6月1日、鮎漁解禁!
鮎釣りを愛する人にとって、ほかにどんな話題があるというのでしょうか、というくらい盛り上がる日です。もっぱら食べるだけの記者にとっても同じです♪
そんなシーズン開始まもない6月11日(日)、今年も日南町生山では「第3回日野川鮎友釣り選手権 瀬田匡志(せたただし)カップ」が開かれました。
この大会は、その世界では知らぬ者のない名人、大西満さんの名を冠して33年前にスタートしました。2018年第30回大会をもって大西さんが勇退されたことに伴い、これまた知らぬ者のない名人、日南町在住の瀬田匡志さんの名を冠すことにし、今年で3回目となります。
主催は、地元の「日南の水を守る会」、共催は釣りクラブ「流斬波」(りゅうざんぱ。日野町)と「日野川山魚狗」(ひのがわやませみ。日南町)。
当初はごみで汚れていた日野川を美化する運動として始まったこの大会。大西満さんは、こうした地域をよくする運動にも関心の高い方で、日南町の若い人たちの声に呼応して、ご自分の名を冠することに賛同されたそうです。その後、全国でも珍しく30年も続き、しかも1度の流会もない「愛される大会」に育ちました(大阪府高槻市から参加された大西さんのお弟子さんに伺いました)。もちろん、今の日野川はとてもきれいです!
受付は6時から。選手のみなさんは続々集まり、歓談されています。
朝食サービスにうどん(1玉)がふるまわれました。また、後援の釣り具メーカーのテスター大会でもあるので、会場で展示されているメーカーの釣竿を借りられるそうです。高いものは50万円! ウェアや道具を含めると100万円装備の参加者もいるそうです。
はりきってます!
7時半、開会式が始まりました。
主催団体の会長、水谷さん(左の写真)「大西カップから通算33回目を迎えます。目的は釣果のみならず釣り人と交流を図り、自然を守ることです。」
瀬田名人(中央の写真)「みなさんの技量で鮎をたくさん釣ってください!」
中村日南町長(右の写真)「みなさんの熱量で雨の予報が曇りに変わりました。今日は一日、日南町を楽しんでください」
挨拶のあとは、前回優勝者からの優勝カップ返還、ゼッケン1番の選手からの選手宣誓が続きます。みなさんのワクワクが会場を温かく包みます。
(日南の水を守る会・水谷会長) (瀬田名人) (日南町・中村町長)
そして予選開始です。おとりの鮎(養殖)が配られた後は、みなさん思い思いの場所に散っていかれます。
【ルール】おとりの交換禁止、竿は1本、エリアはフリー。予選3時間で多く釣った人が決勝に進みます。決勝戦は1時間です。
(透き通る水と名人のたたずまい)
さて、会場横の屋根の下では、そばを打つ人が。
この人、田貝さん(御年80歳)も釣りを愛する人ですが、今日は選手ではありません。以前、米子市の湊山公園でお店をしていた方で、今日は朝から選手に振舞うそばをこねておられました。
←ここにも鮎。
気になるのは、選手のゼッケンをしているのに、予選開始後も橋の上からのんびりと他のみなさんを眺めていたり、そば打ちを見学したりしている人たち。中にはそば打ちの手伝いまでしている人も。
「早く行って、いい場所を取らなくてもいいんですか?」と聞くと、笑いながら「そうですけど…そば打ちを見てから」「そのうち行きます」という返事が。
この大会は、中国地方はもちろんのこと、遠くは横浜、名古屋、北九州からも申し込みがあり、87名が参加する規模なのに、なんとなくほのぼのしています。出るからには絶対優勝だ!という血走った感じはゼロなのです。
10時半あたりから引き上げてきたみなさんが検量の列に並びます。
一人一人の釣果を係が確認して読み上げ、記録し、鮎を引き取っていきます。
この日の釣れ具合は「それほどでもない」ようで、釣果は4~5匹の人が多い中、14匹という声が上がり、一堂にどよめきが生じました。間違いなく決勝進出ですね。
瀬田名人(下の写真)の結果は5匹。記者が「遠慮されましたか」と聞くと、「本気でやってこれですよ」と苦笑い。
でも、「渓流釣りは半年間だけの楽しみ。今の時期の若鮎には独特の魅力があります」とのことでした!
結果、決勝進出する選手は上位10人。さらに1時間、川に入ります。
ちょうどそのころ、釣りの格好を解いて身軽になった他のみなさんに打ちたてのそばが振舞われ始め、日南町産のおにぎりも一緒に楽しみながら結果待ちです。
予選で釣った鮎も焼き始められています。記者も今シーズン初の鮎を1匹いただきました。おいしい!
焼けた鮎をそばにのせるのも最高らしいです。そりゃそうでしょう!(選手ではない記者は、おかわりを勧められてもやっぱりそれは遠慮しました。その食べ方、もっと早く教えてほしかった…(>_<)
12時45分、決勝も終了し、13時半から表彰式がありました。
優勝者は予選1位通過の方ではありませんでした。勝負とは最後までわからぬもの、ですね!
(トロフィーには釣り人のフィギュア3種)
すごいのはこのあと。
上位3名に限らず参加者全員が一人一人ちゃんと表彰されるのです。しかも、最後の順位までたくさんの景品が!(つまり、上位はずっと持たされます)。
朝からのうどんにそば、おにぎり、釣った鮎をその場で焼くのに加えてですから、この「ちょっとやそっとではないもてなし」も人気の理由だそうです。
この大会は、ただ勝利だけをめざすものではなく、最後まで日野川の自然に親しみ、親睦を深めることが目的なのだな、と思わされます(^^♪
←ちゃんと後ろの順位の人の賞品も見えます。
優勝をめざさない人でも来るだけで楽しい釣り大会、それが瀬田カップでしょう。
この先、大会はいくつもありますが、シーズンのほぼ先頭を切ってこんな大会があると、釣り人のみなさんは「ふんわりアクセル」で2023年のシーズンをスタートできるというものですね(^^♪
この後もいつでも日野郡にいらしてくださいね!
日野振興局 2023/06/14