秋雨の上がった10月のある朝、突然の出来事のようにしてキノコが出現していました。
ナメコです。
これは、今年の春、日野町の「しいたけマンの会」が原木に植菌して仕込んでおいたものです。
15センチ程度に短く切った丸太を2本1組にして、その切り口にナメコ菌とオガクズとヌカを混ぜ合わせたものをサンドイッチ状に挟み、地面に立てておく方法で、これを短木法といいます。
切り口の合わせ目や上面、それから木の表面からも生えてきます。
もう一つの栽培方法は長木法といって、長さ1メートル程度に切った原木に駒菌と呼ばれる種を打ち込み、そのまま横に寝かせておく方法です。
これがそうです。
原木を設置する場所は雑木林や杉林ですが、近くに小川が流れていれば適度な湿度が保たれるので最適です。
写真の場所は竹林で、この奥には沢が流れています。
そして、こちらは「しいたけマンの会」のメイン特産物、しいたけ。
気の早いのがポツリポツリと芽を出し始めましたが、本番はもう少し先になりそうです。
と、ここでちょっと注釈。
キノコの栽培には「しいたけマンの会」が行っている原木栽培(コナラなどの原木に菌を植えて栽培する方法)と、屋内で1年中収穫できる菌床栽培(原木を使わずオガ菌のみで栽培する方法)とがあります。
手間のかかる原木栽培のキノコは価格的には高めになりますが、味も食感も香りも野生キノコに近く、何より季節の旬という贅沢を味わうことができます。
ご覧ください。
日野町根雨の「そば道場たたら屋」で10月からメニューに加えられた季節限定の「なめこそば」です。原木ナメコがたっぷり入って900円。
このナメコも「しいたけマンの会」会員が生産したものです。
格子戸から差し込むやわらかな秋の日差しと、ほんのり立ち昇るそばの湯気…。
「そば道場たたら屋」は、もうじき新そばの季節を迎えます。
旬のナメコで旬の新そば……秋、ですねえ。
By 地域づくりサポーター 梅林
日野振興局 2013/10/09