平成29年12月28日(木)に行われた鳥取県庁の仕事納め式において、他の職員の模範となる業績又は行為があった所属として「鳥取県林業試験場木材利用研究室」が鳥取県知事表彰を受賞しました。
【功績の題目】
「スギ厚板耐力壁」の国土交通大臣認定取得
【実績・成果】
木材利用研究室では平成17年から、県産スギ厚板に木製ダボをはめこんだ耐震性の高い壁の開発に取り組んでおり、その高い耐震性能が一部の県内工務店に認められ、小規模ながら試験的に先行して住宅リフォームなどで活用され始めました。しかしこの壁は、法律で定める耐力壁として認められていなかったため、耐震計算に組み込むことができず、新築住宅への活用の障害となっていました。この状況を打開するため、壁倍率の国土交通大臣認定の取得に取り組み、その結果、スギ厚板とヒノキダボを組み合わせた耐力壁(以下、スギ厚板耐力壁)が、平成29年4月13日に壁倍率2.2倍の認定を取得することができました。この「スギ厚板耐力壁」は、壁材料に県産スギ材をふんだんに使っているため、県産スギA材の需要拡大と山元への利益還元が期待できると共に、これまでの耐震リフォームでの利用に加え、耐震性に優れた新築木造住宅の建設を促進し、住まいの安全・安心に寄与できるものと考えています。
【今後の展開】
地震に粘り強く接着剤を使わないという特長とともに、木の風合い・香り・手触りが楽しめるこの耐力壁が、洋間のクロス張りの壁と置き換わることで、スギA材の消費拡大に繋がることが期待されます。将来は、鳥取発の先進的な技術としてスギA材利用対策に悩む各都府県に積極的に情報発信したいと考えています。
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平井知事から表彰状を受け取る木材利用研究室長
表彰状:
功績:「スギ厚板耐力壁」の国土交通大臣認定取得
木材利用研究室のメンバー(H30.1.10現在)
林業試験場では本年度、燃焼性を確かめる燃焼試験機や、強度などを測定する実大試験機など新型の試験機器を導入し、CLT、LVLなど品質の確かな県産材の製品作りのためのオープンラボ機能を強化し、実用技術の協働開発拠点化を目指します。