鳥取県教育委員 笠見幸子
脳科学者、茂木健一郎さんの新春エッセーを読んだ。大切な人の笑顔が、前向きに生きる勇気とふくよかな希望を与えてくれると。
人間の脳は、自分を支えてくれる「安全基地」があってこそ新しいことに挑戦できる。家族との絆。友人との語らい。自分とつながる人々の笑顔こそが安全基地となる。
子供が次々と新しいことに挑戦する根拠のない自信を持っているのも、お母さん、お父さん、保護者の笑顔という安全基地があるからこそであると。
私の幼少の頃を振り返っても全くその通りだと思う。戦後間もない厳しい社会を生きる真剣な姿の中に、父には子供と向き合う慈愛に満ちた笑顔があった。
今でも鮮明に焼き付いていて、その表情は、私の支えとなっている。
昨年、いじめ、自殺など悲しい事案があちこちで起こった。こんな悲しいことはもう沢山である。
新年にあたり、声を大にして叫びたい。
子供たちよ、希望をもって強く、たくましく生きよ!
父よ、母よ、周りの大人たちよ!
笑顔で子供たちの安全基地をつくって!と。