この度、公共工事労務単価の引上げが決定、公表されました。この単価引上げを、技能労働者の賃金引上げ、業界の就労環境改善に確実につなげ、入職等の促進を図る必要があります。
このような中で、昨年秋、業界団体を通じて下請取引における契約に係る実態調査等によれば、依然として下請へのしわ寄せ行為が後を絶たない状況が確認されています(以下、「※実態調査結果の概要」)。
県としても、不適切な契約等に対しては引き続き厳正に指導を行ってまいりますが、法令や各種ルールの遵守状況について今一度点検いただき、改めて法令等遵守の徹底に努めていただくようお願いします。
※実態調査結果の概要
項目 |
概要 |
1 |
下請契約における労務単価の状況 |
〇約8割が県標準単価を下回る労務単価での下請契約となっている。
〇なお、単価水準は、鉄筋工は県単価比約70%以上だったが、型枠・とび工では同比30%程度での低水準での契約実態も確認された。 |
2 |
社会保険適用外の見積依頼 |
〇社会保険適用外となる4人以下の個人事業主としての見積書提出を求められるような事実までは確認できなかったが、約2割において、少なくとも適正な法定福利費が支払われていない状況が見受けられる。 |
3 |
元請からのしわ寄せ行為の具体例 |
〇様々な形態でのしわ寄せ行為が確認されたが、いまだに下請の見積が 考慮されず契約に至った事例が特に多い。
〇また、悪天候時等における、足場や養生シートの張り直し、撤去等を下請の負担とされるとの声も複数あった。 |
4 |
二重帳簿の事態 |
〇実際に二重帳簿が疑われる回答は1件。その他は、指値での見積書を作成させるケースが多い。
〇特定の現場だけで社会保険を取って、すぐに保険をやめる不適切な事例もある。 |
5 |
その他不当な取扱い |
〇実際は2次や3次にもかかわらず、作業員名簿上、1次の作業員として現場入場する事例がある。
〇追加工事は業者負担、請負工事完成後、見積金額の値引きを求められる等の行為。 |
6 |
自由記述(意見・要望) |
〇法定福利費が払ってもらえない、下請に降りてくる金額が低く、適正な価格での契約ができるよう求める声が最も多い。 |
●令和6年3月8日付第202300304721号県土部長通知「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」/業界団体あて
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