防災・危機管理情報


1 監察のテーマ・趣旨

 学校においては、学校もしくはPTA等の団体において徴収しているものや学校が物品等を指定してあっせんしているものなど、他の行政機関には見られない児童生徒の個人負担の経費(県費外会計等)が存在している。
 これらは県費ではないものの、県立学校又はその教職員が事務処理するものである以上、県費に準じた適切な処理がなされなければならないものであり、その処理について児童生徒・保護者への説明責任が果たされなければならない。
 この事務処理の適正化に資するべきものとして、平成18年11月に県費外会計等取扱ガイドライン(マニュアル)(以下、「ガイドライン」という。)が示され、多くの県立学校において、今年度からガイドラインによる事務処理が本格的に導入されたところである。
 そこで、ガイドラインの一層の浸透及び他校での取組状況のフィードバック等によって、さらなる業務改善につなげていくことを目的として、県費外会計等の取扱状況を今年度の教育行政監察のテーマと定めた。

2 監察実施概要

(1)監察対象機関

  全県立学校31校(高等学校24校、特別支援学校7校)を対象とした。

 

(2)監察方法

 生徒・保護者への説明責任の観点から、事務処理の透明性の確保、保護者負担の軽減などの取組みに重点を置いて、県費外会計等の現状についての以下の調査を行った。

  1. 調査票による調査
    平成19年7月31日現在の状況について、指定様式による回答を求めた。

  2. 実地調査
    平成19年10月1日から平成20年1月23日にかけて各学校を訪問し、事務長その他県費外会計等に関係する教職員からの聞取り調査等を行った。
    >>>資料1「実地調査実施日程一覧」<PDF>参照

3 監察結果

(1)県費外会計等の取扱いの現状

  1. 各学校における県費外会計等取扱要綱の制定状況
    ガイドラインにおいては、県費外会計等の会計処理等における基準となるべき県費外会計等取扱要綱のひな形を示し、各学校は、これにそれぞれの実情に応じた加筆・修正を加えた、各学校における県費外会計等取扱要綱を定めることとしている。
    平成19年10月1日現在における、当該要綱の制定状況は以下の表のとおりである。
    (単位:校)

     

    高等学校

    特別支援学校

    合計

    制定済み(うち
    平成19年4月
    1日以前に施
    行)

    22
    (18)


    (7)

    29
    (25)

    未制定

    合計

    24

    31

  2. 県費外会計の取扱状況
    各学校の取り扱っている県費外会計として各学校から回答を得たもののうち主なものは以下の表のとおりであったが、これらは必ずしも全校共通のものではなく、高等学校・特別支援学校の別、その他各学校の実情に応じてその取り扱う県費外会計の種類、数等にはかなりの差異がある。

    PTA会計 PTA活動に係る経費を取り扱う会計
    生徒会会計 生徒会活動に係る経費を取り扱う会計
    クラブ活動後援会会計 クラブ活動への助成等に係る経費を取り扱う会計
    学年費会計・学級費会計 教材費、行事に係る費用等、各学年・学級において共通的な経費を取り扱う会計
    模擬試験会計 勤務時間外に行う校外模擬試験等に係る受験料、税金等の経費を取り扱う会計
    研修旅行等の積立金会計 研修旅行、卒業アルバム等の経費を支出するための積立金を取り扱う会計
    教材費会計 児童生徒が使用する教材に係る経費を取り扱う会計
    給食費会計 特別支援学校における給食の食材費に係る経費を取り扱う会計

    ※ 各学校によって名称が異なる場合がある。

     また、各学校ごとの今年度の県費外会計の収入見込額の合計は、1,995千円~161,165千円(平成19年7月31日時点における各学校による推計額)と大きな開きがあるが、これは上記のとおり各学校の実情に応じた徴収が行われていることに加え、各学校における県費外会計の捉え方自体にも差があることによるものであると思われる。また、ある会計からの支出が他の会計の収入に当てられるようなものなど、実質的には同一の収入が複数会計に計上されているものなどもあり、上記収入見込額は実際の徴収金額とは異なるものである。
     なお、傾向としては、高等学校は数千万円台、特別支援学校は数百万円台の収入見込額であった。
  3. 物品指定の状況
     学校においては、学校が銘柄、規格、販売店等を指定し、生徒・保護者が販売店から直接購入する指定物品がある。
     このような物品として各学校が指定しているものとしては、制服、体操服等の体育用品、実習服その他実習等に伴うものが、主なものである。
     これらのほとんどは、保護者負担の軽減等の観点から、競争入札等によって決定されるべきものであり、今年度競争入札を行ったものも多数存在する。しかし、制服のようにある程度の期間継続して指定することを前提に採用されているものも多く、これらについては、引き続き従前の扱いを継続しているものが多数みられる。
      なお、これら物品の指定方法は千差万別であるが、主な形態として、物品の仕様等のみ指定しており契約等を伴わないもの、販売店と販売価格等について契約しているもの、製造業者と販売価格、販売方法等について契約しているものなどがある。
  4. 県費外会計等検討委員会の設置状況等
     ガイドラインにおいては、修学旅行、卒業アルバム、制服、運動着等に係る業者選定、契約等を検討するための、保護者の代表を構成員に含む機関として、県費外会計等検討委員会(以下、「委員会」という。)を設置することとしている。
     各学校における委員会設置要項の制定状況は、県費外会計等取扱要綱の制定状況と同様であった。
      委員となる保護者代表については、多くがPTA会長を充てているが、PTA副会長や監査役員を加えているもの、事案により関係保護者を加えることとしているものなどがみられた。
      平成19年10月1日現在における各学校の委員会開催状況は以下の表のとおりである。
    (単位:校)

     

    高等学校

    特別支援学校

    合計

    開催あり

    11

     17

    未開催(具体的
    開催予定あり)

     8

    未開催(具体的
    開催予定なし)

    合計

    24

    31

    ※ 未開催(具体的な開催予定なし)には、委員会未設置の2校を含む。

  5. 契約基準の設定状況
     ガイドラインにおいては、公正でかつ適正、効率的な契約を確保するため、競争入札等を実施すべき契約基準を、各学校において、委員会の議決を経た上で定めることとしている。
     平成19年10月1日現在における、この契約基準の設定状況は以下の表のとおりである。
    特に特別支援学校において基準を設定していない学校が多いが、これは、特別支援学校においては、県費外会計等の取扱規模が小さく、各学校において競争入札によるべきものが想定されないとされているためである。
     また、予定価格160万円以上との基準を定める学校の割合が高くなっているが、これは県会計規則を参考にしたものである。
    (単位:校)

    競争入札を要する額の基準

    高等学

    特別支援

    学校

    合計

    予定価格

    予定単価

    20万円以上

     1万円以上

    50万円以上

    10万円以上

    100万円以上

    0.5万円以上

    2万円以上

    未設定

    160万円以上

    0.5万円以上

    1万円以上

    未設定

    未設定

    12

    18

    合計

    24

    31

    ※ 県費外会計等取扱要綱未設定の2校を含む。

     なお、競争入札を行わない場合であっても、金額に応じて、複数による見積合せ等を行うべきであるが、その額の基準等を定めている例もみられた。

 

(2)県費外会計等取扱ガイドライン制定の効果

 県費外会計等の取扱いについては、PTA会計等個別に定めをおいている一部のものを除き、従来は明文による基準がない状態であったが、前述のように平成18年11月にガイドラインが定められた。
 当該ガイドラインの制定により、県費外会計の取扱いの適正化に一定の効果が現れているが、そのうち特に効果が見られた点は、以下のとおりである。

  1. 意識改革
     聞取り調査の際、多くの学校において、ガイドライン制定の効果として、教職員、特に教員の意識の高まりを指摘する声が聞かれた。
     県費外会計等の担当者には、事務職員のみならず、教員が充てられている場合も多いところ、日頃接する事務内容の差異から、事務職員と教員の間に会計事務に対する意識についての格差があるという場合も多かったものと思われるが、この問題の改善に、ガイドラインが一定の効果を上げているものといえる。
     この意識の問題は、県費外会計等の取扱いの適正化の基盤となるべきものでもあり、これは重要な効果といえる。
  2. 保護者負担軽減等
     ガイドライン制定後の取組みにより、卒業アルバム、制服等の価格を下げることができ、保護者負担の軽減が図られた事例も多くみられた。
     修学旅行等、従来から企画コンペ方式等が行われることが一般的であったものもあるが、ガイドラインの制定を契機に、それ以外のものについても広く見直しを行い、新たに競争入札を行うなどの取組みがなされた事例も多く、これが保護者負担軽減に繋がったものである。
     このような保護者負担の軽減もガイドライン制定の効果といえる。
     また、競争入札等を行ったものの保護者負担軽減には必ずしも結びつかない場合もあるが、このような手続を経ること自体が、透明性の向上や説明責任の観点から重要であり、これもガイドライン制定の効果の一つであるといえる。

(3)課題

 上記のように、ガイドライン制定により一定の効果はあがっているが、従来の取扱いの不十分さに起因するもの、制度への取組み開始から日が浅いことによる各学校の制度自体の熟成不足に起因するもの等の課題がある。
 その主なものは、以下のとおりである。

  1. 実態把握
     前述のとおり、取り扱われている県費外会計等の種類、取扱いの状況は、各学校によって多種多様であるが、その種類及び状況についての実態が十分に把握できていない学校が複数みられた。この傾向は、部活動等、事務室がこれまで関与していなかったものについて顕著であった。
     このような情報が把握できていない場合、現在の取扱いについての監督が不十分になることはもちろん、今後の取扱方針の決定や実情に応じた要綱の見直し等を行う際に十分な検討ができないことが危惧される。
     また、物品の販売方法等、かなり以前からの方法が継続して行われているものについて、なぜそのような方法に決定されたのか等の経緯が不明であるという事例も複数みられた。
     このような情報も把握できていないと、今後、取扱方法の見直し等を行う際に支障となることが考えられる。
  2. 教員への浸透
     教員の意識改革については、ガイドライン制定の効果としてあげたところであるが、一方で、県費外会計等の取扱いについて、教員に十分浸透できていないとの声も多く聞かれた。
     この点については、校長が問題意識を持ち(4)1.で述べるような取組みを行っている学校がある一方で、教員への周知があまり図られていない学校があるなど、各校の取組みに温度差も感じられた。
  3. 教員の負担増
     多くの学校において、従来行っていなかった会計についても、支出等に係る伺書を作成し、これによる意思決定を行うこととするなどして、県費外会計等の取扱いについて透明性を高めている。一方で、このことが事務量の増加を招くこととなっており、特に教員の負担増を問題視する声も多く聞かれたところである。
     ガイドラインにおいても指摘されているとおり、学校現場の負担軽減については、県費外会計等との関係に限らず取り組むべき重要な課題の一つでもあり、両者のバランスをいかに図るかということも課題である。

(4)参考になる取組み

 各学校で行われているそれぞれの実情に応じた取組みは多種多様であるが、その中には、他校においても参考となると思われるものも多く見られた。
 主な事例は次のとおりである。

  1. 教頭が積極的に関与することで教員への徹底が図られている例
     県費外会計等の取扱いについては、すべての学校において事務長が総括的役割を担っているところであるが、これに加え、教頭が積極的に関与している学校もみられた。
      このような学校においては、教頭から教員に対し、県費外会計等の取扱いについて徹底が図られており、教員の意識改革の効果が顕著であった。
  2. 要綱・様式等の電子ファイルを共有している例
     要綱や伺書の様式等、県費外会計等の取扱いに係る電子ファイルを各教職員がアクセスできる共有フォルダ等に保存して利用している学校も多く見られる。
      これに加えて、そのことを繰り返し周知することなどにより意識改革につなげている例も見られた。
  3. 専決や例外等の規定を設けることにより管理にメリハリをつけている例
     ガイドラインは、収入等の処理についての決裁権限について特に触れていないが、独自に教頭その他一定の者が専決できる場合等の基準を定めた規定を置いている学校もみられた。
     また、収入等の処理についての伺書の作成について、少額の場合等一定の例外を設けている例等もあった。
     これら伺書による処理は複数者による相互チェックにより、県費外会計の処理の透明性を高めることを趣旨とするものであることから、その簡素化には慎重でなければならないが、簡素化できる十分な理由がある場合や、透明性を確保する代替手段が採られている場合等、その趣旨を逸脱しない範囲において行うものである限り、担当者及び決裁者の負担軽減の参考となる取組みであるといえる。
  4. 金融機関での入出金を取りまとめて行っている例
     ガイドラインにおいて示された県費外会計等取扱要綱のひな形においては、収入金は金融機関に預貯金しなければならないこととされている。しかし、近年においては、各金融機関の職員が毎日学校を訪問するということはなくなったため、入出金の際には金融機関まで出向くことが必要であり、このことも各担当者の負担を増加させている。特に、担当者が教員である場合には、授業時間と金融機関の営業時間との兼ね合いもありその傾向は顕著である。
     このような担当者の負担をなくすため、毎日金融機関に行く者を決めて、その者が各会計の入出金を取りまとめて行うこととしている例もあった。
  5. 現金の管理のために専用の金庫の導入等をしている例
     上記のような収入金の預貯金による管理の煩雑さ等から、収入金の管理を現金で行っている例も複数みられた。そのような場合、現金管理に起因する問題の発生をいかに防止するかが重要である。
     この対策のため、各会計毎の扉を備えた金庫を校長室に設置することによって普段の管理を行い、加えて、学期毎に現金と出納簿の確認を徹底するなどしている例もあった。
  6. 卒業アルバムの契約方法について工夫を行っている例
     卒業アルバムについては、3学年時のみの写真で構成される方式と1学年時からの3年間分の写真で構成される方式があるが、後者の方式においては、業者が1学年時からの写真を撮りためていることなどから、業者選定における競争原理の導入が困難となっている場合がある。
     この問題に対処するため、1学年時及び2学年時の写真は学校で撮影していたものを提供することに改め、これにより業者変更を容易にして、業者選定における競争原理の導入を図った例もあった。
  7. 作業服の指定方法について見直しを行った例
     実習の際に使用する作業服については、実業高校向けの作業服等を販売する全国規模の団体があり、多くの実業高校がその団体の作業服を採用しているということである。
     本事例の学校においては、従来はその団体に直接申し込みを行っていたところであるが、これを見直し、競争原理を導入したところ、同一の商品であっても価格が下がり、かつ、従来は教職員が全生徒分を取りまとめて行っていた申込みも、地元の販売店での直接購入となったことで不要となり、事務量の削減が達成されている。
     これは、従来から当然のことのように継続してきたことについても疑問を持ち、見直しを行うことによって効果が得られた良い例であるといえる。

(5)注意すべき事例

 県費外会計等の取扱いについては、現在、各学校における改革が進んでいるところであるが、本格的な取組みが始められたのが今年度からということもあり、従前からの取扱いを継続している部分も多く残っている。
 それらの中には、今後の取扱いに注意を要すると思われるものも含まれている。
 その主なものは以下のとおりである。
    

  1. 制服販売等に係る契約方法
     各学校における物品の指定については、仕様のみ定めて業者との契約等を伴わないものもあるが、業者との契約を伴うものも多い。
     このような契約の方法については、(1)3.で述べたように、販売店を相手方とするもの、製造業者を相手方とするもの等、様々な類型が考えられるが、契約方法の決定に際しては、その契約の相手方の実態を把握した上で、相手方選定の妥当性、契約方法の適法性等を十分検討する必要がある。
      しかしながら、制服等の指定に係る契約等において、その契約の相手方、あるいは、その協議過程における相手方等について、その実態把握が不十分であるなど、今後、慎重に検討することが必要と思われる事例が見受けられた。
  2. 指定店のあり方
     物品の指定においては、物品の銘柄等だけでなく、販売店を指定して、「指定店」としている例が多くある。
     このような指定については、多くは、その指定に合理的な理由があり、競争入札等を行って定められたものであるが、特に制服販売において、そのような指定店を定めることの合理的な理由が不明確なまま、複数の指定店において単一価格で販売することとしていたり、単に取扱いがあるにすぎない販売店の一覧を「指定店」として入学案内に掲載している等の例が見られた。
     前者の例は、指定店のあり方について、その妥当性を検証し、説明責任が果たせるようにする必要がある。
     後者の例では、定められた仕様の制服でさえあればどこで購入しても問題ないにもかかわらず、一覧に掲載された販売店以外では購入してはならないとの誤解を与えるものであり、「取扱店」の記載に改める等、誤解を招かない対応が望まれる。

4 提言

 調査の結果把握できた現状を踏まえ、以下の提言を行う。

(1)県費外会計等取扱要綱を制定していない学校においては、直
ちに制定すべきである。
 また、各学校においては、その実情に合わせ、当該要綱の見直し
を積極的に行っていくべきである。


 各学校における県費外会計等取扱要綱は、それぞれの学校において、担当者が県費外会計等の処理を行う際の拠り所となるものであって、その適正な処理のためには必要不可欠である。
 さらに、ガイドライン制定に係る教育長通知(平成18年11月13日付第200600114823号)においては、遅くとも平成19年度の予算執行からガイドラインに則した執行を行うこととされている。
 したがって、当該要綱を制定していない学校においては、直ちに制定すべきである。
      
 また、現在定められている各学校における県費外会計等取扱要綱は、ガイドラインに示されたひな形と同一のものも多く、各学校の実情が反映されていないことなどから、その適用に当たって支障が生じているものもある。
 さらに、実情に合わせて工夫がなされている場合であっても、見直しにより、より適正かつ効率的な処理をなし得る場合もあるものと思われる。
 そこで、県費外会計等の取扱いの適正化に向けた取組みが継続的なものとなるよう、定期的な見直しを積極的に行っていくべきである。

(2)各学校においては、県費外会計等の取扱いについて、十分な
実態把握を行うべきである。


 3(3)1.において課題として述べたとおり、実態の把握が不十分と思われる例もあるが、取扱状況の監督及び上記要綱の制定・見直しの際などには、実態の把握は必要不可欠である。
 そこで、実態把握が不十分な学校においては、その実態把握に努めるべきである。
 なお、その際には、従来事務室が関与していなかったもの及び担当者が一人で処理していたものについて、特に注意を払うべきである。

(3)県費外会計等の取扱いについての教職員の意識向上につい
て、学校を挙げて取り組むべきである。


 県費外会計等の適正な処理のためには、各担当者の高い意識が不可欠であるところ、3(3)2.において課題として述べたとおり、その浸透には不十分な面も見られる。
 そこで、各学校においては、職員会議での啓発や担当者の研修等の意識向上に向けた取組みを継続するなど、学校を挙げて取り組んでいくべきである。

(4)県費外会計等の取扱いについては、メリハリをつけた管理を
行うべきである。


 3(3)3.において課題として述べたとおり、県費外会計等の取扱いに係る事務による負担の増大も問題となっている。
 このような問題に対処する方法の一つとして、参考になる取組みの項で述べた、専決や例外等の扱いなどを参考に、メリハリをつけた管理を行っていくべきである。
 ただし、事務の簡素化を行う際には、説明責任及び透明性の観点から、適切な線引きを行うべきであり、安易な簡素化は問題である。
 また、このような簡素化をどこまで行うべきかについては、特に保護者の理解が不可欠であり、保護者代表を含む機関である委員会での十分な議論などにより保護者の理解を得た上で行う必要がある。

(5)各学校は、物品の指定のあり方について、再点検・見直しを
行うべきである。


 制服等の契約や指定店に係る問題については、3(5)において、注意すべき事例として述べたところである。
 各学校においては、このような事例に該当するようなものがないか、指定物品全般について再点検を行うとともに、併せて、他にも説明責任や保護者負担軽減の観点から見直すべきものがないか(その銘柄、価格、販売店であることに合理的な理由があるか、真に指定が必要か等)の点検も行うべきである。
 なお、このうち契約方法に係る問題については、所管課において統一的な基準を示すことも一つの方法と思われる。
  

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