上げが前年比立たない、計算できない新規の創業者がいます。そこで昨年度から、昨年度以降創業された新規の方々、それで、3か月以上事業継続をしていますよという方には一律10万円、応援金を差し上げる。これで、前年の売上げがないということで支給対象から漏れるということから、一定の配慮措置を取らせていただいてはどうかというものでございます。
コロナ禍打破特別応援金 (pdf:47KB)
●知事
それから、すいません。それから観光とか、それから農林水産の関係等でございますが、観光につきましてはこのたび、[#]WeLove山陰キャンペーンの延長を島根県と合意をしました。また、前売りの宿泊券、これの発行支援、さらには宿泊事業者の方が感染対策のための投資をしたり、場合によってはワーケーションというふうに業態を拡大したいと、そのための施設整備等の投資、こういうものも支援していこうと。これで12億[円]余りでございます。それから地域公共交通機関の運行継続支援、そのために例えばタクシーだとか、そうしたところに広告を出させていただき、私どもの今感染対策を広報していただくことで、その事業者支援を行っていくと。金銭的には広告の委託費を、お支払いをするというようなことでございますとか、それからJRさんなどもそういう、あるいは私鉄ですね、若桜鉄道そうした鉄道も含めて運行支援ということを一定程度考えていこうと。それで、全体としては1億円ぐらいの予算規模を取ろうとしております。
それでまた、農林水産業の関係でありますけども、農林水産業団体におきます県産品の消費回復、事業喚起などの応援ですとか、ちょうどお中元の季節など、あるいは夏休み、やっぱり地元に帰れなかったなという学生さんなど、そういう巣ごもり需要の獲得を目指す事業者の取組、例えばJAさんがこういう企画商品でやりますよと。それで、去年もそういう宅配便みたいなことをされました。これは今年度もやはりもう1回やる必要があるだろうというふうに判断をしたところです。
それからGoToEatキャンペーンは全国でも珍しい県でありますが、途切れることなくずっと展開をしております。これが5月の末で販売の期限が終わり、それからこの使用期限は6月末で終了します。それで国のほうは延長を認めるということなんですが、それは県費で延長するということがございます。もう30億[円]ぐらいは売れていますので大分先が見えてきておりますが、5月いっぱいで売れ切れるかどうかというのは、ちょっとこの時点では正直難しいかもしれません。そこでそれぞれ2か月延長する、GoToEatキャンペーンの延長措置も取らさせていただきたいというふうに思います。
県内経済再生に向けた事業者支援 (pdf:162KB)
●知事
それから雇用の関係でありますが、労働者等への相談窓口を充実をしたり、職業訓練、雇用維持の支援、それから生理の貧困ということは最近言葉として使われるようになりました。これ市町村が、今、県内でも、例えば鳥取市、米子市のように取組始めています。それでちょっと市町村の意向を聞きましたら、県のほうのこういう間接補助があれば取り組んでみたいというところがかなり多いです。ですから、一般化する意味で市町村と連携をして、そうした生理用品の無償配布の支援をし、併せて女性の権利擁護についてもこうした事業の一環で、やはり我々としてもアピールをさせていただく、そういう啓発系の事業も組ませていただきたいと思います。また、生活福祉資金につきましては9億6,000万[円]ほどさらに計上をさせていただいたり、困窮者の生活維持支援等々も含めてやっていきたいと思います。
雇用と暮らしを守る (pdf:52KB)
11 デジタル改革関連法に対応する本県のデジタル推進戦略
●知事
それから、これは予算とは異なりますけども、5月12日にデジタル改革関連6法案が可決成立をすることになりました。いよいよデジタル改革が始動したということになります。それに併せまして本県としてもデジタル対応を加速させていきたいというふうに思います。1つそのやり方としては、従来この[鳥取県]自治体ICT(情報通信技術)共同化推進協議会とありまして、例えば鳥取県の場合、学校の先生方の出退勤の管理などこの[鳥取県自治体ICT共同化推進]協議会のほうで全国的にも評価されるようなシステム開発をしたりしています。それで、ここでDX、デジタルトランスフォーメーション(IT技術により生活をより良いものへ変革させる概念)の話というのはやっていくことになると思うんですが、その構想を練ったり、戦略的に様々な行動を起こしていく意味で、地域デジタルトランスフォーメーション推進会議というものを来月立ち上げさせていただいてはどうかと考えております。
それで、ここで市町村と県がいろいろな地域のデジタル戦略について意識を共有した上で具体的なアプリケーション、それについてはこのICT共同化推進協議会のほうで作り上げていくと。それで、ただ、その役所の人間だけで集まっていてもしょうがないものでありますので、団体だとか、地域の枠を越えて広域的に取り組んでいこうと。それで、その一環で県内の情報関連会社がございます。県の情報産業協会、情産協などともタイアップをして、個別の企業さんのアイデアなんかも積極的にこういうところで取り込んでいって、これはいいなということはやっていけるようにしてはどうかというものであります。
また、この4月からSociety5.0推進計画が策定され、施行されています。この県の計画に基づきまして様々な事業を、具体的に展開をし、実証から普及へとつなげていきたいということであります。そして、これを私どもとしても実現していく意味で、私自身はCIO[最高情報責任者]に就任をさせていただきましたが、この浅学非才の身でございますので、専門家の方にこのSociety5.0やDXについていろいろとアドバイスをいただいたり、推進役の一翼を担っていただけないかなということでありまして、熟慮の結果、東京大学[空間情報科学研究センター]の柴崎亮介先生、それからSociety5.0の振興協会[一般社団法人Society5.0振興協会]の米澤政洋先生、この両名にこのCIO補佐官をお願いをしたいと思います。これも手続きがありますので、手続きを経て来月の御就任を目指したいと思っております。
また、鳥取県としても、こういうICTのスキルを有する方を公募しまして、今年度1名採用しています。デジタル化専門員ということで、庁内で活躍をしていただいています。それで、やや議論が必要かなと思っていますのは、デジタル改革関連6法案で改正をされた1つが、個人情報保護であります。それでデジタル化とこの個人情報の話というのは切っても切れないところがありまして、この個人情報保護法の改正で、実は大本は国全体で決めることになりました。
それで、私ども個人情報保護条例というのが県であったり、市町村でもそういうのがあって、そこでいろんな基準だとかいうことを定めているわけですね。例えば、亡くなった方の個人情報をどう扱うか、こういうような問題などが、実は自治体それぞれで分かれていたり、それから我々実務として非常に大切なのは災害時の要支援者名簿の扱い、こういうことなどがこのデジタル改革の中で個人情報保護法が改正をされまして、取扱いについてもう一度再整理しなければならなくなりました。
これは若干時間がかかると思います。施行までに今年度来年度かけまして、県の個人情報保護審議会で議論をしていただいたり、個人情報保護ルール、これを県内で統一するのがいいのか、あるいは各市町村等でそれぞれ考えることがあっていいのか、これを自治体みんな集まって検討するようなことも必要ではないか。そういう検討の場の開設なども近々目指していきたいと思います。こういうことも含めまして、デジタル改革に向けた歩みを始めさせていただきたいと考えております。
デジタル改革関連法に対応する本県におけるデジタル推進戦略1 (pdf:71KB)
デジタル改革関連法に対応する本県におけるデジタル推進戦略2 (pdf:92KB)
●知事
なお、最近のニュースとしては、日立金属[株式会社]さんの資本関係についてのお話がありました。私どもは報道で承知していること、それから会社側のほうからお伺いをしたことがございます。基本的には私どものところに直ちに影響が出てくるものではないかもしれませんが、ただ、私どもではフェライトの会社が県内に立地をしておりますし、それから安来にあります日立金属[株式会社]の主力工場、これも県西部の方が多く通勤をしている雇用の場になっています。
そういう意味で、昨日、日立金属[株式会社]様のほうに私のほうから要請書を、送付をさせていただき、私どもの担当部長のほうからあちらのほうに説明をさせていただきました。やはりこういう状況下ではありますが、ぜひ鳥取の拠点を活用していただいたり、鳥取県も関わっていますが、山陰の日立金属[株式会社]、その生産基盤というのを今後も活用していただき、それで、地域の発展、また、世界経済をリードしていく役割を果たしていただきたい、こういうことを強く申し入れをさせていただいたところでございます。今後もよく動向については注視をさせていただきたいと思いますし、このほか、やはり新型コロナ[ウイルス]ということもありまして、いろいろと在京などのそうした全国企業も含めまして、動きがあるかもしれませんので、注意深く展開を図ってまいりたいと思いますし、6月議会に向けまして、県内企業の融資制度についても考えていきたい、関係者と話し合っていきたいと思っております。
●知事
取りあえずは新型コロナのゼロ金利の融資、これを延長をするというところまでは今回の5月補正予算に出させていただき、その後、段々と借入残高も膨らんできておりますので、真に未来に向けて事業継続できるようなそういう体制づくり、そのことを支える新しい融資制度についても検討させていただきたいと思います。
●知事
これ、今日の機会でこういうことを、お話をするのは決して本意ではないところでもあるんですけれども、ただ、いろいろと悩んだ末、やはり、私はこの記者会見という記者さんにとりましても、県民にとりましても重要な場でございますので、皆さんが知りたいこと、疑問に思っていることに答える責務は私にはあるだろうというふうに考えております。その際に様々なしがらみがあっても、話すべきときにはやはり話さなければならないこともあるのではないかと思っておりまして、大分夕べから悩んだんですが、あえてひとつ皆様に申し上げておきたいと思います。
いよいよ明日、オリンピックの聖火が鳥取県に入ってきて、聖火リレーのバトンがつながれることになります。今日、この日まで準備に当たってくださった方々、それからまた聖火リレーのランナー、それを支える皆さん、こうした方々に私どもとしても心より御礼を申し上げたいと思います。そして、県民の皆様にはくれぐれも今、大切なのは感染症対策でありますので、今回は入場を制限した形にしております。実際にその聖火が走られるところ、これについては抽選をした箇所がほぼ全てに近いんですけども、そういうところでは、その抽選の定員に満たないところで大体終わっています。琴浦町だけが抽選になりました。そういうようなことでありまして、密にならない形での観戦ができるということだと期待しております。
ただ、どうしても構造上、仕切れない道路の部分もございますので、一部そうしたところもありますけれども、ぜひNHKがストリーミングという手法でリアルタイムで見せてくれますので、それを見て楽しんでいただいたり、また、正直申し上げて、テレビや新聞などの報道機関が流すニュースでこの聖火リレーの意義あるところ、その熱気等も伝えられると思います。それを見て実感していただきたいというふうに思うわけでございます。
実はこの聖火リレーをめぐりまして、いろんな報道もなされています。私はコマーシャリズム(商業主義)に流されすぎないようにするのが本来オリンピックの精神ではないかと思います。現状はそういう意味で疑問を感じるところもあります。また、いろいろな思惑にとらわれてこの聖火リレー、本来、多くの国民や世界中の人が想像しているものとは違った形になったり、いろんな軋轢がこの中で生まれてはいないかというふうに危惧をしております。一番申し上げたいのは、まだこの聖火リレーは続くでありましょうから、[公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会]組織委員会や様々な関係者の皆さん、その中にはこのイベントの管理運営をやっている会社もあろうかと思います。
もう一度やはりこれからみんなに支援されるような、そういうこのオリンピックという祭典に向けてこのあり方は見直すべきがあれば見直していただいてもよいのではないかと思いますし、特に、現場の我々のサイドから言えば、大変な苦労もし、それからお金も我々地方には請求がある、そういうような形でありまして、そういう中で運営していることに十分配慮をされ、現場の実情に即したリレーであっていいんではないかなというふうに思います。例えば、皆同じ画一的なユニフォームを着ているわけでありますが、これは決まりがあるから、そうしているだけです。
中には体調のことだとか、御高齢でやっぱり寒いと心配だと、重ね着をしたいということを申し出ても受け入れてもらえません。それが本当にあるべき姿なのかなと、本当で日本中を回るのであれば、例えば秋田ではなまはげの格好の人が聖火を持って走ってもいいような気がしますし、障がいのある方なども含めて、例えば自分で描いたTシャツの絵、そういうものを背負いながら走行するということもあり得るのではないかなと思うんです。それで、全部ユニフォームでなければならないのか、これは、要は東京モデルのイベントなんですね。それで、その運営の仕方もいわば東京モデルで、東京の常識で仕切ろうとされておられるわけであろうかと思います。
ただ、我々、地域で本当に素朴にオリンピックに憧れて聖火リレーというのは世界平和のために、また人間性を人類みんなでそれを高め合うために行うものだと信じておりました。それで、私自身も子供のころ東京オリンピックを経験している者としてこの聖火リレーやオリンピックにかけるその熱い思いがあった1人でございます。これはいろんな関係者がいらっしゃるわけであります。ただ、私どもとしては理解できない、また、この記者会見のあり方も含めて考えさせられることが続いておりまして、このことについては今後是正されるべきところもあるのではないかと思います。
そういう意味であえてちょっと一晩悩みましたが、お話を申し上げる必要があるかなと思います。[ガンバレルーヤの]まひるさんという鳥取県民が愛して止まないタレントさんがいらっしゃいまして、このたびそのインスタグラムでこの聖火リレー辞退されるという意思を表示されました。私どもとしては感謝の気持ちがある一方で、このまひるさんもかわいそうだなと、同じふるさとの者として思います。同じようなことはイモトアヤコさんや森下広一さんにもございました。
それで、前もって申し上げれば私も含めて鳥取県民はこうした方々は我々にとっての憧れのヒーロー、ヒロインでありまして、我々がもっとも大切にしている方々であります。私自身もお3方とお会いしたことがございますし、すばらしい人たちで我々鳥取県民だからそう思うのかもしれませんが、ある意味謙虚さと、それから他人を思いやるような、そういうお気持ちであるとか、それから、故郷に対する何か貢献できるものがないかしらと考えていただける、そういう愛情というものも、それぞれの私はイベント等でもお会いしていますが、感じたところでありまして、今回故あって鳥取のほうで聖火リレーに関わられるということで、そういう意味感謝をしていたものの1人であります。
そういうわけで我々県庁としてはおりますので、お1人たりとも私どものほうから聖火リレーを辞退してくれといったことはありません。皆さんも記者会見に臨んでおられますので私の言葉は全部拾っておられると思いますが、要はやり方として人だかりを作らないように、密にならないようにその聖火リレーについては公道を走ることはやめていただきたい、控えていただきたい、こういうように申し上げて、そのことを組織委員会側と交渉してきたというふうに私も繰り返してきたところでございます。先週の記者会見、多分皆様はそれぞれの思いでこの会場に来られたと思います。私どもも実は直前に打ち合わせもしましたが、複雑な思いでこの場に立ちました。
その理由はまひるさんが聖火リレー[のランナー]であるということが公表されたんですが、その際の組織委員会がプレスにのみリリースをした資料の中で公道を走るというふうになっていたんです。それで、これが誤りであるというふうに私たちは思いました。なぜなら、私たちが聞いていたのは、まひるさんは大規模店舗の駐車場の一角で、そこで走られる。その際、我々が大分主張したこともありまして、それを観覧される方が50人に制限される、こういうふうに伺っていたわけであります。そういうようなことでありましたのに、公道を走るというリリースになっていまして、これは誤りであると。
それで、実は担当者が即刻その組織委員会サイドに、この公道を走るというリリースは誤りなので訂正するべきだと申し上げました。組織委員会は訂正はできないとおっしゃったそうです。それで、後日それについては機会を見て正しい情報として出しますということでありましたが、私どもはそのまひるさんのランナーという公表があった直後に記者会見があるものですから、そこでどうしゃべればいいのか、正直分からないわけです。それで、事前に担当の部局と私も調整をさせていただきました。
私の信念は記者会見は決して偽りを言ってはいけないと思っています。事実に即して話す、ただ、そのときに、いろんなことに配慮をしながら言葉の使い方とか、言葉の並べ方は私なりに考えた上でこの場に臨むようにさせていただいております。皆さんもそれを感じておられるかもしれませんが、結構私はそのことは1つのモットーとして就任以来守り続けています。時々、軋轢が起こるかもしれませんが、それが公器である、天下の公器である報道機関の皆様に向き合う、その我々の基本的な言わば矜持だと思っているからであります。だから、決して偽りは言わない、その意味で先週皆さんとやり取りをしました。それで、私は皆さんの表情を見てピンときました。皆さんは公道を走ると思って聞いておられると、それで、私は公道を走るわけないのになと思って受け答えをする。
ですから、少しちくはぐがあったかもしれませんし、皆さんの記事の書き方もその組織委員会のプレスリリースに引っ張られた社もあったんではないかなと思います。ですから、まひるさんもインスタグラムの中ではっきりと書いておられました。まひるさんが聞いておられたのは誰もいない公道でないところを走ると聞いていたというふうに書いてあります。ですから驚いたと。だから、私たちも全く一緒でありまして、ですから、まひるさんは素直にそこを書いておられるなと思って拝見をさせていただきました。
ただ、まひるさんは私が先ほど申しましたすばらしい方ですから、結局いろいろ今の社会の情勢の中で自分は走るべきでないというふうに考えられたんだと思います。ですから、そういうようなことだったと思います。そういうインスタグラムを出してあえて自分の考えでブレーキをかけられたのであって、高く評価したいと思いますし、このまひるさんのお気持ちに私たちは応えたいと真剣に思っているわけであります。先週の記者会見はそういうちぐはぐな情勢の中でやらざるを得ませんでした。ですから、皆様の御質問に答えて、私が言える精一杯は組織委員会のほうに私としては著名人の方が公道を走ることは控えてくださいと申し上げておりますと、ただ、これはまひるさんに走らないでくれと言っているわけではありませんよと、そのように繰り返し申し上げています。
皆さんはそれをよく聞いておられたと思います。だから、私は、嘘は言ってないんですね。それで、結局その後どうなったかというと皆さんのとおりなんですが、実はこのまひるさんがインスタグラムを出す日は、私たちのあずかり知らん、多分東京のほうではいろんな緊張感が走ったんだと思います。それで、私どもの担当者がそちらのほうから、言わば指図をされたんだろうと思いますけれども、まひるさんについて県のほうでメッセージを出してくれということを言ってきました。それで、それは公道を走らないということを県のほうから出してくれということなんですが、本来これは組織委員会なり、スポンサー企業がやるべきことであります。それで、しかも情報を誤って報道機関に出したのは組織委員会自身であります。ただ、その尻拭いを私たちにさせようということにしたんだと思います。それで、うちの担当者は非常に真面目でありますので、正面からそれを受けてやっぱり出さなきゃいけないんじゃないかと、私もそれはパートナーですから協力をしていくことはやぶさかでありません。
それで、我々のほうとしてはこの点についてはこういうふうに出そうというふうに私は申し上げたんですが、その大型店舗の一角でやるものであって、ちゃんと管理されたスペースであって、感染対策を取られているところでやるというふうにお聞きをしておりますと。これが我々現場の担当者、言わばあちら側の主催の事業でありますので、そのお手伝いをしている者として言える精一杯のことだと思いました。それで、私の手を離れて、その後、組織委員会や関係者と調整をしたまま一旦はツイートが出されたと思います。それで、そのツイートは、これは公道を走らないので問題ないという表現になっていました。
それで、そもそもその具体的な、どこを走るということは組織委員会側としては出してはいけないというお話であり、そこに問題ないということを県側として書けと、こういうことだったようでありますが、私はその結果を後ほど聞きまして、直ちに訂正しなさいと申し上げました。問題ないというのは価値観が入っていると、その価値判断は我々がやるべきことではない。我々がやれるのはせいぜいそういうふうに聞いておりますということでありまして、大型店舗の一角ということが言えないのであればそこは除いてもいいけれども、そういう事実関係だけを出しなさいということで、多分このツイートは差替えになったというふうに思います。
こういうように実はどたばたがあったんですね。その背景の中で思い詰められたんだと思います。本当にお気の毒だと思います。まひるさんがインスタグラムを出されたということであります。私は心から同情するんですね。多分、私と同じような形で追い詰められていたんだと思います。どうしてこういうことを我々が甘受しなきゃいけないのかな、やはりもっとオリンピックなんですから、みんなが支え合うと、それぞれの人が良かれとして思ってやったことが1つのモザイクアートのようになって、1つの大きな絵柄で人間というのを、すばらしさを、それをみんなでつくりあげていくのがオリンピックのムーブメントなんではないかなというふうに思いますが、何かのメンツや都合のために物事が変わってしまうというのは、非常に私としては残念に思ったところであります。
ただ、組織委員会にも組織委員会の都合があると思いますし、そのことを私は責めるつもりはありませんが、ただ、今後に向けて、やはり変えるべきところは変えていただかないと、私どものように忍耐強くそれを受け入れるところもあるかもしれませんが、しかし、そうでないところもたくさんあると思います。やはりこれは共感の上に成り立つ事業でなければならない、このことを肝に銘じないと、今あるオリンピック批判というのは高まる一方ではないかと危惧をするものであります。
また、先ほど申しましたようにイモトアヤコさんにしても、森下広一さんにしても、私たちは敬愛してやまない方々であります。だから、このお二人に対してもオリンピックの聖火リレーを辞退してくださいと申し上げたことはただの一度もありません。この点も間違って伝えられる結果になりました。どういうことになるか、どうしてこうなったかというのは、これは複雑な状況があります。私はやはり事実に即して物事を言わなければならないと考えて今日ここに覚悟を決めてやってまいりました。私たちは3月になりまして聖火リレーの見直しをすることにいたしました。それは島根県さんに発端を有する議論が全国を席巻したからでございます。それについて私たちも答えを出さなきゃいけないということで、橋本[聖子]会長ともお話をさせていただき、橋本会長はいつもどおりの橋本会長でいらっしゃいまして、大きな心で私たちの変更というものを受け入れてくれた。ですから、組織委員会全体としては機能しているところもあるので、そのことは感謝をしているところでございます。
それで実は、そのときに幾つかの要素があって、見直す中には人だかりをつくらないということがありました。ですから、我々としては著名人の方が聖火リレーを行われると、どうしても人が集まってしまって、感染症対策としていかがと。ですから、公道を走るのはやめてくださいというモットーで、これを基本方針でやっていこうというふうにしたんです。それには我々がそう考えた背景もあります。実は私たちが検討するその以前から、イモトアヤコさんと森下広一さんについては辞退したいという意向が組織委員会を通じて私たちに伝えられていました。ですから、そういうふうに申し上げても、何らそうした方々には影響がないだろうと、迷惑をかけることはないだろうというふうに考えていました。
ただ、そうした方々の代わりに別の有名人が走ることになってしまいますと、そうすると元の木阿弥になってしまいます。当時どうして御辞退されたか、その理由はよく分かりません。私たちのほうにはスケジュールの都合だという、そういうお伝えをいただいていたところでありまして、いつこれを公表されるのかなと思ってずっと待っていたというのが私たちの状況なんです。ところが待てど暮らせどその公表がなされない、そのまま最終的にはこのオリンピック聖火リレーを決めなきゃいけない実行委員会まで来てしまいました。結局その実行委員会で出てきた中に、このイモトアヤコさんと森下広一さんのことも入っているんですけども、ここ訂正できないままに、我々はいってしまうことになったんですね。
実はここに来る前からこのことどうしようかなというのが我々の悩みの種でございました。それで、ただ、いろんな事情があって多分言えないんだろうと。だから、記者会見で言ってあげますよというようなことにして、それは分かるんです。人気商売の方々っていうのは、やはり私もそうですけど、いろんな批判にさらされることが多々あり得るわけでありまして、できる限りそういうことを避けたいと、よいと思ったことでもそういうことが起こりますので、非常に慎重になることはあるんだろうと思います。
ですから、そういう意味で我々がやっている、こういう人だかりを避けましょうというメッセージも、そうした方々の言わば理由としては立つかなというふうな思いもあって、我々も主張していたこともあるんですけども、そのようなわけで、記者会見で、じゃあ、出しましょうということで、それに向けた打ち合わせを私自身もここに来る直前、その日も、4月22日のことでありますが、関係者、うちの県の担当部局とよくすり合わせをしてきたつもりでありますし、ずっとそのとき頭の中で考えておりましたのは、いかにイモトアヤコさんや森下広一さんが何らかの事情でやめられたんだと思うんですけども、ただ、そのことを持って、何か残念な結果にならないようにしなきゃいけないと。むしろこうした方々に我々としては感謝しているんだよというようなメッセージをきちんと伝えることで、それで言わばスムーズにその後のいろんな対応が取りやすいようにして差し上げるのが我々の礼儀ではないかなというふうにも思っていたところであります。
ですから、皆さんも全部聞いておられたとおりのことでありまして、ここで私が申し上げましたのは辞退するというお話がありましたと。それで、かねて私たちは、著名人が公道を走ることは控えていただきたいというふうに申し上げていましたので、そのとおりの結果になっておりますと、こういうことを申し上げさせていただき、イモトアヤコさんと森下広一さんには心から感謝をしておりますということを申し上げたわけであります。その後のニュースの状況を見ても、私が意図したことのとおりの展開になったかなと思いましたが、非常にお二人に対しては好意的な形でこの辞退の話が伝えられた状況がございました。ところがその昼休みに、担当者が血相を変えて私の部屋にやってきたんですね。事務所のお偉いさんが怒っていますと、こういう言葉でありまして、その表情を見て私は顔面の顔色を失っていますし、体も声も震えたような形でございまして、これは恫喝されたなと思いました。それで、そういうようなことで、いったいどういうことにその後なったかというと、それは皆さんの御案内のとおりで、私は、実はそこはあまり深くは立ち入っていませんが、結局、前日の実行委員会の後、鳥取県が辞退をお願いをした。それに応じて辞退をした。こういうことでストーリーが変えられていたんですね。
それで、私は自分がそのストーリーに関わるのであれば、やはり事実に反しない範囲ならできると思います。少なくともこの記者会見の場で事実に反する話を申し上げるのは、私の信条としては出来兼ねるし、それは多分報道機関の皆さんもそうだと思います。ただ、こういうことがやはり東京の世界でまかり通るんだと思うんですね、それは非常に残念なことでありますし、もっと素直に我々も工夫をしてイモトアヤコさんや森下広一さん大好きですから、その人たちのために働きたいと思っておりますが、何かそうした誰かの都合で事実を曲げるようなことをあたかも事実のように語らせるのは、私は職員に対して出来兼ねるところであります。
そういうようなことで、いろいろと混乱があったことについてはお詫びを申しますが、私たちには全く他意はありませんし、重ねて申し上げますが、イモトアヤコさんや森下広一さん、そしてまひるさんには心から感謝をしておりますし、こういう騒動に結局は巻き込まれる形になられたことに対しまして、大変に同情を申し上げますし、私たちも同じ苦労を分かち合っていること、残念ながらそれを感じるところでありますが、ただ、これからもお三方を我々県民としては応援をして、さらに、活躍をしていただくようにお祈りを申し上げたいというふうに思います。
覚悟を決めて事実に即したお話を申し上げることとあえていたしましたので、多分これからのオリンピック聖火リレーに、私は組織委員会としては求められることはないのではないかと思います。明日、明後日と聖火リレーがありますが、そのセレモニーでこの平井も挨拶をする立場ではありましたが、挨拶は返上したほうが組織委員会様のためには、お立場としてはよろしいのではないかなというふうに思いますので、挨拶は返上させていただきたいと思います。ただ、この鳥取県から今回のオリンピックには6名の偉大な選手たちが行かれることになりました。それぞれの方々、私もよく存じ上げておりますが、本当に頑張って苦労してやっています。
また、宇佐美里香さんのように別の立場で選手強化委員長として関わられることにもなりました。これら全て鳥取県の誇りであります。ですからオリンピックのこと自体については、私はその意義は高いと思います。ただ、それが本当にみんなから祝福される、そういうイベントになるようにみんなで力を合わせるべきじゃないでしょうか。そのためにはお互いに信頼できるような、いわば人間として正しいと思えるような、心から共感できるような関係を、たとえ、どこかのお偉いさんかもしれませんが、東京と地方という立場の違いがあっても同じパートナーとして我々も扱っていただいてもいいのではないでしょうか。そういうように思うところでございます。
ただ、これから聖火リレーがあります。聖火リレーを走られている方々、本当に頑張って練習してこられました。また、これに向けて市町村、あるいは関係団体、皆さん寸暇を惜しんで準備をしてきました。ぜひ県民の皆様には、祝福をしてあげてくださいと申し上げたいと思います。そこには我々が招いたわけではないコマーシャリズム(商業主義)が色濃くあるかもしれませんが、それは、また見ていただいて今後のオリンピックを考えるきっかけにしていただければ良いのではないかと思います。私自身は一県民として拍手を送らせていただく立場で、この聖火リレーには参加させていただきたいと思います。私からは以上です。
○山陰放送 日野彰紀 記者
はい。BSSの日野です。先ほど知事、聖火リレーのセレブレーションでの挨拶は返上すると、その前にお詫びをするというような趣旨の御発言もありましたけれども、そのお詫びをされるっていうのは具体的にはどういった部分についてですか。県の担当部局の説明がやや違っていたという意味合いでしょうか。
●知事
もちろんそのことも含めてだと思うんですが、ここにいらっしゃる報道機関の皆様も、この2回にわたる聖火リレー辞退騒ぎの中に巻き込まれてしまいました。そのことについて、我々の本意では決してない、そのことは多分お分かりいただけると思うんですが、そのことについていろいろと皆様にいろんな御迷惑がかかっているんじゃないかなと、我々でどこまで毅然としてやれるかという問題はあるんですよね。結局力関係がありまして、私たちにはコントロールできないことが多すぎますし、特に担当職員に取りましては芸能界のしきたりなども分かりませんし、いろんなことが分からないままに我々やらされているところがあります。
それで、その不手際といいますか、言わばあまり上手じゃなかったということで皆様にも御迷惑をかけたかなという意味でお詫びという言葉を使わせていただきました。返上したいというのは、それは多分ちょっとこのお話は、私はこの組織委員会全体を問題だと言っているものではありません。今回この聖火リレーを大幅に見直してくださったのは橋本[聖子]会長はじめ組織委員会の皆様は多分越えがたい壁があったと思うんですね。多分その越えがたい壁はコマーシャリズム(商業主義)だったと思います。これまでの我々の折衝の関係を考えますと、ですから組織委員会も御苦労されたんだと思いますので、それについは評価をするんですけれども、ただ、改めるべきところも自ら改めていただきたかったなと。私どもの現場の職員は非常に忙しく、東京と違いまして本当に数名でやっているんです。それで、その人たちを夜遅くまで巻き込んでしかも体が震えるぐらい怖い思いをさせて、そんなことを私はこの職場の管理者として残念に思うもんですから今後やり方をよく工夫をしていただきたい、前向きな気持ちで申し上げたいと思います。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。中国新聞の小畑です。説明の中で1点イモトさんと森下さんの辞退について説明された記者会見の中のやり取りと、あと、私たちも午後なり夜なりに担当の職員の方から聞いた説明、確かに変わりました。それで、先ほど血相を変えて職員の方が来られたといった説明があったんですけども、一体何があったのかちょっと分かりにくかったので、もう少し説明していただけないでしょうか。
●知事
これについてはあんまり深掘りをするのもいかがかなと思います。いろんな方が関わっておられるんじゃないかと思いますが、私が聞いた話をそのままに申し上げることで代えさせていただきたいと思いますが、私が昼休みお伺いをしましたのは珍しい表現だったんですけども、事務所のお偉いさんが怒っていますという表現だったです。それで、持ってきたペーパーでは、先日の実行委員会の後に、辞退を鳥取県が求めたというふうに書いてありました。どうしてもそういうこと言いたいんだったらもっと早くからちゃんと調整すればいいじゃんと実は言ったんですけど、私も。
それで、ただ、いろんな事情があるんだと思います。あまり深堀りするつもりは正直ありません、終わった話ですし。ただ、申し上げたかったのは、私たちはイモトさん、私たちが非常に敬愛してやまないイモトさんに走るななんて言うはずがありません。そのことは鳥取県民の気持ちを勘違いされても困るもんですから、御理解をいただきたいというふうに思います。ただ、いろんな事務所のお偉いさんの事情があったんだと思います。それはよく分かりませんが、それでそういうストーリーでやってくれということで怒っていたということだったと思います。
○読売新聞 安恒勇気 記者
読売新聞の安恒です。ちょっと細かい話というか、今の1件のことに関してなんですけれども、鳥取県が辞退を求めたっていうのは、それは公道を走ることへの辞退を求めたということを鳥取県が求めてたっていうことですか。
●知事
結構私、きちんとしゃべっていると思うんですけど、この場でしゃべるのが一番大事だと思っていますから、鳥取県としての発言でこの場で申し上げたのは、公道を走ることは著名人は控えていただきたいという言葉を使っていたと思います。辞退という言葉は使ってないと思います。それはやはり我々の気持ちがありまして、さらに言えば、もともとそのお二人ですね、イモトさんと森下さんについては組織委員会側からは辞退しているというお話を聞いていましたので、ですからちょっと辞退を求めるっていうのもそれもまた変でありますので、そういう有名人が、仮に我々ちょっと心配したのは別の有名人が来て走らせんかなということがあります。そういう意味では控えていただきたいというふうに申し上げておりました。
ですから、我々から例えばあちらのイモトさんのほうとか、森下さんのほうに今回こういう事情なので辞退してくださいというお手紙を送ったこともなければ、そういうことを申し上げたこともありません。また、まひるさんの関係ではかなり早いタイミングで公道以外を走る方向で調整がついたものですから、ですからそういうことはただ我々は今後に向けて変更されるかしれませんので、1つのスキームとしては著名人の方が公道を走ることは控えていただきたい。こういうことを繰り返し申し上げて、言わば今後の様々なことに対するくぎを刺させていただいたと、こういうことであります。
○読売新聞 安恒勇気 記者
すいません。そのときの話なんですけれども、要は大会の組織を通じて公道を走ることを控えていただきたいということを大会組織委通じて求めたというか、投げかけたということで、それに関しての反応が、答えがイモトさんと森下さんの公道、公道というか、そもそもリレーを辞退するという答えだったという説明を僕ら受けたんですけれども、最終的にですね。それは正しいんですか、それは。
●知事
ちょっとすいません。ちょっとその説明というのは私の後の説明ですか。
○読売新聞 安恒勇気 記者
そうです。結果的に変わったのはそういう説明が正しい。
●知事
そこはちょっと分かんないです。そこはちょっと、そこはすいません。そこは実は、私は分かりません。それで、何かその後、世の中の反応としては鳥取県がうそをついているように言われていたわけでありまして、それは私は組織のちょっと1つの統括者として、この結果はおかしいと。それは担当部局に申し上げておりました。
○共同通信 遠矢直樹 記者
共同通信の遠矢です。今のところに関連してなんですが、イモトさんと森下さんが辞退をされた当日のその記者会見で知事がおっしゃったことと、あと、その昼以降に担当者のほうから説明があった内容では説明の内容が変わったわけですけれども、その背景として先ほどおっしゃったような事務所のお偉いさんが、怒っているというようなこともあったと思うんですが、そこで県として説明を変えた理由をちょっともう一度教えていただいてもいいですか。なぜ方針を変えることになったのかを教えてください。
●知事
それはだからそのことでしょうね、事務所のお偉いさん怒っていると。それだけだと思います。それで、私は常々この場に立つときはちゃんと胸に手を当てて真実のみを語るようにしています。だから、私の考えの、いえばスコープ[範囲]の中では言っていることはぶれてないはずであります。ただ、どうしてもいろんな説明の仕方があるんだと思いますね、そういう意味で事務所の都合というのがあったんではないでしょうか。それで、私たちも言わば共同作業で組織委員会とやっているもんですから、ですから、いろんな事情の中でもっと正確な説明をしようというような意図だったんだろうというふうに思います。
○共同通信 遠矢直樹 記者
すいません。そうすると結果的に、今こうして実情、その当時どういう状況だったかというのを明らかにされたわけですけど、結果的にそういうふうに変えたことを明らかにするのであれば、その当日確かに事務所のお偉いさんが怒っているということはあったんでしょうが、そこをはねない、はねるというか、事実を曲げることはできませんっていうふうにすることはできなかったんでしょうか。
●知事
私はちょっと心情的に弱いのかもしれませんが、職員の様子を見ていて気の毒になりまして、それで要は好きにやったらって言ったんですよね、簡単に言いますと。やっぱり板挟みになっている人って本当にかわいそうです。ですから、やっぱりそういう方々のやりやすいようにはしてあげなければいけないかなというふうに直感的に当時は思ったことを覚えております。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。日本海新聞の濱田です。知事、説明を、事情をお聞きしまして、お気持ちも分かるんですけども、じゃあ、事実として、事実の確認なんですけれども、ここの記者会見の場でうそはつかないを信条にされている知事が、県が結果としてイモトさんと森下さんの辞退のときに関しては、先ほど気の毒になった職員の様子を見て好きにしたらいいということで許可されたということですけども、我々結果としてそれでマスコミとしては誤報を出されているということになると思うんですけど、それに対して先ほどの御迷惑おかけしたという部分がかかってくるんですか。
●知事
おっしゃるとおりです。ですから、結局、多分皆さんもういろんな意味で今回右往左往させられたと思うんですね。今のこの職員がした説明のことも1つそうだと思いますし、それから先週のこの記者会見、皆さんの目線を見ていて思いましたけれども、やっぱり[公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会]組織委員会で出されたプレスリリース、それではまひるさんは公道を走るというふうになっていたわけですから、それに基づいて皆さんは質疑をされていた、このちぐはぐさが生まれていたわけですよね。それで、我々としてもいかんとしがたいものでもありますけれども、いろんな意味で皆さんも巻き込まれてしまったんではないかなと。このことについては率直にお詫びを申し上げたいと思います。
〇NHK 小山晋士 記者
NHKの小山です。そういうことで明日からもうリレー始まるわけなんですけど、一方でこういう形でいろいろ事実が出てきたんですが、今後、聖火リレー、今後、続くは続きますけど、また新しいのがあるわけではないので、今回の事実を検証なり、今のは失礼ですけど、平井さんの言い分で誤解もあったり、異論することはあると思います。そういう面で向こうの言い分なり、そういう機会もあると思いますけど、そういう面で検証なり、またその検証を今後に生かす提言なり、そういうのはしていく考えってございますでしょうか。
●知事
これはさっき冒頭から申し上げましたとおり、オリンピックというのはみんなでやっぱり高め合う、認め合うというもんだと思うんですね。ですから、信頼関係を知らない人、それも世界中の知らない人と結び合う、ここに喜びの真髄があるし、オリンピズムの醍醐味というものがあると思うんです。だから、基本に立ち返って、単なるイベントとして、それを同じ形で確実的にやっていくというだけでいいのかなというのは正直あります。だから、そういう意味で今後まだオリンピックの聖火リレーは続いていくでありましょうから、今回のことも踏まえて、改善すべき点は改善していただいてもいいんじゃないかなというふうに思います。
ただ、いろいろと我々も悩みましたけども、こうした我々が尊敬してやまないお三方に迷惑をかけるつもりはさらさらありませんし、そのお三方の応援をしていきたいというのもありますので、あまり詮索を深めることは、私はあまりやるつもりはございません。後は世の中の方がどう考えていかれるかではないかと思いますが、ただ、鳥取県が何か誰でも彼でも辞退を求めているような誤解が生まれているのは、それは県民にとりましても不幸なことだと思いますので、その点は修正していただけるとありがたいと思います。
〇日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、話は変わるんですけど、インド株対策の件で、知事が先ほど独自に情報収集する中で、鳥取県のほうでもインド株の足音が聞こえているというようなことをおっしゃられたんですけど、それは具体的にどういうような事例に対して、そういう懸念を抱かれているのかというのをお聞きしたいんですが。
●知事
いろいろといろんな情報ルートで、例えば関西エリアの中でインド株が見つかってきている状況がある。それからまた山陽エリアでも見つかってきている状況がある。それで、そういうの、かなり具体的な感じのことも伝わってきているものもありますし、いつも職員にお願いをしまして、関係の保健所さんとも連絡をとっていただいて、現状を我々何人も把握しようとしています。ですから、結構、鳥取県の身近なところまでインド株が近づいてきている。それを我々感じるに至りまして、こういうような特別のプロジェクトをさせていただきたいと考えたところです。
〇日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。それともう1点確認なんですけど、コロナ禍打破特別応援金の件なんですけど、これ先日の前回の記者会見のときには、対象事業者が観光関係とかちょっと曖昧な括りだったと思うんですけど、これはその後、何かカチッとした枠組みたいなのはできたんでしょうか。
●知事
これは事業者全般と考えていただいて結構です。特に観光とか飲食に限るものではありませんが、30%以上の売上減ということであります。観光向けには観光の施策をつくらせていただいたり、それから飲食店向けには、先般第4波の応援の支援金[第四波対策飲食店等感染防止強化緊急応援事業]をつくらせていただきました。こういうようなことで必要な事業分野につきましては個別の対策を取っていきたいと思います。
◯朝日新聞 東孝司 記者
朝日新聞の東です。一部報道の取材に知事お答えになられていますけど、自治体のトップのワクチン接種のタイミングであるとか、方法であるとかがちょっと今、是非議論が起きていますので、御自身の接種についての考え方、それで、今のその是非議論についての御私見があれば伺えればと思います。
●知事
私自身は鳥取市民でありますので、鳥取市のやり方に従ってそのルールで接種を受けることになると考えております。また、首長の接種を含めてこのワクチン接種の順番については、私自身は分科会の国の委員をさせていただきまして、夏頃からこの議論に加わっていた1人であります。当初の厚生労働省の示した原案は高齢者とか、それから基礎疾患がある者、それから医療従事者、これら以外には例外を設けずにこれらだけの優先接種ということを基本にした考え方だったです。それで、私はその[全国]知事会を代表する立場、現場の立場として、いやいや、例えば救急車で搬送する救急隊員だとか、それから高齢者の施設の職員だとか、また、保健所などこのコロナ対策の最前線に立つ人とか、いろんな方々やはりもっと幅広くやっぱり優先接種対象をつくらなきゃいけないんじゃないですかということを申し上げまして、それはある程度入れられたと思います。
それでそういう意味で議論をする中で、特に最近も河野[太郎新型コロナウイルスワクチン接種推進担当]大臣と毎週のように話し合う機会を知事会としても持っていますが、柔軟にこの優先接種については現場で認めていただくべきじゃないかということは河野大臣も御理解されていまして、最後は現場の裁量で決めていただいていいということだと思います。それで、特にワクチンの無駄にならないようについで打ちっていうような形での接種ということは、これはあり得るのではないかと思います。こういうようなことで首長が打つという結果があったとしても、私あまり不思議ではありませんし、それが多分政府から指弾されることもないんではないかと思います。そういうふうに緩やかな運用にもともとなってきているということだと思います。
ただ、その中で注意をしなきゃいけないのはやはりそういう公人としての立場を乱用することがないように、それはよく説明責任を自ら果たせるような形でされるべきではないかなということであります。
○NHK 小山晋士 記者
県営のワクチン接種の件でもう詳細が出てきましたが、そういう意味で対象が鳥取市と米子市ということで、もちろん人口規模が多いっていうのはもう当然だと思いますけど、県がやることについてなんですが、やはりそういう面でほかの境港とか、ほかの市町村の住民からはずるいんじゃないかっていう考え方もなくはないと思います。それについてどう思われるかっていうことと、あと、逆にこれによって結構鳥取市、米子市にまた予約が殺到する可能性ありますけど、そういう面で心がけてほしいことお願いします。この2点お願いします。
●知事
これについては、実は私どもは大都会と違いまして人的リソース(資源)がかなり限られています。しかも医療従事者を市町村の接種会場と県の接種会場で取り合っても何の意味もないわけですね。ですから、それと別枠でどれができ、どういうことができるかっていうことをいろいろ模索しながらやっていきたいと思っていまして、柔軟に各市町村の御意見だとか、それから進め方についてはまずはスタートさせながら展開考えていきたいというふうに思います。また、鳥取市米子市でこれ受け付けられるということでありますけれどもワクチンは65歳以上の方皆さんに行きわたるだけのワクチンは確保されています。ですから、決して急ぐ必要はございません。ぜひそういうことを踏まえて、かえって無理をされて体調を壊されることのほうが心配でありますので、ゆったりと我々も受け皿を増やしますので、予約をしていただければと思います。
20 CIO補佐官(Society5.0・DX推進担当)の新設
○共同通信 遠矢直樹 記者
すいません。共同通信遠矢です。DXのCIO補佐官のことでちょっとお伺いしたいんですけど、この2名、2人の方をどういったところに期待して選ばれたのかということと、あと、この2名の方とのやり取り等はデジタルということもあるのでオンライン等で普段やられることになるんでしょか。
●知事
このお二方ともSociety5.0、あるいはデジタルトランスフォーメーションの大家でいらっしゃいまして、県内ではなかなかこうした人材に出会うことが正直難しいところであります。したがいまして、今日までいろいろと協議お願いをさせていただきまして、内諾をいただいたというところでありますので、手続に入ろうというものであります。このうちの米澤[政洋]さんにつきましては、かねてSociety5.0の我々の構想を練る、あるいは実際に様々な実証活動をしようというときにもアドバイスをいただいていた方でありまして、そうしたつながりもあって我々としても相応しいんじゃないかなと考えておりました。
また、柴崎[亮介]さんもこの領域の要は大家でございますので、高いお立場でいろいろとアドバイスをいただければというふうに考えております。当然ながら遠隔地でありますので、ネットを通じてというようなことが当面は中心になると思います。ただ、新型コロナ[ウイルス]の状況等々も変わってくれば我々の実地のほうで来ていただいて、その辺の旅費等も我々のほうでしっかりと補償させていただきながら活動していただきたいと思っております。
〇時事通信 竹原伸 記者
すいません。時事通信の竹原です。よろしくお願いします。すいません。鳥取方式の関連で。すいません、戻ってしまうんですが、質問なんです。この前も月曜日、BSのテレビ番組出演なさって、鳥取方式って改めて訴えかけられたかと思うんですが、中で、何か出ていらっしゃった方の中でやっぱり人口を引き合いに出されて、何か鳥取は人口が比較的少ないからそういった保健所機能強化っていうのは一貫してやってこれたみたいなことで、何かまとめられた感じも受けられるんですが、正直行政が関わるっていうこと、この保健所行政が関わるっていうことで人口を引き合いに出して大都市は多いからできない、じゃあ、少ないとこは少ないからできるといった議論についてどう思っていらっしゃるのかなっていうのを伺えればと思います。
●知事
人口の多寡で、実は決まるものではなくて、私どもがやっているのは全国各地の保健所がやっているやり方を言わば徹底したものでございます。つまり探索範囲を単に濃厚接触者だけでなくて、それ以外に広げていくと。特に、今イギリス株のように感染力が強いもんですから、多少離れていてもということです。Ct値11ぐらいになりますと最近の研究者のお話聞いていますと、マスクをしていてもここから漏れてきたその言わば飛沫によりましてマスクの上から漏れた飛沫で目に入って感染をする、そういうようなレベルなんだそうです。
ですから、それぐらいやはりもうかつての紅茶、茶わん1杯分くらい(飛沫が)入らないと感染しないというものと大分違いますので、その飛沫の量がですね。ですから、警戒は強めなければいけないんだと思います。そういう意味で探索範囲をこの濃厚接触者を標準にしている発想自体を私は改めたほうがいいと思います。それからあと、探索する日付ですね、すぐにやっていくと。本県のような即日検査をして即日結果が出るのが理想でありますけども、そうでなくても早い、言わば、ファーストトラック、早めにやるようなトラックを用意することは可能ではないかと思います。
それで特にこの機会に私もあえて尾身[茂新型コロナウイルス感染症対策分科会]会長にもこうした鳥取形式のことなど申し上げなきゃいけないと思いましたのは、3月、4月以来、このイギリス株など変異株に付き合っているわけでありますが、これで戦えるなっていう、言わば感触を持ったからです。それで、今、ただ、このやり方やらないと多分濃厚接触者だけ調査をしていたら必ず感染者残りますので、陽性者がそこからさらに増えていきます。ですから、そうした意味で戦い方という意味では、今、従来通りの形でやっていたら多分勝てない。ですから、鳥取のやり方も参考にしていただく必要があるんじゃないかなと、言わばこれちょっと使命感を持ってお伝えをしてきたということであります。
ですから、そんなような形で鳥取方式というのは大都市でも、例えば相手を限定すれば少なくともできるし、特に第3波の後の始末が私は問題だったと思うんですが、第3波でこう波が終わって下がってきました。そこで保健所機能を取り戻せたんですね。そういう時間帯があったんです。その数が減ってくれば対応がもちろんしやすくなりますし、保健所職員の数は鳥取と大都会では比べものにならないほど数がいらっしゃいます。それでそうしたところで徹底してその後、また元に戻って感染ルートを追っかけて潰して行けば多分同じようなこと、第4波には至らなかったかもしれない。その辺がありましてやはりこういうことをやっぱりやれるタイミングもあります。減ってきたときにもう一度ハンドルを取られかけたのをもう一回ハンドルを握り直す。それを第3波が終わりかけたときにやれたんではないかなという思いもあります。
ですから、日本全体でこれやっていただかないと、この来るべきインド株、インド株が現に今、日本に入っていますから、これを追っかけることは徹底して見方を変えてやっていただくのが今のタイミングではないかなと思っていますが、インド株を追いかける数くらいだったら、何ら大都会でも問題なくできると思います。ただ、これが増えた後、追いかけることはできなくなってしまうかもしれません。だから、今やらなきゃいけないと思っています。
22、23 東京2020オリンピック聖火リレー、インド株対策
◯産経新聞 松田則章 記者
産経新聞の松田です。ちょっと理解は私できてなくて、1つ確認したくてもう1つは質問ですけど、先ほどイモトさんのところで事務所のお偉いさんが怒っている。この事務所っていうのはイモトさんの芸能界の所属事務所のことでしょうか。それともう1点は、全く関係なくてインド株のほうですけれども、これまでのコロナの変異株もありましたけれども、それと比べて若干突出した対応に感じるんですけれども、その理由をお聞かせください。
●知事
事務所のお偉いさんっていうのは分かりません。分かりませんけど、イモトさんの事務所といったらそういうことかもしれません。それから突出してというお話でありますが、今は備えられるタイミングだと思っています。それで、N501Yはそのウイルスが県内動き始めて、やはりこれは非常に感染力強いなと思いました。それで、今度のインド株は研究者の考え方では1.5倍、イギリス株よりもうつりやすいと、それで、それはイギリスのほうではそういう研究結果も出てきたと言われています。我々からすると現場ではちょっと空恐ろしい、そういう感染力ということだと思います。ですから、今のうちにやはり体制を整えて、例えばチラシを配ったりということはスタートさせて、これからインド株がいずれは入ってくると思うんです。
それで、入ってきたときに備えて、やはり普段から予防を徹底しておきましょうと。それで、予防を徹底すれば、基本は一緒ですから、インド株が入ってきたとしてもそこは防御できると思います。それを店舗でも徹底していただくとか、そういうことなどをまずは始めていったり、これ、どうしても熟練などが必要でありますので、こういうスクリーニング検査だとか、それから、全ゲノム検査だとか、そういうことを我々としても1つずつスタートさせていかなければいけないのではないかなと思っています。やはり体制を整えておかないと、広がり始めたら一発で堤防が切れるかもしれません。その辺を警戒しているということであります。
○山陰中央新報 福間崇広 記者
山陰中央新報社の福間です。聖火リレーのことで3点ほど教えてください。知事、先ほどまひるさんに関しては大型店舗の駐車場の一角で走ると、人数も50人に制限されると聞いていたとおっしゃいました。それで、それが組織委のほうとそういう方式で行うというのは事前に調整されていたのかということがちょっと疑問でして、一方で、組織委は公道を走るというふうに公表されまして、主催の組織委と主管するような市町村と県の事前の調整とか連携の問題じゃないのかなと思うんですが、それがまず1点目です。
それとあと、職員の様子を見て、イモトさんの件ですけれども、職員の様子を見て、好きにやったらいいと言ったとおっしゃいましたが、このときの判断についてどのように今ちょっとお感じになっているのかと、県として誤ったことは全く言っておられないと思います。それで、好きにやったらいいというので事実がねじ曲げられるということを想像できなかったのかという点です。すいません。セレブレーションというのは挨拶の返上なんですけれども、これの理由がちょっとすいません理解不足で分からず、コマーシャリズム(商業主義)への問題提起なのか、どういう理由でちょっとされるのか改めてこの3点お願いします。
●知事
すいません。これは大分長いこと調整していました。それで、それは、我々は結果しか正直分からないです。仕組としてはスポンサー企業と多分イベント運営会社だと思います。ちょっとそこは、詳細分かりません。それで、そこでいろいろと調整をされて、実際当日イベントをされるんだと思います。それで、それを組織委員会がいわば働きかけたり、コーディネートされているのかなと私たちは想像しています。それで、我々としては密にならないようにというのが最大のポイントでありますから、そういう意味で組織委員会側からは、伝えられたのは50人以内に入場できる人は制限するということでありますので、そうであれば密にならないだろうなというふうに期待を持っていたというのが事実であります。
ですから、我々は調整に預かれません。調整しているのは組織委員会とそれから多分イベント企画会社、運営会社ではないかなと思いますが、その辺で多分いろんな差配をされたんだと思います。それで、組織委員会が公道を走ると、まひるさんについて公表された理由は正直分かりません。多分、単なるエラーだったんじゃないかなというふうに思います。それから、2点目につきましては、私もそこで頑張ればよかったのかも知れませんが、大人気ないなというような気持ちも片方ではありますので、頭の中にやっぱりイモトさん大事なので、イモトさんが輝くような形というのがやっぱりやりたかったです、あの日は。ですから、皆さんも聞いていただいたと思いますが、結構その辺はイモトさんが本当に我々のことを考えて動いてくださっているということを強調させていただいて感謝を申し上げておりまして、普通ならそれで終わりじゃないかと思うんですけど、ところがそのストーリーが気に入らなかったんでしょうね。
それで、それはよく分かりません。そこに至るまでの折衝過程もいろいろと担当者レベルであるでしょうし、それで、私があまりあれこれ細かいところまで指図をするのもどうかなということも思いましたし、とっさのことでありますので、好きにしたらいいじゃないというふうに言うのが、言わば1つの自分としてのあり方かなと、直感的には当時思ったということです。ただ、その後の展開を考えればあそこで事務所とけんかしてでも私が頑張るという選択肢も確かにないわけではなかったかもしれませんが、間に挟まっている人が相当痛がっていましたので、少しそこは忍びなかったなというのが実際のところでございました。
すいません。ちょっと、あと3点目なんでしょう。挨拶が、挨拶返上は別にコマーシャリズム(商業主義)のことではありません。私がこういうことを今日、他意はない、組織委員会を批判するつもりもありませんし、いろんな行き違いというのは往々にしてありますから、ただ、我々としてお三方に辞退をせまったことは一度もありませんので、そのことは誤解ないようにしていただかないといけないかなというふうに思うぐらいのことであります。ただ、こういうことを申し上げればいろいろと組織委員会としては意に沿わないやつだということになりましょうから、私がわざわざそのイベントの場で公に発言するというのはあちらのイベントでございますので返上させていただいたほうがよいのかなと思います。ただ、私自身は多くの方々がこの聖火リレーを楽しみに準備をされましたし、当日も一生懸命されます。それは県民の皆様にも心から祝福していただきたいと思いますし、私自身はその手続きのことで今日こうして申し上げざるを得ない状況になってしまったわけでありますが、それ以上の他意もありませんので、一県民として拍手を送るという立場に留まりたいと思っています。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
すいません。知事、次の公務があるということですので、これで終わりたいと思います。よろしいでしょうか。
●知事
ありがとうございました。