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平成8年(1996)、湯梨浜町上浅津で採集

 

歌詞

 今日は日もよし お次もよいし

 結び合わせて縁となる

 

 よけりゃ行きます 親様さらば

   長のお世話になりました

 

 蝶や花よで育てた娘

   今日は他人の手に渡す

 

 花のうわげを 親様さらば

   倉に立つならこなた発つ

 

 こなたお発ちだ お名残惜しや

   今度来るときゃ孫連れて(伝承者:明治39年生)

解説

 婚礼の際に歌われる歌であるが、詞章がはっきり聞き取れないところがあることを了承いただきたい。

  第二次世界大戦前までは、恋愛結婚はあまり聞かれず、たいていは仲人の口利きで結婚を決めたということが多かった。いわゆる家柄とか、経済力を比較しながら、釣り合いの取れた家同士を結び合わせる形で、話が決まったり、経済援助を当てにして結婚を承諾する風潮も蔭では見られたようである。「仲人の十八」と言われる言葉もあり、仲人は口八丁手八丁で、知らぬ相手を手玉にとって、嘘八百をまことしやかに並べ立てて、納得させて縁を結ぶこともしばしばあった。したがって、結婚式までは相手がどのような容貌をしているのかさえ知らず、式場に入って初めて相手の顔を見て知ったという話も、ときどき聞かされたことがあった。そうして考えたとき、長持ち歌の持つ効能がよく理解されるように思われる。

 美辞麗句を飾りたて、相手を讃えあげた長持ち歌によって結婚式場へ誘われる花嫁にとって、この長持ち歌は、束の間の幸せを感じさせてくれたのではなかろうか。今の時代では、お互い交際を重ねて、納得して結婚するのであるから、長持ち歌も不用になったのであろう。


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