毎年県内で感染性胃腸炎の集団発生が起きています。ご家族、施設等においての発生、まん延予防に努めていただくようお願いします。
ノロウイルスの潜伏期(感染してから発症までの時間)は24~48時間で、主症状は下痢、吐き気、おう吐、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、1~2日で回復しますが、高齢者など身体の弱い人は重症化する場合があり注意が必要です。
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。したがって、ノロウイルス感染症対策は感染の予防が重要となります。
ノロウイルスが人に感染する経路は、大きく分けて次の3つが知られています。
1 汚染された食品を食べる(食中毒)
従来、原因食品として生ガキ等の二枚貝が言われてきましたが、近年では生ガキによる食中毒の割合は減少しています。ノロウイルスによる食中毒の原因は、何らかの原因により汚染された食品を食べる場合が増加しています。食品を直接取り扱う人は、扱う食品が汚染されないように注意することが必要です。
2 人から人への直接又は間接的な接触感染
汚染された手でドアノブなどを触った場合これが汚染され、この後に触ると接触した手が汚染されます。このため、排便後などの手洗いが感染防止に重要です。石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
3 ノロウイルスを含むおう吐物などが乾燥して舞い上がり、これを吸引する
最近、東京都内のホテルで感染性胃腸炎が集団発生した疑いが強いことが分かりました。これは、ホテル内でお客がじゅうたんにおう吐し、拭き取ったあとに残った微量のおう吐物が、空気中に拡散してこれにより感染したと考えられています。おう吐があった場合は、その場所を消毒しないと感染の原因となる可能性があります。
感染防止には上記の対策を徹底することが大事です。もう一度、各自で上記の対策ができているか振り返っていただき、感染の防止に努めましょう。