今、話題の青谷弥生人は、青谷上寺地遺跡から出土した頭蓋骨をもとに、弥生人の顔をかなりリアルに復元したものです。実は青谷上寺地遺跡には、他にも弥生人の顔を知ることのできる出土品があります。軽石を車輪のような形に加工し、その側面に人の顔を彫刻したもので、顔の長さは4cm、目を楕円形に、口を半円形に彫り込んで、まるで笑っているように見えます。青谷弥生人と同じ弥生時代後期(2~3世紀)のもので、面長の輪郭でのっぺりとした渡来系弥生人の顔の特徴に合致しています。何のために作られたものなのかは分かっていませんが、ユーモラスな表情に心癒やされる小さな逸品です。