県内の産業振興、地域活動等における高等教育機関へのニーズは高まっており、行政との協働・連携により施策実現を図るという役割も期待されています。本県においては、多様な分野で高等教育機関と地域との連携が進み、また、拡大しつつあります。
また、将来にわたる地域の産業・文化の創出と発展・活性化には自ら考える知の地域づくりが必要であり、その拠点として高等教育機関の振興が不可欠です。
近い将来の児童生徒数の減少が学校運営に大きな影響を与えます。例えば日野郡、岩美郡及び八頭郡では、平成30(2018)年頃には中学3年生がほぼ半減すると予測されます。人口減少を見据えた学校のあり方の検討が必要です。
児童生徒の学力の二極化傾向が進行し、読解力・学習意欲の不足、規範意識の低下への懸念が広がっています。また、勤労観、職業観の希薄化が顕著になっています。中途退学、いじめ、不登校、問題行動等が存在し、専門家によるカウンセリングが必要な場合も増加しています。体力の低下が続いています。
保護者の意識変化も含め、家庭の教育力の二極化が進行しています。本来家庭が果たすべき機能(しつけ・規範意識の醸成等)が学校任せになる傾向が強くなっています。地域においても同様の状況が見られます。地域で生まれ、地域の学校で学び、卒業後に地域を支えるという循環が成立しにくい背景には、地域社会を支える人材を地域全体で育てるという「地域教育力」の低下も影響していると考えられます。
青少年を見守り、健やかに育てるため、社会構造や青少年の意識・価値観等の変化への対応が必要です。
青少年の理科・科学離れが進んでいます。また、TVゲームやインターネットの普及等に伴い、仮想的なものに触れる機会が増え、観察や実験など実体験をする機会が減っています。このような傾向が続くと、青少年の科学・ものづくりへの興味関心の低下、そして次代の地域産業を担う「人財」(地域の宝である人材)の減少へとつながります。
そのため、次代を支える青少年に対し、身近な科学に触れ科学の素晴らしさを体験・実感させ科学的思考力を養う機会を継続的に提供していくこと等により、次代の地域産業を担う「人財」を育成することが必要です。更に、最先端の科学等に触れる機会を提供することで、科学・ものづくりに対する興味関心をより高い知的創造力へ高めることが、地域の知的基盤の強化につながります。