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タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

日系企業との合弁事業に関心のあるタイ企業インタビュー

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 タイの基幹産業の一つである製造業は、日本の製造業界と同じく多くの中小企業によって支えられています。国内外の同業他社との競争が激しい業界ですが、事業拡大のため様々なチャレンジをする企業も増えてきています。

今回は、成長が期待される新たな産業分野で、日系企業との合弁会社設立を模索するタイ企業「SCCテック株式会社」のインタビューをお届けします。

御社の業種と企業規模(従業員数など)について教えてください。

                               SCC Tech Co., Ltd.
                              SCC テック 株式会社

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 弊社は2004年に設立され、現在は100人程の従業員がいます。自動車部品、電子部品、機械部品の製造から事業を始め、事業拡大のチャンスを迎えたので、自社ブランドの自動二輪車の部品の開発製造を行い、他社ブランドの受注生産にも携るようになり、タイ国内のみならず海外販売も行っています。                          

御社の事業内容及び主要製品について教えてください。

 弊社の主要製品は二つの分野に分けられます。一つ目は、自動車部品の受注製造を行い自動車業界に部品を供給しています。二つ目は自動二輪車のギアやチェーン、ブレーキパットなどを国内及びベトナム・インドネシア・カンボジア・パキスタンといった海外のアフターマーケットで販売しています。

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御社の強みを教えてください。

 製造工程における熟練した技能、正しい品質管理の技術があげられます。また、顧客に最大限に満足頂けるよう、受注量の多寡を問わず、デザインの研究開発などを通して、顧客の要望に沿った部品づくりを行っています。

事業を運営するにあたり、大事にしている点をお聞かせください。

 製造する部品の品質確保と納期厳守にコミットし、顧客満足度の向上に努めています。

技術者への研修はどのように行っていますか。(技術面でのアドバイス、勉強会や講習会)

 従業員が技術を応用し、業務の質を高めていけるよう、人材育成を重視しています。まず始めに各部署において基礎知識の講習会を行い、実務による研修・訓練(OJT)を行います。高い技術を身につけたい部署があれば、知識向上のため、外部の講習会に参加させることもあります。

事業運営における障害はありますか。

政府方針による原材料輸入関税の壁があります。タイ国内で製造する場合、完成品を輸入するより原価が高くなります。国内の製造業が促進されず、大きな影響を受けています。

海外支店はありますか。今後、海外展開の予定はありますか。

 現在、海外支店はありません。しかしながら、海外へ製品を輸出しているので、もし輸出先国で製造ができればコスト削減につながり、市場競争におけるビジネスチャンスも増えるので、機会があれば海外展開も視野に入れたいです。

日系企業とのビジネスに関心はありますか。もしあれば、どの事業でしょうか。

 弊社の顧客のうち70%はタイに進出している日系企業ですが、機会があれば日系企業とのJoint venture(合弁)に興味があります。技術やノウハウを交換できますし、製品の飛躍的進化のため協力できます。明確にどの事業と考えているわけではありませんが、現在、タイ政府が新たなターゲット産業(New S-Curve)として注力している事業に関心があります。

タイ政府が奨励している新たなターゲット産業(New S-Curve)は、下記の産業を指しています。

(1) ロボット産業(Robotics Industry)
(2) 航空及び物流業(Aviation and Logistics Industry)
(3) バイオ燃料及びバイオケミカル産業(Biofuel and Biochemical Industry)
(4) デジタル産業(Digital Industry)

(5) 医療ヘルスケア産業(Comprehensive Healthcare Industry)

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日系企業や外国企業とビジネスをしたことはありますか。もしあれば難しかった点、そして一緒に事業を行うメリットを教えてください。

 日系企業とビジネスを行うメリットはたくさんあります。例えば、コスト削減のための業務パターン、考え方、向上・改善方法から学び、企業を成長させることができます。

日本の製品や技術に関心はありますか。

 関心はあります。現状、大部分の顧客は日系企業なので、日本製の機械や最先端の技術を使用するなら、彼らも弊社の製造品質をさらに信頼します。

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タイのビジネスや製造業の現状についてご意見をお聞かせください。

 タイの製造業は国内の企業間に加え、海外企業との激しい競争にさらされています。現代多くの企業はグローバルソーシングの方法をとっているため、製造におけるコスト競争は非常に激しくなっています。その他にも、最低賃金の引き上げ、輸入関税といった問題があります。とはいえ、タイ企業は製造工程における熟練した技術、緻密な部品を製造する能力、品質レベルの管理において優位性があります。

新型コロナの流行で受けた影響とその対処方法、またアフターコロナの製造業の方向性やビジネスチャンスについてご意見をお聞かせください。

 ほとんどの企業や製造業が新型コロナの影響を受けました。新型コロナの流行が拡大し始めた頃、弊社は一つの産業に的を絞った部品製造を行っていたので、売上が80 ~90%減少しました。この出来事により、弊社は、一つの産業に依存するのではなく、他グループの顧客開拓のための手段を講じるようになりました。

日本企業とタイ企業が参加するビジネスマッチング、ビジネス交流会、展示会などに関心がありますか。

 日本と同じく、タイも高齢化社会を迎えます。従って、医療機器産業やシルバー産業にビジネスチャンスがあると考えています。日本企業とタイ企業がこの分野の技術や機器の発展において協力しあえれば、ビジネスの良い機会になると思います。

最後に、タイ製造業界に関心がある日本の製造業、またタイ国内の日系企業に対してPRをお願い致します。

 弊社は顧客、サプライヤー、ビジネスパートナーを大切にします。コスト競争力を高め、品質管理を実践し、顧客に最大限に満足していただけるよう、これからも、製造技術をたゆまなく発展させ、さらなる効率化を目指し改善を続けていきます。

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県内企業の皆様への現地情報のご提供について

 タイ王国の最新の現地情報については、以下にお問合せください。

鳥取県東南アジアビューロー 担当:辻 三朗 (TSUJI SABURO)

TEL/FAX:+66-(0)2-260-1057+66-2-260-1057
E-mail:tottori@aapth.com

鳥取県商工労働部通商物流課 担当:田賀

TEL:0857-26-7661
FAX:0857-26-8117
E-mail:tsushou-butsuryu@pref.tottori.lg.jp

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アジア・アライアンス・パートナー・ジャパン株式会社

 タイを中心に、ベトナム・インドネシア・インド・メキシコにて主に日系中堅・中小企業様の海外進出や進出後の会計税務法務を中心とした運営支援業務を行っております。

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