9月12日(火)に広島工業大学において開催された森林バイオマス利用学会において、木材利用研究室の桐林真人研究員ほかが「論文賞」を受賞しました。
【受賞論文】
スギ丸太ならびに立木での応力波伝搬時間計測における出力結果の再現性の向上
【受賞者】
桐林真人、西村臣博(鳥取県造林公社)、藤本高明・山本福寿(鳥取大学農学部)
【掲載誌】
森林バイオマス利用学会誌 第10巻第2号 pp41-47(平成27年12月31日発行)
【概要】
本研究は「強度性能に優れた鳥取県産スギ材を選抜し、増殖すること」を目的する研究の一環として平成23年度に着手しました。立木の強度性能を調べるには、材を叩いて内部を伝わる波の速さで木材の強度性能や腐朽を調べる手法である「応力波法」(おうりょくはほう)を用いますが、測定誤差が大きいことが問題でした。そこで同研究員はセンサーの配置や打撃装置を工夫することで、推定精度を飛躍的に向上させることに成功しました。
林業試験場では今回の受賞を励みに、優良林木の育種・育苗技術や県産材を活用した新たな木質材料の研究・開発と技術支援にこれまで以上に取り組んで参ります。
なお林業試験場では本年度、燃焼性を確かめる燃焼試験機や、強度などを測定する実大試験機など新型の試験機器を導入し、CLT、LVLなど品質の確かな県産材の製品作りのためのオープンラボ機能を強化し、実用技術の協働開発拠点化を目指します。
桐林研究員 独自に改良した応力波伝搬時間
測定法(MM法)での測定の様子