鳥取県教育委員 笠見幸子
夏休み真っ盛りです。地域内で子供たちの元気な声は聞かれるでしょうか。
私の住む地域では、夏休みになると夕方5時頃には小学生、それに幼児も加わって代わる代わる、時には一斉に「火の用心!」と言いながら列をなして集落内を一巡します。
「マッチ一本、火事のもと、火の用心!」「子供にマッチを持たせるな、火の用心」「雨は天から、涙は目から、火事はちょっとの油断から、火の用心!!」等々。・・・
「アッ、魚がおる」「アッ、壁が落ちかけとる」自分の発見を皆に知らせようと必死な小さな探検隊でもあります。ほほえましく思います。今やマッチを使って火をたき夕食の準備をする家などありません。しかし、時代にそぐわないけれど意義ある活動だからやらせようと保護者が考えてのことなのかもしれません。
しかし、この頃あまり見かけなくなりました。個人の都合の方が優先し出したからでしょうか。
『ふるさとを愛する心』は、「うさぎ追いしかの山、こぶな釣りしかの川…」のように子供の頃、近くの自然の中で仲間としっかり遊んだ体験こそが醸成すると思います。
『危険』の一言で片づけてしまわないで、恵まれた自然の中で『子供同士で思いっきり遊ばせよう!』という意識を持つこと。
子どもが減ってきている現状だからこそ、『火の用心』などの子供会活動への支援や身近な海、川、山等の環境整備が必要だと思うのです。子供たちの元気な遊び声が聞こえる環境を創り出していきたいものです。