家畜伝染病を疑う疾病の病名をいち早く決定し、迅速かつ的確な防疫対応を行っています。
ウイルス、細菌、病理及び生化学等による病性鑑定を行っています。
また、死亡牛の牛海綿状脳症(BSE)検査も行っています。
以下に、各担当業務を簡単に紹介します。
BSE
牛海綿状脳症対策特別措置法に基づき、96ヶ月齢以上の死亡牛全頭についてエライザ法によるBSE検査を行っています。
ウイルス
ウイルスの分離・同定、血清中の抗体価検査、PCR法を用いた遺伝子検査などの精密検査により、ウイルスが原因の家畜伝染病の診断をします。
また、高病原性鳥インフルエンザのモニタリング、牛の異常産や豚の下痢に関連があるウイルスの動向調査など、伝染病の発生を事前に防止するための検査も行なっています。
細菌
ヨーネ病やサルモネラなどの細菌感染を疑う疾病で、各家畜保健衛生所が行った検査に加え、さらに詳しい検査を必要とする事例について、細菌の培養、菌種の同定(生化学性状、遺伝子検査、血清型別など)、抗体検査等を実施し、原因の特定を行います。
また、家畜由来細菌の薬剤耐性状況など、細菌に関わる検査を実施しています。
生化学
主に血液を材料とした精密検査を行い、家畜の伝染病以外の病気を診断します。 また、薬事法に基づき、動物用医薬品の品質確認のための検査を毎年実施しています。
次のような病気について検査(診断)が可能です。
代謝性疾患
ケトーシスなど
ビタミン欠乏症
ビタミンA・E及びβカロチン
微量元素欠乏症
銅・セレン
中毒
有毒植物・金属・農薬などの一部
病理
家畜の死体を解剖し、内臓の状態を観察することで、臨床症状や血液検査等でははっきりしなかった、病気の原因がわかることがあります。
さらに、臓器の組織標本を作製し、顕微鏡で観察することにより、肉眼ではわからなかった組織の病変が確認できたり、肉眼で異常だった部位が実際にどのようになっているのか(炎症・壊死、時には病原体の存在)を確認することが出来ます。これを病理組織所見といいますが、この所見と、その他の検査結果(臨床検査・細菌・ウイルス・生化学など)を総合し、病気の診断をします。