昭和63年(1988)8月21日、三朝町大谷で採集
歌詞
めでためでたの若松様よ
枝も栄えるヨー
葉も茂る オモシロヤ
(伝承者:明治40年生)
解説
7・7・7・5の近世民謡調の歌である。伝承者の話では、「味噌搗き歌」でも「地搗き歌」でも同じであるとのことだった。これまで味噌搗き歌として収録したものはなかったので、ここでは味噌搗き歌として紹介する。
ちなみに『鳥取県の民謡』(鳥取県教育委員会1988年)の中部地区の労作歌の項を見ても、地搗き歌はあっても味噌搗き歌としては、どこにもでていないので、せっかくならば両者いずれにもうたうと伝承者の言葉を援用して、地搗き歌を紹介しておく。北栄町亀谷の伝承者2名(明治39年生と昭和11年生)から収録されたものである(132ページ)。
なお囃し詞と思われる「おめでとや」を続けて平仮名で記されているので、これまで筆者が表記してきたように一字空けて片仮名書きにしておいた。また歌と歌の間も一行空けておいた。
〽大事な 鬼門の柱
コリャ 鬼門の柱
ご無事災難 ないように
オメデトヤ
〽鶴が御門に 巣をかきょなれば
コリャ 巣をかきょなれば
亀はお庭で 舞いをする
オメデトヤ
〽鶴が舞います この家の屋根に
コリャ この家の屋根に
この家繁盛とよ 舞い上がる
オメデトヤ
いずれの詞章も縁起を担いだものになっている理由は前に述べたとおりである。