日野町内でちょいちょい見かけるようになった洗練された赤い袋の何か…。
それは、日野町産のエビスグサ100%の「焙煎はぶ茶」でした。
はぶ茶とは、エビスグサというマメ科の植物の実を焙煎して作ったノンカフェインのお茶。エビスグサは、生薬のケツメイシの原料でもあります。はぶ茶は、目にやさしく、お通じもよくすることから内臓にいいお茶として飲まれてきました。
エビスグサ ⇒
今回の記事では、これを地道に栽培して、まだまだ数は少ないながらも商品にした
日野町菅福地区の伊田喜浩さん(下の写真)をご紹介します。
伊田さんは元・日野町役場の職員。地域振興に関する部署で働いた経験から、日野町の特産品を生み出せないものかと思案していた時、最近のイノシシ被害の多さ(年間500頭も捕獲)も目にしていたことから、「
イノシシが食べないエビスグサでのお茶づくりをしてはどうか」とひらめいたそうです。
しかも、お茶なら乾燥しているので保存しやすく、食品販売の上で最も気をつけたい衛生面の心配が少ないので、まったく違う仕事をしてきた自分でもできるではないか、と。
そこで原料づくりは伊田さんたちのグループ「彌生ファーマー」の6人で行い、焙煎は専門の会社に、袋詰めは町内の作業所に依頼して商品化されました。
製造開始して6年目の現在、1年に1,000個売れるまでに成長しました。
伊田さんの目論見どおり、今のところクレームはゼロだそうです!
記者も飲んでみましたが、想像していたような漢方薬の味ではなく、すっきりと飲みやすく、本当においしいと思いました♪
先日は、大阪のセレクトショップから100個の注文があったといいます。
伊田さんの特産品づくりの取組には第二弾、「粗挽き一味唐がらし」もあります!
一味唐がらしの製造に目をつけた理由もはぶ茶と同じく、イノシシが食べない植物であり、製品は乾燥していて衛生面の心配が少ないと考えたから。
ほかの一味唐がらしと差がつくポイントは「粉末状態ではなく、粗挽き」であること。そして、菅福のありあまっている竹を粉砕して作った竹パウダーを畑にまき、善玉菌を増やした土で栽培していることです。
(竹林が育ちすぎて困っていたところ、この冬は雪が重たく、倒竹で集落は往生したそうです。竹パウダー製造は、景観再生と地域資源の活用という側面もあります)
この一味唐がらし、粗挽きであるがゆえに見た目の赤色も鮮やかで、味もやみつきになるらしく、何度もリピートする人がいる人気商品で、昨年の収穫から作った2,000本(1本12g入り)がすでに売り切れたそうです。今後の増産が期待されますね~。
(6月中旬現在、上菅駅前の菅福地区の拠点「住舞瑠(すまいる)」に在庫少々あり)
伊田さんの2つの商品の買い手は地元の人が多いとのこと。
値段を手ごろに設定し、日野町中心に販売しているのは「まずは『地元に愛される商品』にしたい」という思いからです。
また、商品には別の役目も期待しています。それは、日野町根雨にある金持テラス内の物産店「まめなか屋」の品ぞろえの日野町産の割合を上げること。現在は、広く日野郡や県西部の品が並んでいますが、地元産100%になれば…そんな思いも伊田さんは持っています。
(いずれはより広く届けられるよう、ネット販売の計画も進められています)
根っからの日野っ子である伊田さんの新たな特産品づくりの取組が、さらに発展していくことを願います(^^♪
【商品のちらし ※彌生ファーマーの連絡先も載っています】
焙煎はぶ茶 (pdf:1547KB) 粗挽き一味唐がらし (pdf:1117KB)
日野振興局 2023/06/26