鳥取県教育委員会委員 坂本トヨ子
中学英語ができれば、日常会話やメール等の読み書きは、ほぼ足りるという書物から、私も町のALT(Assistant Language Teacher)さんから大人向けのEnglish Conversation Classで会話を教えて頂いております。
2020年の東京五輪を控えて外国人を意識する機会が増えたことと、中学英語でも出来るならと挑戦する気になったのです。
軽く挨拶、自己紹介、道案内や「先週は何をしましたか?」という質問に、自分の行動を思い出しながら英語で応えるなど、懇切丁寧にお世話になりながら一年経過して、これまで外国人には、伏し目がちに逃げていた自分が変わっていることに気付きました。
わが町のALTさんは、アメリカの大学時代に日本語を習得して、国の試験に合格して来日されてから3年目になります。
日本語が堪能で、私達の発話がつまると英語でも日本語でも両方で導いてくださり、オーバーに「誉めて伸ばす」教え方を実践される優秀な先生です。
20年程前に小・中学校に配属される当時のALTさんの授業を拝見した時にも、表情豊かで活気ある生徒の様子に、時代の大きな変化と明るい未来を想像したものでした。
その子供達が今、社会人として外国人と関わる場面で違和感無く応対が出来る様子には、長い年月の英語教育に寄って、コミュニケーション能力を養う成果の現われだと喜んでおります。
英語を学ぶときに、語彙も大切ですが、その習得自体を目的にするのではなく、将来、仕事をする上での自然な流れの中で自分のものにするのが、これからの主流になるのかと実感させられます。
そして、ネイティブスピーカーと身近で触れ合うことで、地域の老人は「構えてしまう」こと無く、伝統的なお祭りや二十四節気、歴史や食文化など、外国の先生の日本を知りたい気持ちから、逆に自国の良さに気付かされて、筆談とジェスチャーでも文化交流に発展する喜びを味わいます。
今後ALTさんの増員など様々な取り組みをされる市町村に、地域の生涯教育としても、国のJETプログラム(外国青年招致事業)を有効活用しながら、インバウンド向けに笑顔で「おもてなし」が出来る体制をお願い出来たらと思います。