新嘗祭とは、穀物を神に捧げて収穫を感謝し、来るべき年の豊穣を祈願する古くからの祭儀で、宮中恒例祭典の中でも最も重要なものとされています。
宮中では、天皇自ら祭儀を行い、栽培された新穀をお供えされるとともに、全国都道府県の農家で収穫された新米が、一升ずつ献穀米として奉納されます。
令和2年は、その献穀米を栽培する奉仕者として、江府町の森田照男さん、和江さん御夫妻が、鳥取県の代表として選ばれました。
森田さん御夫妻は、地元の江府町貝田の集落のみなさんや、JA、江府町役場の関係者の協力を得ながら無事大役を果たされました。
光栄な反面、たいへんな御苦労もあった、森田さん御夫妻のこの1年を振り返ります。
令和2年4月10日 新嘗祭供御献穀齋田播種式
緊張の面持ちで挨拶する森田御夫妻
種籾を播きます。
記念撮影
令和2年5月12日 新嘗祭供御献穀齋田田植式
江府町貝田の齋田で田植
一列に並んでの田植です。
令和2年9月10日 新嘗祭供御献穀齋田抜穂式
齋田に向かう森田御夫妻
稲を刈る出席者
記念撮影
抜穂式を終えて
森田さん御夫妻もほっと一息です。
「無事今日を迎えることができたのも、皆さまの協力あってのことです。」
「台風や、イノシシ、カメムシなど、いろいろな心配を乗り越えることができて、やっと安心しました。」
令和2年10月7日 選別作業
収穫、脱穀した米を、色、形で選別していきます。
たいへん細かい作業です。
令和2年10月21日 献穀米引き渡し
齋田で、県の職員に献穀米を引き渡す、晴れやかな笑顔の森田御夫妻
新型コロナウイルスの影響により、皇居への持参ができなくなり、県から皇居へ郵送されることになりました。
「皆さんの協力で栽培した米です。皇居に無事届けていただきますよう。」
鳥取県でコシヒカリが献穀米として使われるのは、これが最後です。
令和2年11月23日 宮中新嘗祭
令和3年2月18日 新嘗祭供御献穀齋田種子引渡式
令和3年の奉仕者に、種籾を引き継ぎます。
「大役を果たすことができて、嬉しく思います。」
令和3年からは、星空米が献穀米として使われます。
森田さんから、八頭町の清水章雄さんへ。
森田さん「苦労も多いでしょうが、頑張ってください。」
清水さん「大役を担うことになり、緊張しています。いろいろ教えてください。」
記念撮影
八頭町 清水章雄さん(中央)、邦子さん(左から3番目)御夫妻へ、森田さん御夫妻は心からエールを送ります。
日野振興局 2021/03/12