防災・危機管理情報


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2022年12月22日

大掃除は常日頃から♪~本年の書き納めは、日本代表ロッカールームと同じくらい「完璧な」上菅駅の待合室のこと~

 上菅駅(かみすげえき)。

 それは日野振興センター管内の伯備線の駅の中で最も遅く開業された駅です。黒坂駅と生山駅の間に位置し、98年前、近隣の地域のみならず日南町印賀など『一山超えた』地域からも要望があり、設置されたとのことです。

 (駅の歴史や周辺の見どころについては、待合室に設置されたパネルにとても詳しく書いてあります)

          上菅駅の外観

  当センター発行の広報誌『日野振興センターだより』最新号で伯備線100年特集をするにあたり、すべての駅を回って取材をしたのですが、この上菅駅には驚かされました。

 

 ピカピカなのです。塵一つ落ちていません。

 

 くりかえします。

 ピカピカなのです。塵一つ落ちていません。

     上菅駅の塵一つ落ちていない待合室

 最近の話題といえば、ワールドカップ。

 日本代表の使用後のロッカールームが完璧なまでに清掃、整理整頓されていたとFIFAの公式ツイッターで発信され、世界の賞賛を浴びたほか、サポーターが行った会場のゴミ収集も話題になり、FIFAから表彰されましたね。

 

 「来た時よりも美しく」とは日本国内の部活動の各種大会など、いろいろなところで掲げられる言葉です。

 掃除は競技の結果や技芸の向上には直接結びつくわけではないのに、こうした指導がなされるのは、日本で「掃除」が物事に打ち込むための場所への感謝を表し、さらにはその人の人柄を映し出す行為であるとみなされているからでしょう(反対に「居候 角な座敷を 丸く掃き」という川柳もありますが…苦笑)。

 

 日本サポーターがゴミ収集をすることについて、ネット上には懐疑的な意見もありました。

 ですが、「掃除をする人の仕事だから」とゴミを置いて帰るより、観戦のために使用した場所をきれいにして帰る姿の方が、やはり見ていて気持ちいいものではないでしょうか。他国の人にもそうだったからこそ、話題になったのでしょう。

 

 ワールドカップの話が長くなりましたが、上菅駅の掃除もそうなのです。

 待合室の清掃委託を受けている方は、自分の父が国鉄職員だったので感謝と親しみを込めて、待合室とトイレの掃除を一日2回、冬は雪かきもしておられます。それも電車で通勤・通学する人が来る前の早朝から。

 そして夏の間は自費で買った蚊取り線香を焚かれます。

 それもこれも数少ないとはいえ乗客に気持ちよく利用してもらいたいからです。

  蚊取り線香  

 上菅駅の待合室は山の陰になっていて、直射日光がさんさんと差し込むことはあまりありません。それでも晴れた日には外の明るさがふんわりと待合室を包むようであります。シンプルなコンクリートの待合室にこのような温かみさえ感じるのは、塵一つない『舞台』あってこそでしょう。

      陽が差す上菅駅の待合室

 「いい場所だ」とほっとするのか、ここでトラックやタクシーの運転手が弁当を食べたり、トイレ利用をすることも多いそうです。待合室がこれほどきれいなのですから、トイレもまたしかり。広島県から来たという女性は「きれいなトイレをありがとうございます」とメモを残していかれたそうです。

 

 無人駅の場合、ゴミ一つあるだけで治安が悪く見えたり、古びたポスターなどが地域のさびれぶりを強調してしまう時があります。
 上菅駅では、行き届いた掃除と定期的なポスター貼り替えのおかげで、「駅が起きているよう」です。
 パネルもただ内容が充実していればいいのではないですね。

 

 記者は以前、ある県の県外事務所に有名な祭りの観光情報を集めに行きました。ところが、窓口の職員にかなり素っ気ない対応をされ、祭りに行く気がしなくなったどころか、その県の印象さえ悪くなったことがあります。

 いわゆる「見どころ」にあふれていなくても、地域の魅力は「心のこめ方」で上がるはず。

再訪の機会は少ないとしても、「いいところだった」と記憶に残るのはうれしいことだと思いませんか。
 その点、上菅駅では、来た人に悪い印象を残す可能性は、ゼロです。そこには「対面しての接客」がないにもかかわらず。
  (上菅駅近くの見どころ…少し離れていますが、『日本一小さな蔵美術館』『都合山たたら登山口』)

              上菅駅のプレート

 管内の他の駅だって、きれいに掃除されています。

ただ今回、上菅駅を取り上げたのは、あまりにも掃除が完璧で、引き受けた業務はきちんと遂行する、という域を超えているように見えたからです。

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  このブログ『日野ごよみ』、本年はこれで書き納めです。

 ワールドカップでは、日本は惜しくも決勝トーナメント1回戦で敗退し、史上初のベスト8進出はなりませんでしたが、強豪国に対する歴史的勝利を含めて気持ちのいい話題を提供してくれました。

 (「来た時よりも美しく」には、実は下の句があります。それは、「残すものは感謝のみ」です。)

 

 日野郡からも「気持ちのいい話」で最後を締められたらと思い、大掃除の時期でもあることから、上菅駅の清掃のことを取り上げました。

 

 毎号読んでくださったみなさん、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。

 

 年末ジャンボ、そして初夢宝くじの当選は、日野町の金持神社にお願いしましょう♪ 

  今年の最後も、来年の最初もぜひ日野郡へお越しください!

日野振興局 2022/12/22

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