平成29年11月30日(木)、新日本海新聞社中部本社ホールにおいて表題のセミナーを開催しました。
[参加者]110名
【特別講演】
はじめに、東京にある桜設計集団一級建築士事務所 代表 安井昇氏(写真)から「まちなかに火事に負けない木造建築をつくる」と題してご講演いただきました。
安井氏は木造建築構造の専門家で、防耐火設計の第一人者。躯体が木造であることが火災の原因と勘違いされている問題を指摘され、新潟県の糸魚川火災の例をもとに、準防火地域制定以前の建物が焼失していることから、「燃えない」ではなく「燃え抜けない」仕組みが重要であることを強調されました。最後に改正建築基準法(平成27年6月施行)の紹介をされ、これまで、「木造=燃える=危ない=まちなかで使ってはダメ」という図式でしたが、今は、「木造=ゆっくり燃える=一定時間安全=まちなかの3階建て以下にそのまま使ってよい」と変わっているので、鳥取でも火事に負けない木造を作っていってほしいと呼びかけられました。来場された方からは、「やはり木ということで、火に弱いというイメージが強かったが、防火性能は高いことに驚いた」、「燃えないものが必ずしも安全とはいえない。長所をうまく使って木造の良さを引き出したい」など木造建築に対するイメージが変わったとの声(アンケート)が多数ありました。
H29年度森林・林業・木材セミナー(倉吉市 新日本海新聞社中部本社ホール)
H29.11.30
桜設計集団一級建築士事務所 代表 安井 昇氏
特別講演「まちなかに火事に負けない木造建築をつくる」
【研究発表】
その後、林業試験場の研究員4名が、研究成果等の報告・情報提供を行いました。
発表内容の概要は、別添「要旨集」をご覧ください。
(1)大臣認定を取得したスギ厚板(あついた)耐力壁 森田主任研究員
(2)CLTの今後の普及に向けて 川上主任研究員
(3)地震による被害のドローンによる被災調査 山増(やまます)
主任研究員
(4)地下流水音探査法による被災調査 矢部主任研究員
森田主任研究員「大臣認定を取得したスギ厚板(あついた)耐力壁」
川上主任研究員「CLTの今後の普及に向けて」
山増(やまます)主任研究員「地震による被害のドローンによる被災調査」
矢部主任研究員「地下流水音探査法による被災調査」
要旨集(PDF 4829KB) 当日お配りしたもの(拡大したものは、広葉樹を
使った名刺ホルダーです)
当日は天候が悪いなか、お越しいただきありがとうございました。本セミナーは、来年度以降も開催する予定ですので、今後ともよろしくお願いします。
林業試験場では本年度、燃焼性を確かめる燃焼試験機や、強度などを測定する実大試験機など新型の試験機器を導入し、CLT、LVLなど品質の確かな県産材の製品作りのためのオープンラボ機能を強化し、実用技術の協働開発拠点化を目指します。
関連記事は当場ホームページ http://www.pref.tottori.lg.jp/271181.htm をご覧ください。