少し前の話題になってしまいますが、5月24日、日野町公民館(日野町黒坂)でハンガリー料理教室&講演会がありました。
講師は、鳥取県ではおなじみのハンガリー人のキッチンカー経営者、ツァイドラー・オットーさん。
(←オットーさんと助っ人で来たお母さん)
まず午前の料理教室でハンガリーの国民的料理「グヤーシュ」を作ります。
グヤーシュは、見た目や雰囲気は、「汁の多い肉じゃが」か「スープカレー」のようなもので、ハンガリーの近隣諸国でも作られています。
味は日本ではなじみのないスパイスがたくさん入っていますし、柔らかく煮込んだ牛肉からの脂も出ますので、日本人には食べないと想像できない味でしょう。
実は記者、このグヤーシュが大好きなのです。それ目当ての参加と言っても過言ではありません。しかも、ハンガリー人と作るガチ・ハンガリーグヤーシュをこの日野郡で食べられるとは…!!
公民館の調理室にはすでに材料が置かれています。
にんじん、じゃがいも、にんにく、玉ねぎ、とうがらし…などなど。牛肉は今回のために圧力なべで煮込み済みです。調味料はクミン、こしょう、塩などのほか、ハンガリーの名物「パプリカ」のパウダー。これでグヤーシュは赤く色づきます。
これらをオットーさんと助っ人で来たオットーさんのお母さん(日本在住)の指示のもと、参加者10人ほどで切り、炒め、大鍋で煮込んでいきます。
参加者は黒坂のほか、根雨、米子、遠くからは島根県川本町から来ていました。
オットーさんのお母さんは料理人ではありませんが、農業と酪農をしている家に生まれ、家の手伝いで5歳から料理をしているそう。
(←終盤、別に煮込んでおいた牛肉を投入)
そんなお母さんは日野郡の景色を見て、「どうしてこんなに山があるのにたくさんの牛や羊を飼っていないのかしら」と思われたそうです。文化の違いですね~…。
興味深いのは、オットーさんのお母さんの野菜の切り方です。皮をむくというより、包丁で皮を「削ぐ」というふうにシャッシャッと削っていかれていました。また、にんにくなども極限まで残さずに使われていました。食べ物ほど粗末にしてはならないものはない、ということでしょう。
12時ごろ、最後はオットーさんのお母さんが砂糖を加え味をととのえて完成。
(仕上げはお母さん♪)
交流室に運んで、みんなでいただきます。
食べる直前にも刻んだ生のにんにくをふりかけたらおいしいと薦められました。記者は旅行先のハンガリーの店ではこの食べ方を見ませんでしたから、これを知ったのもウレシイ♪
(見よ、この感動的な出来ばえ!)
さて、お味は…今まで食べた中で最高のグヤーシュでした!!
初めて食べたハンガリー料理がこのグヤーシュだという人は、きっとみんなハンガリー料理の虜になるでしょう♪
午後の講演会「私が見た鳥取県」はもともと1時間だったこともあり、少々駆け足になってしまいました。まずはハンガリーという国の紹介として、名物のパプリカを外壁一面に干した「赤い壁」の農家の写真が紹介されたときには、参加者一同からどよめきが起こります。
オットーさんは最後に「鳥取県は人口が少ないけれど、それがゆえにハンガリー料理のキッチンカーを経営するにしても注目され、ライバルが少ない」といった大都市での経営とは違う利点について話されました。人口が少ないから商売にならないというのではなく、逆の利点もあるということですね~。
今回の行事は「黒坂フェスタ」の5月の会として企画されました。
黒坂フェスタは不定期に開催されており、今回のような企画のほか、食の屋台集合やクラフト体験のイベントなどが催されています。開催情報はfacebook『鳥取イベント情報』で告知されています。
黒坂の町も人口減が進み、今は飲食店もありません。しかし黒坂には『黒坂鏡山城址』があり(黒坂駅の愛称は「鏡山城駅」です)、夏祭りの時期にはライトアップされています。
黒坂フェスタのような催しもあり、にぎわい創出にがんばっています。
コロナもひと段落した今、大きなイベントも再開されはじめるでしょうから、この黒坂には引き続き注目しておかないといけませんね!
黒坂へは米子市からは電車で45分、車で1時間強ほどです。
日野振興局 2023/06/08