松くい虫被害の予防・駆除方法

 松くい虫被害の防除は、主にマツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリを駆除することによって行います。大きくは、「予防」と「駆除」に分けられます。
 「予防」とは、健全な松に前もって殺虫剤を散布しておき、後食事にマツノマダラカミキリを摂食死させる方法や、あらかじめ殺虫剤を体内に注入しておき、体内に潜入したマツノザイセンチュウを殺虫したり、その増殖を抑制する方法で、松くい虫被害に感染・枯死することからあらかじめ松を守る方法です。
 「駆除」とは、枯れた松の体内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を殺虫して、感染源であるマツノマダラカミキリの密度を下げることで、次年度の被害発生量を減らす方法です。
  

予防事業

 予防事業には、特別防除、地上散布及び樹幹注入の3つがあります。  

1)特別防除(農薬空中散布)

農薬の空中散布の様子 守らなければならない松林に対してヘリコプターを利用して農薬を空中から散布する方法です。 (マツノマダラカミキリが後食する前に、健全な松に殺虫剤を散布する必要があるので、6月の適期に行わないと十分な効果が得られません。)

2)地上散布

地上散布のイメージ 地上から動力噴霧機等を利用して殺虫剤を散布する方法です(散布は、特別防除同様適期に行わないと十分な効果が得られません。)

3)樹幹注入

樹幹注入作業の様子 松1本ずつにマツノザイセンチュウの増殖を抑制するための殺虫剤を注入する方法です。 (松全体に薬剤が行き渡るのに、注入後3ヶ月程度を要するので、マツノマダラカミキリが後食を行う6月の3ヶ月前まで(12月~3月)に注入しないと十分な効果は得られません。)

駆除事業

 9月末頃までに枯損した松くい虫被害木を次のような方法により駆除します。
 松の枯損はマツノザイセンチュウによって引き起こされるので、10月以降からでも枯れ始めることはあります。しかし、マツノマダラカミキリの産卵期間は、おおむね6月~9月であるため、10月以降に枯損した松にはマツノマダラカミキリが侵入している確率が低いためです。

1)伐倒駆除

薬剤散布駆除のイメージ

1.薬剤散布駆除

 被害木を伐り倒し、殺虫剤を散布して被害木の内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除します。(殺虫剤を体内に浸透させて駆除するものであり、マツノマダラカミキリの幼虫が樹皮下の浅い位置にいる時期(9月~10月頃)に行わないと十分な効果は得られません。)  

2.くん蒸駆除

 被害木を伐り倒し、2m程度に切断し、集積し、ビニールで密封してその中にくん蒸剤を入れ、被害木の体内にいるマツノマダラカミキリを駆除します。

2)特別伐倒駆除

特別伐倒駆除のイメージ

1.焼却駆除

 被害木を伐り倒し、焼却し、被害木の体内にいるマツノマダラカミキリを駆除します。  

2.破砕駆除

 被害木を伐り倒し、破砕(チップ化)し、被害木の体内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除するとともにパルプの原料として有効活用します。

3)緊急防除

伐採木等駆除のイメージ 人による駆除が困難な山間地の被害木に対してヘリコプターを利用してガンノズル(鉄砲型噴口)で被害木1本ずつに殺虫剤を吹き付け、体内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除する方法です。(薬剤を体内に浸透させて駆除するため、マツノマダラカミキリの幼虫が樹皮下にいる時期に行わないと十分な効果は得られません。) 。

4)伐採木等駆除

 木材市場、製材所その他の集積された松くい虫被害材(駆除未実施)に対し、薬剤散布又はくん蒸を行い、被害木に生息するマツノマダラカミキリを駆除する方法です。
生態と防除方法
  

最後に本ページの担当課    鳥取県農林水産部 森林・林業振興局 森林づくり推進課
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