2010年3月24日
ムール貝というと何か高級食材のような感じがします。実際に東北地方などでは養殖がされて全国各地に出荷されています。 この美味しいムール貝とそこらの港の岸壁やテトラに付着しているムラサキイガイが同じものであると知ると、なんだか少しがっかりとしてきます。 ヨーロッパではイガイ類を一般的にムール貝と呼んでいるようで、このムラサキイガイは地中海の原産とされています。明治以降、船のバラスト水に混じって生息域を拡大しました。 先日、東郷湖羽合臨海公園の宇野公園の海岸で本種とムラサキインコガイ、2種類のイガイ類を見つけました。
打ち上げられたプラスチックの浮きにびっしりと付着したムラサキイガイ。日本在来のイガイに比べると貝がやや薄くて青っぽく、幅が広めなのが特徴。養殖ものは身がふっくらとして旨いが、なぜかこの辺りのものは身が薄く、味が落ちる。
近くの岩礁に付着したムラサキインコガイ。地元では少し深い場所に生息するイガイと区別することなく、一般的に「イガイ」と呼んでいる。波に洗われる浅い場所で簡単に取れ、吸い物にすれば味は良好。 外来植物が荒地にはびこるように、このムール貝も新しいコンクリートの岸壁やテトラに大繁殖します。この辺りでは不味いといってあまり食べる人がいないようですが、以前、焼いてビールのつまみにしたら結構いけました。 おや、ほかにも食材が !
打ち上げられたホンダワラの仲間。美味しいアカモク(この辺りではジンバソウという)と思い、味噌汁の具に。かたくて、不味くて、間違えました。
今年は少ないと思っていたハリセンボンが大量に。打ち上げられて時間が経過し、今回もミイラ状で、アバサー汁を食べ損ないました。
食材のほとんどをスーパーから手に入れる時代になりましたが、海には市場に出回らない、地元のみ消費されるさまざまな食材があります。 あちこちから情報を入手して、珍しい味を楽しみたいものです。(自然保護監視員 浜辺正篤)
中部総合事務所環境建築局 2010/03/24 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥
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