日野町下榎にある長楽寺には、平安時代に作られたと言われる貴重な仏像があります。
コロナ禍でなかなか旅行に出かけられませんが、今日は、長楽寺のオンラインツアーをお楽しみください。
平安の昔は鵜池畔にあって、十二の建物を有する巨刹だったと伝えられる長楽寺。
源平合戦の最中に大山寺の僧兵の焼き討ちに遭うなど、紆余曲折を経て、現在は標高340mのこの地にあります。
御本尊の薬師如来坐像(中央)。
左手に薬壺を持ち病気を治す、現世の苦難を取り除く如来です。
両脇には、月光菩薩立像(向かって左)、と日光菩薩像(向かって右)。
月光菩薩は、月の如き清涼をもって、衆生の生死煩悩の焦熱から離れることを表します。
日光菩薩は、一千の光明を発することによって広く天下を照らし、諸悪の根源である無明の闇を滅尽します。
平安時代後期の作と言われ、いずれも国の重要文化財です。
毘沙門天立像(重要文化財)
戦闘の神とも、財宝の神とも言われます。
左手に宝塔を掲げ、足の下には邪鬼を踏んで立つ姿は、我が国に現存する毘沙門天の中でも
屈指の傑作です。
不動明王立像(重要文化財)
不動明王は大日如来の化身と言われ、仏法に反する者を力ずくで内道に戻すため、芬怒の姿をしていると言われています。
この不動明王立像は、やや柔和な表情をしており、平安時代のものと推測されています。
衣の柔らかい質感も伝わる傑作です。
十二神将像
毘沙門天立像の隣には、十二神将像が並びます。
十二神将像は不動明王立像の隣にも。
本堂の格天井。
極彩色の花鳥図は、備後国の絵師 法橋索準が江戸時代に描いたものと言われています。
狩野派の影響が感じられる、目にも鮮やかな絵が並びます。
オンラインで訪ねる長楽寺、お楽しみいただけましたでしょうか。
日野振興局 2021/09/08