予防接種を受けるということは、体の中に異物を入れることなので、ワクチンに体が反応して接種部位の腫れや痛みなどが起きることがあります。また、発熱や倦怠感といった、全身の症状が現れることもあります。しかし、これらの症状は比較的軽く、数日でおさまる程度の物がほとんどです。
しかし、中には失神、ショック反応といった重篤な症状を起こし、後遺症を残すような場合もあります。特に、接種直後は状況を注意深く観察し、30分間は医療機関で様子を見るようにしましょう。
なお、現在使用されているワクチンの安全性は高いものです。一般的に、予防接種を受けることよりも、予防接種を受けないことによって様々な感染症に感染する危険性の方が高いといわれています。
接種にあたっては対象者の体質や当日の体調を接種医によく相談し、予防接種を受けるかどうかを判断しましょう。
A類疾病(接種を受ける努力義務のある病気)の予防接種は、次のようなものがあります。
- Hib(b型インフルエンザ菌)ワクチン
- 15価及び13価肺炎球菌ワクチン(小児用)
- HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
- 五種混合(DPT-IPV-Hib:百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヒブ混合ワクチン)
- 四種混合(DPT-IPV:百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン)
- 二種混合(DT:ジフテリア破傷風混合ワクチン)
- 麻しん・風しん(MRワクチン)
- 日本脳炎ワクチン
- BCG(結核)
- 水痘(みずぼうそう)ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
B類疾病(接種を受ける努力義務のない病気)の予防接種は、インフルエンザ及び新型コロナウイルスワクチン(65歳以上の方、又は60歳以上65歳未満の方で心疾患、腎疾患、呼吸器疾患などの基礎疾患のある方に限る)、23価肺炎球菌ワクチンです。
定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。
健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終了する又は障害が治癒する期間まで支給されます。
ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるもの なのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けるこ とができます。
対象年齢からはずれた場合や接種期間を過ぎた場合、おたふくかぜワクチン等、予防接種法に基づかない接種(任意接種)で、健康被害を受けた場合は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づく救済を受けることになりますが、予防接種法に比べて救済の額が概ね二分の一(医療費・医療手当・葬祭料については同程度)となっています。
※給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、お住まいの市町村役場へお尋ねください。