昭和56年(1981)5月31日、八頭町日下で採集
歌詞
ねんねんころりよ おころりよ
坊やはよい子だ ねんねしな
ねんねん子守りに 何もろた
でんでん太鼓に笙の笛
鳴るか鳴らぬか 吹いてみよ
ねんねんころりよ おころりよ
(伝承者:明治35年生)
解説
子守歌も労作歌の一種と考えられるのでいくつか紹介してみた。そのうちの一つなのであるが、まったくオーソドックスな内容である。
赤ん坊を大切にしながら語りかけるような内容である。したがってあまり述べるものはない。スペースに余裕があるので、少し変わった子守歌を紹介しておこう。
ねんねこやー あ ねんねこやー
ねんねのお守りは どこへ行た
山越え谷越え 里に行た
お里の土産に何もろた
デンデの太鼓に笙の笛
鳴るか鳴らぬか 吹いてみよ
張り子の虎や熊のじに
それほどもらって 何にする
何を駿河の富士の山
富士はよい山 高い山
山ほどみごとに育つよに
あ ねんねんこしょ
あ ねんねこしょ ねんねこせー
寝た子の顔見りゃ 可愛てならぬ
起きて泣く子は 面にくや
あ ほんちょの玉子だ
ねんねしょ ねんねしょ
あ ねんねこせー(伝承者:大正2年生)
この方は後半部分がいろいろ変化に富んでいる。詞章で「張り子の虎」は分かるが、「熊のじ」となるとはっきりしない。また「ほんちょの玉子」も同様である。あるいは「玉子のようにかわいい子だ」というような意味なのかも知れないが。