松江市の島根県民会館において9月11日(水)に開催された第31回日本木材学会中国四国支部研究発表会において、木材利用研究室の佐々木裕介研究員が口頭部門で、半澤綾菜研究員がポスター部門で「研究発表賞」を同時受賞しました。この賞は40歳以下の若手研究者を対象とし、両研究員の取り組んできた研究内容や発表手法が審査員から高い評価を頂きました。これを励みに、得られた成果を県産材振興に役立てて参りますので、皆様の御支援・御協力をお願いします。
【発表題目】:コーンカロリーメーターを用いた有節材の燃焼特性
(鳥取林試)半澤綾菜、桐林真人
【概要】この研究は、出荷が増加しつつある有節材について、木質内装での活用シーンを広げるために必要な燃焼特性を調査したものです。木材を大規模建築物内で利用する際には不燃処理などが必要になりますが、木材の節は薬剤処理が困難なため利用されにくい状況です。この研究では、節が大きくなると発熱量が増えることや、燃えきるのに時間かかることを数値的に明らかにし、燃えにくい製品の開発に必要な基礎データを得ることができました。
節のある試験体(左)と燃焼試験の状況(右)
【発表題目】:施工途中の雨掛かりを想定した環境下におけるCLTの反り
(鳥取林試)佐々木裕介、川上敬介、(銘建工業)孕石剛志
【概要】この研究は、CLTを建築物に用いる際に発生が懸念される「雨掛かりによるCLTの変形」について調べたものです。1m四方の試験体12枚に散水して雨掛かりを再現し、重量の変化や反りを計測しました。この結果、降雨に暴露された時間が長くなるほど降雨後の変形が大きくなる傾向があることや、撥水剤塗布の効果が大きいことが明らかになりました。降雨の多い本邦におけるCLTの活用にあたり、国内でもほとんど例のない貴重な情報を提供することができました。
雨掛かりの再現状況(左)と試験体の反りの計測(右)
受賞を喜ぶ半澤研究員(左)と佐々木研究員(右)