この土の塊のようなものが何だか分かりますか?
答えは青谷上寺地遺跡から出土した「糞石(ふんせき)」、読んで字のごとく、人や動物の排泄物(はいせつぶつ)が化石化したものです。すでに臭いは失われていますので、ご安心ください。
ところで、糞石は弥生時代の暮らしを知る上でとても重要な出土品です。なぜなら消化されずに排泄された食物の断片などが含まれていて、排泄物の主が食べていたものを知ることができるからです。
そこで、人に由来する糞石を分析したところ、青谷上寺地遺跡に暮らしていた弥生時代の人はコメの他に、ムギや雑穀を食べていたことが分かりました。
見た目はまさに"糞"ですが、弥生時代の生活を教えてくれる、ありがたい出土品です。