自然保護監視員日記


 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2010年4月20日

まだまだ続く桜の季節

 今年は春になって急に寒くなり、桜が長持ちして得したような気分になりました。
でも、何で日本人はこんなに桜が気になるのでしょうか。あのなんともいえない妖しさでしょうか。

桜といえば真っ先にマスコミが取り上げる倉吉市極楽寺の枝垂桜。
エドヒガンの園芸種とされ、長寿で大木となる。4/6
山中に咲くキンキマメザクラ。花も木も小さくて可憐。地面に雪が残っていても花をつける。三朝町竹田谷にて。4/8
倉吉市大平山公園のソメイヨシノ。公園は東郷池方面の眺望が良く、市民の格好の散策地。4/7

 あちこちの公園や川の土手の桜はほとんどがソメイヨシノです。咲き始めはピンク、満開で真っ白になり、一斉に散っていきます。

 同じ頃に山に目を向けてください。普段は気づかなかったヤマザクラがこんなに沢山、というほど目だつようになります。このヤマザクラの花の様子はソメイヨシノとはずいぶん異なっています。

倉吉駅北の毘沙門天さんのヤマザクラ。この近辺では一番早く花をつける。あまり早いのでなにか別種と思えるほど。3/11 湯梨浜町羽衣石の山裾で。花と葉が同時に開く。葉の色は赤から緑まで様々。話に聞く奈良吉野の桜もヤマザクラ。4/16
湯梨浜町十万寺、中国自然歩道のヤマザクラの大木。胸高直径1m以上。花はまだつぼみ、雪で折れた枝が痛々しい。4/6

 ヤマザクラは一本一本微妙に色合いが異なり、咲く時期も少しずれたりします。
 ソメイヨシノが元々一本の木からつぎ木で増やしたクローンであるのに対し、ヤマザクラは野生種で多様な遺伝子からなるためです。

 ソメイヨシノは人間に例えるなら、全く同じ顔をしたクローン美人が全国どこにでもゴマンといるようなものです。なんだか気味が悪い話しではありませんか。

 この美人はまた、桜としては薄命(60~70年)で、倉吉市は打吹公園の老衰したものを順次ヤマザクラやオオシマザクラに植え替えると聞きました。ヤマザクラファンの私としてはうれしい限りです。

 街ではこれから遅咲きの華麗な八重桜が楽しめますが、山では淡い新緑の中にその名も「カスミザクラ」が白くボーっと浮かびあがってきます。桜の季節はまだまだ続きます。(自然保護監視員 浜辺正篤)

中部総合事務所環境建築局 2010/04/20 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
<2024年7月>
30123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031123
45678910

  このページの見方 

・記事のタイトルをクリックすると、全文が表示されます。

・「トップページ」をクリックすると、記事の一覧に戻ります。

・カレンダーの日付をクリックすると、その日の掲載記事が表示されます。
 (※ただし、選択できるのは下線がある日のみです。)

・カテゴリーの項目をクリックすると、そのカテゴリーに分類された記事が表示されます。

    Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000