鳥取県教育委員 松本美惠子
「憲法って、何?」
10月3日、広島市の国際会議場で、憲法に関するシンポジウムがあり傍聴してきました。
配布された資料の中に入っていた絵本「憲法って、何だろう?」(奈良県弁護士会とイラストレーターの星野一子さんの共同制作、日本弁護士連合会発行)が、私の気持ちにピタッと来ましたので、詩を抜粋してご紹介します。
むつかしく考える必要は、ないよ
でも、とても、大切なこと
あなたは、あなたの人生の主人公
あなたは、あなたであるだけで、大切な人
あなたは、誰のものでもない
あなたは、どこに住んでもかまわない
あなたは、誰と結婚してもかまわない
あなたは
ほかの人にめいわくをかけなければ
自分で自分の生きがいをみつけて
自分の人生を歩むことができる。
それが「自由」です
みんなが、自分の人生の主人公
みんな、違う顔をしている
でも、みんな、その人であるだけで、大切な人
それが「平等」です
住むところがない人は、「自由」?
学校へ行かせてもらえなかった人は、「自由」?
働かされすぎて死んでしまった人は、「自由」?
仕事がない人は、「自由」?
好きでこうなったわけじゃない
こういう人たちを助けてこそリーダー
これは、よわい人たちの権利
それが「社会権」です
多数決の「いじめ」はダメ
「自由」と「平等」そして「参政権」「社会権」
これは、あなたが生まれながらにして持っている権利
それが「基本的人権」です
リーダーも、これを取り上げることはできない
多数決で決めたルールでもダメ
それが「人権の尊重」です
「自由」と「わがまま」は違う
憲法が保障する「自由」は
「したいことをする自由」じゃない
それは
「なすべきことをする自由」
あなたは
他の人をしあわせにすることで
しあわせになれる
他の人の不幸をわかちあって
自分の不幸も乗りこえられる
それが「生きがい」です
戦争は最大の人権侵害
戦争をしたら人が死ぬ
人が人をころす
みんなが作った国なのに
その国が人をころす
「お国のため」に、ころす
…何で?
5月3日は憲法記念日であることは知っていても、昭和22年5月3日に施行された今の日本国憲法の内容を知らないままの人も多いと思います。
子どもたちの教育を受ける権利、生活に困っている人が受けることのできる生活保護、デモやシュプレヒコールが権利として認められている表現の自由、マスコミが社会問題を惹起し、政治に対する批判をすることが権力から制限を受けない報道の自由など、社会で起きている様々な事象や問題に、広く憲法が関係しています。
子どもたちだけでなく、我々大人たちも、社会の様々なことに関心を持ち、疑問をもって、自分で考え、自分で判断する力を身につけるべく、生涯学習の姿勢をもって生きることが大事であると日々感じています。