山野でひっそりと生えていますが、この時期になると赤い果実がよく目立ちます。もっとたくさん見つけたくて、山道を歩いてみました。
サルトリイバラの茎には棘があり、この棘にサルが捕まってしまうとか、捕まったサルが抜け出せない等が和名の由来のようです。
寒くなると段々と葉が落ちて、果実だけがよく目立ちます。美味しそうですね。何に利用しましょうか?
左側の写真は雄花で、右側の写真は雌花です。
雌雄異株(しゆういしゅ:単性花をつける種子植物のうち、雄花と雌花を別々の個体につけること)です。雌雄異株の仲間には、イチョウ、カラスウリ、ハナイカダ、キウイフルーツ、ツルウメモドキなどがあります。
サルトリイバラの利用法というと何を連想されるでしょうか?
左側の写真は柏餅です。カシワの代わりにサルトリイバラの葉で包んでいます。カシワの木が少ないから、サルトリイバラの葉で包んでいるという声も聞かれます。私の育った地方ではカタラ餅と呼んでいました。
右側の写真はリースです。サルトリイバラの果実を使うと華やかな雰囲気になるので、人気があります。生け花の材料にもなります。
このように、食べても飾っても楽しむことができます。
根茎(こんけい:一見、根のような形をした茎)は薬用(山帰来)となり、できもの、腫れものに効用があるようです。葉も薬用になるようで、浮腫み、利尿に効果があるようです。
ルリタテハの幼虫の食草になっています。
来年は花の時期に観察してみませんか
日野振興センター 2019/12/20