鳥取県教育委員会のホームページ

会見録(平成31年2月5日)

(主な報告事項)

  • 1 平成31年度当初予算事業等について
  •   ・心とからだいきいきキャンペーン
  •   ・教育審議会費
  •   ・教育施設営繕費
  •   ・学校現場における働き方改革推進事業
  •   ・部活動指導員配置事業
  •   ・学力向上総合対策推進事業
  •   ・外国人児童生徒等への日本語指導等支援事業
  •   ・病気療養児の遠隔教育支援事業
  •   ・特別支援学校における学校運営協議会制度推進事業
  •   ・県立特別支援学校早期・医ケア子供教室
  •   ・キャリア教育充実事業
  •   ・鳥取発!高校生グローバルチャレンジ事業
  •   ・鳥取県立美術館整備推進事業
  •   ・文化財課の知事部局移管

(質疑事項)


1 平成31年度当初予算主要事業等について

●山本教育長
 平成31年度の当初予算につきまして案がまとまり、今日県庁の記者発表等も行われているところでございますが、2月12日から県議会が開催ということでございますが、この度は、知事・議会選挙があるということで、ご承知のとおり骨格予算ということでございますが、教育はほとんどの予算が教職員の人権費ということで、これは4月当初から措置しておかないと学校が回っていかないということで、実は全体ではたしか6%ぐらいの前年対比で減の予算だったと思いますが、教育予算は633億円で、ほとんど前年並、1300万円程増えているといった状況の中での当初予算ということになります。その中で主なものということで、お手元のほうにお配りをいたしておるところでございます。そうしたものについて、今日は説明をさせていただこうというふうに思いますが、昨年来、全国学力学習状況調査で、ここ数年少し伸び悩みの傾向があることに対して、どう手を打っていくか、全体の向上を図っていくかといったことでありますとか、あるいは、本当にめまぐるしく変わっていく世の中に対応する、あるいは生徒減を迎える今後の県立学校の在り方、また非常に医学が進歩する中で、医療的ケアの必要な児童生徒の方が増えている中での特別支援教育の在り方等々、しっかりと来年度議論をしていくような予算でありますとか、また教育環境の整備や、そしてまた今社会問題にもなっております教員の働き方改革に対する対応等々、本当に教育課題が山積しておりますが、そうしたことに一つずつ対応していこうということで、当初予算から、そうしたものに対しては向かっていくということで、この度の予算を決定いたしているところでございます。

 簡単に説明をさせていただきますが、1頁は、「心とからだいきいきキャンペーン」ということで、これまでも望ましい生活習慣、早寝早起きでありますとか、服装のことでありますとか、そうしたことについて県民運動を繰り広げていこうということで、絶えず取組んできておりましたが、少し言葉は悪いんですけども、マンネリ化してきているというところもあって、もう一回、基本的生活習慣辺りは、学力との相関関係があるということも全国的にも推奨されておりまして、そうしたことも含めてもう一度県民の皆様とともに、子どもたちの生活習慣でありますとか、今ふるさとを愛する心、そうしたことが大切であるということも言われてきております。そうしたものでありますとか、また自己肯定感を高揚させていくようなそうしたことも含めたキャンペーンを行っていこうというふうに思っております。そうした中で、これまであまり教育委員会としては手をつけてなかったんですけども、ホームページとかはやったんですけども、ソーシャルメディアなども駆使しながらこうした運動を広げていこうというふうに思っております。

 また2頁目は、先程も若干触れましたが、教育審議会の中で、新たに2つ目のところですが、県立高校の次のシリーズですね。今平成37年までは基本方針というものを決めておりまして、基本的には原則学級減で対応していこうということですが、今年度の中3が5200人ざっといますが、今の0歳児、15年後にはそれが1000人減って4200人になるということでございまして、これは1学校500人とすると、2校分に相当するぐらいの生徒減になるわけですけども、そうしたことについて、どう対応していこうかということをそろそろ議論を始める必要があるということでございまして、若干早目ではありますが、議論に取りかかろうと考えております。また、今年度から行っております夜間中学について、今年度の議論の中では、ニーズ調査等々やりながら進めてきましたけれども、少しまだそのニーズ辺りの把握が十分ではないといった委員の指摘もあって、もう少し時間をかけて検討しようということで、来年度も、これは来年度一杯ということにはならないと思います。中途でなんらかの方向性を出す必要があろうと思っておりますが、引き続き夜間中学についても研究を続けます。 また、特別支援教育につきましても、障がいの重度化、あるいは発達障がいの児童生徒が増えていくといったことも含めて、そうした通級指導の在り方等々について検討を行うことといたしておるところでございます。

 3頁の教育施設営繕費は、学校施設の老朽化対応あるいは維持等に務めていきます。加えて県議会での議論がありましたがトイレの様式化について計画的に整備を行っていくということにしておりますし、エアコンにつきましては鳥取県の県立学校は既に100%になるんですが、既に更新の時期を迎えている学校等もありまして、そうしたものにつきまして、必要を補い整備を行っていきたいというふうに思っているところでございます。

 4頁・5頁は、働き方改革の関連でございますが、4頁は今年度から始めておりますが、学校現場に教員の業務が、アシスタントを配置することで、どうしても教員がやらなければならないもの以外のところで仕事を切り出して、そうしたアシスタントにお願いをしていくことも、作業を通じて教員の皆さんの自分たちの仕事ですとか働き方を少し見直していただくような意識改革も含めた取組等をして、このアシスタントを配置しておりますが、そのアシスタントの配置を若干増やして23名にしていきたいと思っております。小・中学校につきましては、小学校13人、中学校6人ですので、これは市町村とこれから調整をしていく必要がありますが、各市町村に一人ずつぐらいアシスタントを配置することで、そうしたモデル校的な取組を含めて、この働き方改革における意識改革も含めた取組を進めていきたいというふうに思っております。
 
 5頁は、中学校・高校で時間外の大きな要素となっております部活動の指導員の配置を推進していこうということでございまして、かなり大幅に増員して取組を進めていこうというふうに思っております。かねて部活のガイドラインというのを年末に、これは運動部のほうについて出させていただきましたが、文化部活動のほうも後を追うようなかたちで議論をしておるところでございますが、明後日の教育委員会の中でも、この文化部活動のほうのガイドラインについて協議を行い、年度末にはモデル業務を示していきたいというふうに思っております。こうしたことに合わせて、部活動指導員というものを必要な学校に配置をすることで、教員の負担軽減を図るとともに、一方では指導の充実という面もあろうかと思います。経験の全くない中で、部活動の指導をしている教職員の方もいらっしゃいますので、そうした方についてはこの部活動指導員を配置することで指導の充実という面も合わせて図れるんではないかなあというふうに思っております。

 6頁は、学力向上の総合対策ということでございますが、今年度プロジェクトチームを立ち上げて外部アドバイザー等の意見を聞きながら、いろいろ議論をして、指導主事もあまりここを普段はあまりやってないんですけども、県の指導主事が直接学校に出向いていって授業を見させていただくというようなこともやりながら、その取組について検討してきたわけでございますが、やはり日々の授業をきちんと進めていただくということで、子どもたちが毎日の時間の中で、「できた」「わかった」そういう感覚をその授業が終ったときに持つということが大事であるということを改めて、これみな計画をしていこうということでございますので、先生方のモチベーションも上がっていくということもありますので、日々の授業をどうやって、より子どもたちが理解できるものにしていくかというところが一つの肝だということでございます。これは秋田などでそうした取組に力を入れることで、歴史もあるんですけど今の姿が出来ているというような指摘もありますので、大いに参考にさせていただきながら、取組を進めていくことといたしておりますし、合わせて、学校の授業プラスαで家庭学習といったあたり、これは福井県でかなり宿題ということで力を入れて取組んできておられたわけですが、そうしたところに一定の工夫というものが見られるということで、そうしたことも参考にしながら、この家庭学習の部分も深めていこうという取組を合わせて行うこととしております。引き続き県教委のほうの検討体制・指導体制も維持していこうということで、総合的に学力向上を図っていきたいというふうに思っております。今年度・来年度何かをやったからすぐすぐ回復することはないのかもしれませんが、全国学力学習状況調査の数値だけではなくて、いろんな鳥取県の子どもたちの意識だとか、そういうことも含めてのデータというのが集まってきますので、そうしたものを分析をすることで、トータルの学力をつけていく取組を粘り強く続けていきたいというふうに思っております。

 7頁につきましては、外国人の児童生徒への対応ということで、12月現在で、小中学校で45名県下に日本語の学習に支援が必要な児童生徒がいらっしゃるということでございます。ご承知のように入管難民法が改正になりまして、外国人の労働者がこれから増えていく中で、鳥取県内でも外国人児童生徒あるいは日本語指導が必要な児童生徒が増えてくることが想定として行っていく必要があるということで、今現在もそうした支援が必要な児童生徒がいらっしゃるということで、それぞれの市町村で今独自に対応しておられるところについて、ほんとに県も合わせて支援をしていこうということで、一つは人的な経費についての支援が上のほうでございまして、個別の児童生との状況を見ながら支援員を配置しておられる市町村にこの経費の一部を助成しようとするものでございます。国籍も多岐にわたりますので、いろんな言語を支援していくという必要があるんですけども、その都度必要な言語を支援する人材が県内でなかなか見つかりづらいというような場合にはICTを使った翻訳システムを使いながら、これはほんとに細かいところの支援ということにはならないかもしれませんが、日常的な部分での支援をこのICTを使って、なんとか支援できないかというような取組についても考えておられる市町村に対して、助成をしていこうというものでございます。県のほうでは下のほうに関連事業として書いておりますが、これまでも学校内でいろいろ使う保護者宛ての文書ですとか、たとえば健康診断の案内ですとか、9カ国語に翻訳をして学校現場にお配りをしているものを使いながら対応していただいているわけですが、それについて新たにベトナム語のガイドブックをつくろうということで、今対応をこの当初予算の中に盛り込んでいます。そうしたことを含めて、これから現場の状況なども伺いながら、更にどんな対応が必要なのか、どんな支援が必要なのか、そうしたことについてもこれからいろいろ検討し、対応していきたいというふうに思っています。

 8頁は、病気療養児の遠隔教育支援事業として、ここに今きていますが、分身ロボットを使って遠隔授業をしていこうということでございます。遠隔授業でいきますと、タブレットを両方においてやったり、大画面タブレットということがあるんですけども、それだとどちらも自分の姿が相手に分かるということが一方でありまして、そういう自分の姿をあまり見られたくないような、たとえば病気療養してて髪の毛が全部抜けてしまって、そんなところを見られたくないというようなときに、分身ロボットのほうを教室に参加させて、自分は病院なり自宅にいながら、授業に参加するといったことができるシステムを活用して、今年度は日本財団と連携をして、そうした取組を検証してきたわけでございますが、そうしたものを本格的に使っていこうということで、これは国の予算を活用しながら、このOriHimeを8台県下の学校に導入しながら必要な児童生徒に使っていこうというふうに思っております。基本的には医療的ケアが必要な皆生養護学校、鳥取養護学校、そしてまた院内学級のあります久松小学校が中心になろうかと思いますが、その他の学校でも長期で休まざるを得なくてはならなくなった児童生徒さんがいらっしゃったら、そちらのほうで回していくというようなかたちで、全県でこの8台を有効活用をして参りたいと思っているところでございます。

 9頁は、特別支援学校における学校運営協議会制度ということで、コミュニティースクールということで地域に開かれた学校づくりをこれまでも県としても進めてきておりまして、どちらかというと小中学校を中心に、これまで進めてきておるところでございまして、だいたい今年度で3分の1ぐらいの小中学校で、コミュニティースクールが運用されてきているんですけども、地域という概念を広げて考えていくと県立学校(特別支援学校も、高等学校もそうですけども)このコミュニティースクウルを上手に使いながら、地域と連携をした教育というものを進めていけるのではないかと、そうしたことによる子どもたちへの教育環境の整備などが進められるんじゃないかということで、この度、下のほうの枠で書いておりますが、白兎養護学校、米子養護学校・琴の浦高等特別支援学校、知的障がいということになりますが、この3校をモデル校にいたしまして、学校運営協議会を導入してみようということで取組を行うこととしておるところでございます。
 
 10頁につきましては、これも特別支援学校についての対応でございますが、学校が始まる前の時間帯、あるいは終った後の時間帯で、働いておられる保護者の方々に対応して、子どもの一時的な居場所として「子ども教室」というものを特別支援学校でも開催をいたしておるところでございますが、これについて、これまで鳥取・倉吉・米子養護学校について早朝の子ども教室を開催をしておりますが、新たに要望等もありまして、皆生養護学校でこの取組を始めることといたしております。また、放課後について特に医療的ケアの必要な児童生徒さんの居場所として、これは民間のほうでデイサービスの事業が行われているわけでございますが、実は東部のほうが医療的ケアが必要な児童生徒の方を預かっていただけるような事業所が少ないということで、今福祉保健部のほうで、そちらのほうの体制整備について向かっておられるんですけども、そうした体制が十分整備できるまでの間、学校のほうでこの取組を一時的に行うということで今年度から養護学校でこうした取組を行っておりますが、来年度も引き続いてこの取組を行うことにしております。
 
 11頁は、県立高等学校のキャリア教育を充実していこうということで、これは普通科高校も含めてキャリア教育を充実する取組をこれまでも行ってきたところでございます。企業の方に学校に来ていただいて話を聞いたり、卒業生で働いておられる方をお呼びしてお話を聞いたりというようなことを含めて、一人一人のキャリアビジョンについて考えるような機会を持たせたり、あるいは県内の企業を知るような取組を進めてきておりましたが、下から二つ目の枠のところで、普通科高校の生徒は多くは進学校については県外に出ていったまま、都会に出てそこで就職をしてしまったりということで、なかなか県内に定着するということが少ないということが最近特に言われておりまして、それは県内企業のことをあまりよく知らないということで、地元鳥取に帰ってきても公務員になるか金融業にいくかというようなことで、ほんとに民間企業のことをよく知らぬまま県外に出てしまうというような指摘もありまして、普通科についても少し企業をしっかり知った上で、いろいろキャリアを考えそのキャリアビジョンに基いて進学していく。場合によっては将来鳥取のほうにまた帰ってきて、鳥取の企業に就職する。そうした流れもつくっていければということで、普通科の高校においてもインターンシップを取組むこととしておりまして、今年度は倉吉西高、鳥取中央育英高校の2校で取組んでおりましたが、それを更に拡大をしていこうということを考えております。こうしたことを含めて、キャリア教育の充実を図っていきたいと思っております。

 12頁につきましては、世界に羽ばたくグローバルな視点で自分のビジョンを考えていただこうという取組でございますが、これは従来からやっております弁論大会でありますとか、海外留学に対する支援でありますとか、直接県のほうで生徒さんを海外に派遣をしたりということでございますが、先般アメリカのバーモンド州と姉妹提携の協定が結ばれましたが、そうしたことを含めて教育の分野でも交流を進めていこうということで、上から二つ目になりますが、理数の課題研究発表会というのを行っておりますが、そうしたところで優秀な成績を収めた者をバーモンド州の学校に行かせようというような取組を新たに行うことといたしておるところでございます。引き続きこれもグローバルチャレンジということで支援をしっかりとして参りたいと思っております。

 13頁でございますが、かねて整備を進めております美術館につきまして、これは今年度と来年度にかけてPFIの事業者を選定していくという段取にしておるわけでございますが、その選定に当たって、今年度からアドバイザーリーの業務依託ということをやっておりまして、今年度から債務負担を取って行っているものの2年度目の予算化ということで、これは当初予算に計上して、引き続き取組をしていくということとしております。また、入札にあたって必要な地質の調査でありますとか、測量、そうしたことにつきましても当初で計上して準備を進めていきたいと思っておりますし、ソフトにつきましても、今年度から取り組みを行っておりますラーニングセンターの充実に向けた検討でありますとか、あるいは県民の方を巻き込んだ県民の美術館であるためのいろんな啓発事業等については、当初で計上して取組を行っていく予定としております。下のところの参考のスケジュールで書いておりますが、実は今年度・来年度の頭ぐらいで、いろいろ実施方式でありますとか、あるいは一般の建設でいう使用書に当たる要求水準証というものを固めていくわけでございますが、そうしたものを前提にして、ここ20年間なりのスパンの管理依託を含めたトータルの事業費について、補正予算で債務負担の議決を得て、それから入札という手続きに入っていきます。その部分は今後の2月じゃなくてその後の議会にお図りをするという段取りにしておるところでございます。そうしたことを含めて美術館整備を進めていきたいと考えております。

 最後に14頁は、文化財行政につきまして、かねて今年の6月に文化財保護法、地公行法改正になりまして、来年度4月から知事部局で文化財行政を担当できることに法改正がなりました。鳥取県においても、早速4月からこの文化財行政について、教育委員会から知事部局に移管して進めていくということになり、この関係条例が制定されることになりました。この文化財保護法元々、知事部局でも出来るようにするということについては、これまでどちらかというと、文化財については保存と活用とよく言われるんですけども、そこの部分が中心になってきたということでございますが、そうした中で、今いろいろと地方創生の中で、文化財を一つ地方創生の起爆剤として、いろいろ観光誘客を図ったり、町中の整備を行ったりというようなことを進めていくというそちらのほうのニーズも増してきているわけでございまして、そうしたことにスピーディーに対応するために、そこの文化財の保護行政も含めて、組長の部局で持ち、そういうところが観光のセクションとなり、いろんな町中の整備のセクションなりとしっかりと組長の元で、連携をして取組んでいくということが、よりやりやすくできるようにということで、そうした改正が行われておりますし、もう一つは非常に過疎化等が進んでいて文化財の継承とくに無形文化財、いろんな祀りだとかが成り立ちにくくなっている状況なども含めて、これを組長局のほうで、過疎化への対応なども含めて、対応できるようにするといったことが法改正の趣旨であったわけです。本県においても文化財を積極的に活用して、鳥取県の活性化に生かしていこうという知事の思い等々も含めて、この4月から移管をするということで進められているところでございます。そうしたことなど、この2月の議会で議論をしていただき、来年の4月から条例を施行していくというかたちになろうかというふうに思います。
 
 また、資料はお配りしておりませんが、本日から高校入試の推薦の志願が始まるということでございまして、今年度県外募集を更に充実していこうということで、9校で42名の県外募集、昨年は36名だったんですけども42名、それに加えて、これは県内に住所を移すさずに通えるそうした人については更に31名、5校31名、合計今73名の県外募集の枠を設け取組んでいこうということでございまして、定員割れをしている学校についての活性化もこれによって一方では図っていきたいというふうに思っているところでございます。結果はまだどうなるか分からないところでございますが、そうした取組も行いながら、今年の高校入試を進めていきたいというふうに思っておりますし、もう一点新たに、インフル等々で試験当日に受験できなかった者について、再試験を行うということを新たに今年度から始めることにいたしておるところでございます。二セット入試問題をつくるということで、担当者は大変だったと思いますが、従来は少し無理をして保健室で別室で受験をしていたというかたちになりますが、そういったことも引き続きやります。やっぱり最初の試験のときに受けたいという生徒さんに対しては従来どおりの保健室での別室受験を認めつつ、更にどうしても無理だという方については、再試験ということで、そちらのほうで受けていただくというかたちを新たに始めることとしております。

 それから、教員の働き方改革との関連で、先程部活動については、明後日の教育委員会で議論するということを申しあげましたが、もう一つこの1月に中央教育審議会の特別部会の議論が済んで答申が出たということで、その中でガイドラインが示されて、月平均45時間外が上限というかたち、年間360時間が上限というかたちでガイドラインが示されて、平成32年度からこのガイドラインに沿った運用ができるようにそれぞれの教育委員会等で指針を定めて進めなさいという答申が出たわけでございますが、そうしたことにどう対応していくのかということについて、今月の26日だと思いますが、業務改善の推進協議会というものを開いて、その中で、この答申への対応について議論をしていきたいというふうに思っております。実は、改善プランということで、時間外の削減を向こう3年間、25%減らしていくんだということについては、既に示しているところではございますが、この答申との整合性もある意味図っていく必要があろうかというふうに思っておりまして、そうしたことの議論を行っていきたいと思っております。

 また、かねて議論をしておりました新しい教育振興基本計画について、5年間の期間が終了して、来年度から新しく計画をつくるということで作業を進めておりまして、今パブリックコメントを行っております。2月の8日が締め切りになっておりますが、そうしたパブリックコメントでありますとか、昨日は教育審議会を開催しまして、そこで出た意見でありますとか、またこれから議会等でも議論になるかもしれません。そうしたご議論なども含めてこの計画をまとめて、新しい計画を周知をしていくという作業に移らせていただきたいというふうに思っているところでございます。私からは以上です。


2 学力向上対策について

○記者
 学力向上のことなんですが、鳥取県のテストの結果において、毎回読解力ということをいつも課題に上げられると思うんですけども、そういった課題を踏まえた授業はどのようにされているんでしょうか。

●山本教育長
 ちょっと読みづらいところがあるんですけども、三つ目の○の活用の部分で読解力のことが出てきますので、ここについてどういう授業をすると活用問題が上手に解けるようになっていくのかといったことについては、ここで取組を進めていくということにしておりますし、ちょっと詳細はここに書いていないんですけども、今「リーディングスキル」問題を読み解く力というところが、非常に全国的にも注目をされていまして、そこについて、たとえば理科の問題が解けないんだけども、その問題が解けないのは、理科のことが分かってないから解けないのではなくて、問題そのものが理解できてないということがあるんではないかという指摘がありまして、そこについては国語なども含めて境界域を高めていくという方向で取組が必要ではないかなあというように思っておりまして、そうしたことについて、まずは教員の方々にそうしたことが起きているんじゃないかといったようなことを研修などを通じて啓発をしていくようなことも行っていきたいなというふうに思っているところでございます。

3 特別支援学校の遠隔教育等について

○記者
 8頁のOriHimeのことでお伺いしたいんですが、一つは鳥取県は全県単位で行うということですけども、他県の状況を把握しておられればお聞きしたいですね。それと8台を購入するのか借りるのかということです。

●山本教育長
 最初のことについては、おそらく鳥取県が初めになるんではないかなというふうに思います。そこはどこかの学校で、ひょとしたら研究をしているところがあるのかもしれませんが、そこは把握しておりませんが、県全体で取組んでいこうというのは鳥取県が全国初ではないかなと思っております。OriHimeについてはリースで対応の予定です。

○記者
 それと対象は小中学生相当の子どもたちが対象でしょうか。

●山本教育長
 限定はしてないんですけども、特別支援学校については、高等部も含めて、必要な人には対応ということになろうかと思います。

○記者
 これは平成28年度から日本財団の協力で3台入ったということで、それを試行的にされたと思うんですが、どんな成果があったとお考えでしょうか。

●山本教育長
 一つは、これは久松小学校などの取組で分かったことは、自分の姿を見せないで、日々友達とやり取りをすることができたわけですが、それで学級の雰囲気だとか、そうした人間関係が損なわれないままで過ごせたので、学級への復帰というのが非常にスムーズに行われたといったことが言われています。それから、医療的ケアが必要な者については、全く自分の体が動かせない児童生徒もいらっしゃる中で、このOriHimeで自分の意志を動きで表したりすることができるということで、これは可成りそういう意味での教育効果があって、子どもたちのモチベーションが上がっていくような面での教育効果というものは見られるということで、これまだ2年間の研究の中では、そんなに頻繁に使ってきているわけではないんですけども、これからそれを本格的に授業の中にどう生かしていくのかというところも含めた取組を本格的に行っていこうということでございます。このOriHimeの8台の中には、アイコンタクトでこれが動かせるという機械も2台導入することにしてまして、それはほんとに全く自分の手など動かせないような児童生徒も使っていくということで、いろんな可能性が広がっていくということも含めて、取組を行っていきたいと思っております。

4 教育現場への教育支援ICTの導入について

○記者
 多言語アプリ等の教育支援ICTの導入するものは決まってないんでしょうか。

●山本教育長
 これは一応、案はありまして、文部科学省と総務省でつくっておられるアプリがあって、これは学校現場で使う用語等が優れているということで「VoiceBis」を今導入しようと。

○記者
 これの入ったタブレット端末ですか。

●山本教育長
 はい。それを日本語で言うと、たとえば韓国語とか中国語とかに翻訳をして言ってくれるという。だから専門用語でなくて、教育的なものが優れているということだろうと思いますが、通常我々が持っているスマホなんかでも、いろんなアプリがあって、大概日常的なことには使えますが、要は学校でしか使わないような用語だとかがこれには入っているという。

○記者
 まだ、導入する学校が決まってないとか。

●音田小中学校課長
 三朝町では決まっています。

○記者
 45人の外国人の児童生徒がいらっしゃるとか。台数とかは?
 
●音田小中学校課長
 今のところ、県の中では九つの市町に45人が散らばっていまして、11言語に別れていまして、それぞれの言語による支援が必要なので、人の配置だけでの口語支援だけではなかなか難しい部分もあって、支援員等がサポートするようになる。

○記者
 11言語というのは、現段階では、日本語指導補助者とか、保護支援員というのでまかなえているんでしょうか。

●音田小中学校課長
 保護支援というのは、全く何も分からない子どもたちが連れてこられたときに、学校に適応できなければ必要になりますけれども、基本子どもたちは学校生活に徐々に適応していきますので、そういった支援は基本となる言語であるとか、あるいは似通った共通言語である英語であるとか中国語が、ある程度理解できれば、その支持で今度は日本語指導のほうに適応させていくような指導をします。保護支援の基本は、保護者に対して細かな学校の決まり等を理解してもらうために保護支援が必要ということで、その辺りも各市町村で国際交流財団等を通して、なるべく保護者の状況に寄り添った支援ができるような動きをしておられます。

○記者
 この45人の子どもたちは、英語とか中国語とか韓国語とかがいらっしゃるということですが、学校生活で苦労することというのは、たとえばどんなことを想定されているんでしょうか。

●音田小中学校課長
 基本は、国のほうもこういった手引を出してまして、それに対して鳥取県でも、独自に「学校生活ガイドブック」を出していて、これがいま8言語、たとえばこれは日本語の分なんですが、タイ語バージョンとか、中国語とか、それから今度はベトナム語も入るというようなかたちで、全部母語で、中身については学校への提出物とか、学校のルールとか、そういうことがかなり細かく入っていますので、基本は保護者に対してはほぼ日本の学校に適応するための資料としては、保護者にすべて渡せますので、そういったことをしていく状況です。あとは日々の日常ですけども、最初にお話したように、多くの学校では何らかのかたちで、その子の状況に応じて支援をしていますけれども、たとえば1年学校にいるという状況では可成り日本語にも適応できるというような、子どもにもよりますけれども、そういった話も聞いています。それから全体の教室にいる場面と、取り出して一人だけを1時間・2時間日本語指導をするというような個別対応をしている学校もあるというふうに聞いております。

○記者
 そういう学校の指導に補助するかたちでICTアプリというのはどうしていくんですか。

●音田小中学校課長
 さきほど紹介した分は可成り特別な分ですけども、先程教育長も申しましたが、普通に今はスマホに翻訳機能等も付いていて、可成りたとえば、支援員とかが個別的に子どもとそういうコミュニケーションを取るについては、特別なアプリケーションじゃなくて、普通のスマホとかでも、ある程度意思疎通ができたり、基本はその日あった学習内容とか、困りごととかの解決に役立つようにということですので、特別な人ではなく、学校の教員もそういった資質が備わるように、そういう養成研修等にも県が何人か派遣していますし、今後はそういった日本語指導ができる教員を更に増やしていく必要があるというふうに考えております。

5 文化財行政の知事部局移管について

○記者
 文化財等はほとんど教育で活用する部分があるわけですが、その辺りで国が決めたら、すんなりと知事部局に異動しちゃうということで、なんか教育委員会は「そんなのだめだ」というような反発というのはないんですか。

●山本教育長
 制度としては、そうしたところに対しては、文化財保護審議会という外部で目を光らせている審議会がありまして、その審議会そのものも知事部局に移ったから無くなるということではなくて、教育委員会にある間は、つくってもつくらなくてもいいんですけども、鳥取県は文化財保護審議会をつくってますけども、首長が担当するときは必ず文化財保護審議会を置かなければならないという規定に法律改正でなっていまして、そうしたところがしっかりと目を光らせるといったらなんですけども、首長の判断をそれでいいかどうかの意見具申なども含めてできるような、そんな改正になっているというようなことを含めて、この度移管でいいのではないかという判断をしておるところです。あと学校教育との関係というのもあるんですね。当然、文化財というものを教育に生かしていこうというそこの部分については、いま職員を教育委員会と兼任をかけるということで、そうした学校教育との関係が立ち切れないような、そんな工夫をするようにはしております。文化財保護審議会、今日も午後あるんですけども、何回かそういった今の国の法改正の状況なども含めてご意見なども聞きました時も、「教育委員会になきゃだめじゃないか」といったような意見は特段でなかった。

○記者
 そうでしょうね。教育委員会が要らないということで進んでいる中ですから、なかなか出にくいですよね。その中で「どうしても要る」というのは出なかったのかなあと思って。

6 学校の働き方改革について

○記者
 働き方改革のところで、事務作業スタッフと部活動補助員の体制を強化していかれるということですけれども、改めてこの問題について教育長としてどのようにお考えかということと、あと部活の指導員については70人と多いわけですけども、具体的にどのように配置を考えているのかということの2点をお伺いしたいと思います。

●山本教育長
 前段のほうでございますが、いろんな社会の要請の中で、学校というのはいろんなことを引き受けてこれまできて、そうした要請に対応してきているところに、ある意味限界ががきているというようなことが一点と、そこに加えて社会全体で働く人たちの環境というものをもう1回見つめなおしていく必要があるんではないかなという部分が上乗せになって、両方できているわけでございまして、そうしたところについては、ほんとにこれは教員が受け持たなければいけないのか、もう少し地域の人にお願いをするような部分を強めてもいいんではないかというような仕事そのものの役割分担というものを再度一方では見直していく必要があるでしょうし、学校の中でも教員免許が無いとできない仕事と、なくても出来る仕事が当然あるはずなんですけども、そこの部分について、そこを職員を増やさずに教員を増やして対応してきていますので、教員がそうしたことも含めてやってきている、そうしたものをもう1回仕分け直して、教員免許がなくてもできる仕事の部分についての職員を雇っていくだとか、あるいはスクールカウンセラーだとかスクールソーシャルワーカーだとかという専門人が、そうしたものを導入していく。この部活動のほうもそういった趣旨もあろうかと、そうしたことでの対応と、総合的に進めていかないとなかなか解決しないのではないかと思っております。そうした中で、今たとえばICTを活用してこの4月から公務の支援システムというものを全県の小中学校で導入をしております。これは全国初の取組なんですけども、そうした中で事務的な業務を軽減していこうという取組も合わせて行っておるところでございまして、そうしたことをトータルで働き方の改善につながるようなことにしたいなあと考えております。 後半のほうは、これ市町村と学校の要望等を聞きながら配置をすることといたしております。一応70人の想定はあるんですけども。

7 県立高校の国際交流教育について

○記者
 12頁の高校のグローバル交流教育の予算が減っているように思うんですが、これは国の補助が減ったから教育委員会のも減っているんですか。それとも取捨選択して、もう一回洗い直して減っているんですか。

●山本教育長
 いろんな事情が組合わさってこういう結果になっているんですけども、一つはこれまで香港・シンガポールというところに子どもたちを派遣していた事業があるんですけども、それをジャマイカの交流に振り替えているんです。ジャマイカの交流のほうの予算は教育委員会ではなくて、知事部局の交流推進課のほうの予算になってまして、県の教育委員会としてはバーモンドのほうに振り替えたということで、ジャマイカに振り替わった分が教育委員会の予算から落ちて知事部局のほうに計上されたので、トータルとしては同じぐらいの予算になるかなあというふうに思います。ですから縮小したわけではなくて、場所が変わっていったということになります。
  

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