鳥取県は、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生、「遥かな町へ」「父の暦」の谷口ジロー先生、「名探偵コナン」の青山剛昌先生をはじめとする多数の漫画家を輩出しています。水木先生のふるさと境港市では水木しげるロードがにぎわい、谷口先生が作品で描写した倉吉市や鳥取市では落ち着いた町並みが、そして、青山先生の出身地の北栄町では青山剛昌ふるさと館やコナン通りが人々を惹きつけています。
まんがそのものが人々を心豊かに、日常生活を潤いのあるものにすることはもちろん、まんがは観光や産業の振興、人材育成にも大きく寄与します。ここに着目して、鳥取県はさまざまな取組を進めてきました。「第13回国際マンガサミット」を誘致して、2012(平成24)年秋、米子市で開催しました。これを契機として、まんがを活用した元気な鳥取県づくりをめざして、2012(平成24)年を「まんが王国とっとり」建国の年と位置づけました。初夏から秋にかけて県内各地で「国際まんが博」を、その翌年の2013(平成25)年には「まんが博・乙」を開催しました。
建国によって、マンガ表現(まんが独特の表現手法)を活用した刊行物の発行が進み、「国際まんが博」などのまんが関連イベントの告知媒体だけではなく、県政だよりなどによる行政施策の紹介が盛んになり、分かりやすく親しみやすい広報が増えてきました。
私たちは、建国からこれまでの取組を一過性のものとせず継続的に発展させていくため、自由な発想と表現でかたちづくられるまんがに倣って、お役所仕事と揶揄されがちな四角四面で杓子定規な取組ではなく、夢を大きく膨らませて将来を展望していきたいと考えています。現実性がない荒唐無稽な計画は、ときにマンガのようだと嘲笑されます。そのとおりマンガだからと開き直って、無限のフロンティアを拓く気概をもって夢を描き、チャレンジを継続していきたいと考えています。皆さんの御支援と御協力をよろしくお願いします。