前回記事では、日野郡の黄葉をご紹介しました。
人々の心を躍らせるような黄色はいいものですが、車を走らせている時、電車の窓から何気なく外をのぞいた時、はっとするような赤い色が目に飛び込んでくるときもあります。
黄色とは違う鮮やかで強い色には見事さもあれば、もの哀しさもあり、「秋とはそのようなものだな」としみじみ思わされます。
とはいえ、郡外からお越しになるときの目安がないのも不便でしょうから、今回は赤い紅葉が美しい日野郡の名所を3か所ご紹介します。
まずは黒坂の滝山公園(たきさんこうえん)。
黒坂駅からは3キロほどですから、いいウォーキングコースにもなります(路側帯だけでなく、歩道もありますが、黒坂駅方面からは後半坂道が続きます)。
道中、紅葉の赤さが際立ってくると、目的地が近づいたことがわかります。
(もうすぐ滝山公園) (朝靄のかかる滝山公園の駐車場) (日が昇ってきた後の公園前)
滝山公園はつつじの名所として名高いところですが、かつては桜の頃も大勢の見物客でにぎわったそうです。ですが、紅葉もきれいだったのですね。 この日も一台、山陽方面から観光バスが来ていました。
公園内にある滝山神社をお参りして…
違う道から帰ってくると公園内を一周できます。
次にご紹介するのは、菅沢(すげさわ)ダムのほとり。
菅沢ダムはその壮観さから観光スポットにもなっていますが、紅葉がきれいなのは、ダムの管理事務所の前ではなく、本山橋(日南湖に注ぎ込む印賀川に架かる赤い橋)のたもとです。国道180号の日野町側から行く場合は、橋の手前に駐車スペースがあります。
駐車スペース付近に植えられた紅葉はもう真っ赤。この日が快晴だっただけにますます赤が際立ちます。
この場所は菅沢ダムの全景が見渡せます。柔らかくもまぶしすぎる秋の陽射しがダムの水面を照らし、そのまぶしすぎる水面を今度はいささか暗くもある橙色の紅葉が縁取る…これは黄色い銀杏では出せない趣でしょう。
心ゆくまでお楽しみください。
(ダム湖を縁取る紅葉) (↑逆光のダム全景)
最後は、日南町の石霞渓(せっかけい)をご紹介して終わりましょう。
石霞渓は、その詩的な名のとおり、幅の狭い水流にたくさんの奇岩がある渓谷で、紅葉の頃だけでなく、雪も桜もつつじも楽しめる景勝地です。
車を長い間止められる場所がないので、ハイキングコースを歩いてみたいという方は生山駅から歩いて行った方がいいかもしれません(生山駅から約1キロ半。徒歩15分程度)。
ここへ向かう主要地方道8号新見日南線には歩道がなく路側帯しかありません。大型トラックも頻繁に通る道ですので、気をつけましょう。
大小の奇岩が顔をのぞかせる川はあるところは陰になり、またあるところは陽を受け、その上を色とりどりの紅葉が飾ります。影と日向で紅葉の濃さが変わるその様もおもしろく、「石霞渓は自然の日本画」とでも呼びたくなります。
この度は、石霞渓ハイキングコースのスタート地点になっている「通天橋」のたもとに一時的に停車し、写真を撮影しました(通天橋(主要地方道わきの石橋)は現在、通行禁止です)。右の写真に映る白い標柱は、ハイキングコースの入り口を示しているものです。
そこから少し歩ける範囲だけでもきれいな紅葉や奇岩、そして景色に彩を添える石橋などが見られます。
しかし、先述したとおり、交通量が多く、大型トラックもたくさん通る道ですから、あまり動き回ることはできません。
ハイキングをしないのであれば、車で行って、また元来た道をお戻りください。左右の紅葉を余すところなく眺める安全な方法はこのような「通り抜けドライブ」かもしれません。
気づけばもう11月半ば。散り始めるとあっという間です。
どうぞこの佳きシーズンを逃さずに、秋の日野郡を眺めに来てください。
ついでにできることは…などと探さなくても、飲み物やおやつを家からお持ちになって、思いつきでお越しください。
もちろん、飲み物やおやつは日野郡のお店でもお求めになれますよ(日南町の道の駅『日野川の郷』にはケーキ屋さんが入っています)。
【観光に関する問い合わせ先】
滝山公園…日野町観光協会事務局(日野町役場 産業振興課内) 電話 0859-72-2101
菅沢ダム(日南湖)、石霞渓…山里Loadにちなん(日南町観光協会)電話 0859-82-1715
または、国土交通省中国地方整備局『菅沢ダム管理支所』ホームページ(自然案内も充実しています)
【おまけ】菅沢ダムの『眠り猫』♪
…富次精斎(とみつぐせいさい。7月22日の記事に登場)の作ではありませんよ(笑)
日野振興局 2022/11/17