防災・危機管理情報


  

「筑波宇宙センター」を見学して(佐伯委員)

 教育委員 佐伯 啓子

 2月11日、筑波宇宙センターへ行って来ました。中央研修の仲間が毎年集まるのですが、今年度は「原点回帰の巻」との企画でつくばへ集合となり、宇宙センター見学が組まれました。大雪で心配しましたが、運よく飛行機が飛んで、初めての見学が実現したのです。休日でガイド付きの見学希望者がたくさん来ておられました。宇宙といっても私にとっては、日本人宇宙飛行士の方を数名報道で知っている程度、他はSF映画の空想の世界ぐらいで、ほとんど未知の世界です。実際に訪れた筑波宇宙センターが東京ドーム12個分の広さであることを聞きびっくり。ガイドさんの説明や展示されている物等を見て、驚きの連続でした。
 
 初めて知ったこと、驚いたことのいくつかを紹介します。
(私の理解力不足で間違った捉えがあるかもしれませんので、その点はご容赦を。)
 1.地上から約100キロ上空が宇宙との境目と考えられること。これは人工衛星が飛べる高さ。
 2.国際宇宙ステーションは、高さ400キロのところにあり、その中に「きぼう」日本実験棟もある。
 3.宇宙服の重さは120キロもある。
 4.宇宙ステーション補給機「こうのとり」がものすごく大きかったことと、それを実際に運ぶロケットエンジンのすごさ。(日本が開発したものとの説明書きに感動。)「こうのとり」は物資を補給したのちに、今度はステーション内の廃棄物を積み込んで大気圏に突入。その際、焼却されること。

 広大な敷地内をバスで移動して、「きぼう」運用管制室や宇宙飛行士養成エリアも見学しました。最新の3人の宇宙飛行士の方は、900人以上の希望者の中から10人に絞り込まれ、最後に閉鎖環境訓練(「きぼう」と同じ広さの中で、10日間生活する)を経て選ばれたそうです。宇宙飛行士になると、何か月も狭い空間で仕事を続けるのですから、精神力の強さが求められます(他者とのコミュニケーション力はもちろんのこと、自己コントロール力や協調性、ストレス耐性も同様です)。歴代11人の宇宙飛行士(毛利さん、若田さん、山崎さんなど)の方々の写真からは、強い信念や人間的な魅力が感じられました。
 60人の方が働いておられる運用管制室。中央にはアメリカのNASAで働いている人たちの様子が大きな画面に映し出されていました。運用管制室の方の常時の見守りの中で、実験・観察が続けられていることがわかりました。 
 地球規模での自然災害が各地で発生していますが、人工衛星によって災害による被害状況が短時間のうちにたいへん詳しい情報として得られることも説明の中にありました。
 小、中学生の子どもたちも家族と一緒に見学に訪れていて、ガイドさんの「この宇宙センターで働いてみたい人」という問いに、何人もの子どもたちが挙手していました。
 限られた時間の中での見学でしたが、地球上の人々のこれからの生活向上のために、世界各国が力を合わせて研究をすすめていること、その中で日本も大きく貢献していることがわかり、日本人の一人として誇らしく思いました。
 未来を生きる子どもたちは、世界へ、そして宇宙へと視野を広げ、物事を見たり考えたりすること、力を合わせて共に行動することがより大切になります。子どもたちには、夢を持ち、夢に向かって自分自身を磨く努力を惜しまない人間になってほしいと、見学を通して改めて感じました。

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