秋にすっかり葉を落とし、枝と幹だけの姿になった木々は静かに春の訪れを待っています。そんな中、ワサワサと今だに枯れた葉っぱをつけている木が目を引きます。「カシワ」の木です。
カシワはブナ科コナラ属の落葉樹です。北海道から九州まで広く分布しています。
どうして、カシワは他の木々のように葉っぱを落とさないのでしょう?それは厳しい競争に勝ち抜くための手段だと言われています。
いかに日光をたくさん得ていくか!植物たちは日光の奪い合いを日々繰り広げています。冬の間葉を茂らし、下に生えた植物に日光を与えなければ、春先の生長競争でぬきん出ることができます。考えましたね~。
カシワの葉と言えば、「柏餅」が有名ですよね。一度はみなさんも見たことがあるのでは?
柏餅にはカシワの若葉を乾燥させたものが使われているのですが、葉を使う理由として、よい香りと葉っぱに生えている毛のおかげで餅がくっつきにくいことからだそうです。でも、一番の理由は新しい新芽が出るまで古い葉が落ちないことが「代が途切れない」縁起物だから!
なるほど、だから5月の節句のお祝いに柏餅を食べるんですね~。
日野振興センター 2011/01/27