鳥類のインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれる、ヒトのインフルエンザウイルスとは別のA型インフルエンザウイルスの感染症です。(出典元:感染症情報センター)
鳥インフルエンザのうち感染した鳥が死亡したり、全身症状を発症したりと、特に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。 1878年にイタリアで初めて確認され、鶏、七面鳥、うずら等が感染すると、全身症状をおこし、神経症状(首曲がり、元気消失等)、呼吸器症状、消化器症状(下痢、食欲減退等)等が現れ、鳥類が大量に死亡することもまれではありません。
発生頻度はそれほど高くありませんが、動物保健と畜産の分野で国際的に大きな影響を与えることから、OIE(国際獣疫事務所)においてA表に分類され、加盟各国には報告義務と問い合わせへの対応が課せられています。
一方、時に毛並みが乱れたり、産卵数が減ったりするような軽い症状にとどまる感染を引き起こすものは、「低病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。低病原性のものは、例年のように集団発生が報告されていますが、高病原性の様な被害は報告されていません。しかし、1983年にペンシルバニア州(米国)で発生したH5N2型トリ・インフルエンザウイルスは、はじめは低病原性であったものが、鶏間に伝播している間に高病原性に変異したという事例もあります。 最近になり、まれにですが、ヒトもトリ・インフルエンザウイルスに感染することが報告されました。(出典元:感染症情報センター)